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ナイトクローはボロボロです2

暗く湿った洞窟の奥で輝いていた星喰い鉱石を手に入れ、重い息をつきながら洞窟の出口にたどり着いた。洞窟の中は魔物の巣窟と化しており、一瞬の油断も許されない状況が続いていた。だが、にゃんまるの助けもあり、無事に鉱石を採取することに成功したのだ。


洞窟を抜け、外の光が目に入ると、広がるのは満天の星空。冷たい夜風が肌を撫で、長い戦いの疲れを癒してくれるようだった。


「ようやく外に出られたな…」


小さく呟きながら、星喰い鉱石の入った袋を肩に担ぎ直す。その表情には、達成感とわずかな疲労の色が浮かんでいる。


「お疲れ様です、主。この調子でリカルド殿のもとへ戻りましょう。これでナイトクローも復活しますね。」


にゃんまるが嬉しそうに声をかける。その瞳には、どこか誇らしげな光が宿っていた。


「でも、あの鉱石、本当に普通じゃなかったな。触れた瞬間、熱いどころか冷たいって感じたし…。」


手に残る感覚を思い出しながら、袋を軽く叩いた。星喰い鉱石は見た目以上に神秘的で、普通の鉱石とは一線を画している。


「星喰い鉱石は希少であるだけでなく、特別な性質を持つと言われております。リカルド殿ならきっと、この力を余すことなく引き出してくださることでしょう。」


「だといいけどな…。あとは、この鉱石を届けるだけだ。」


洞窟の出口を背に、満天の星の下で静かに進む二人。彼らの足取りは重さを増していたが、それ以上に希望の光が差していた。


だが、その静けさを破るように、遠くから低い唸り声が響いた。


「気配がありますね、主。」


にゃんまるの耳がピクリと動き、鋭い目つきで周囲を見回す。


「このタイミングか…。行こう、にゃんまる。」


咄嗟に腰に手を伸ばし、ダガーを抜いた。


森の茂みから現れたのは、洞窟の魔物とは異なる巨大な影。牙をむき出しにした魔獣が、二人を睨みつけている。


「ここで鉱石を奪われるわけにはいかない!」


主の声と共に、静かな夜が再び戦いの場へと変わる。鍛冶師リカルドのもとへ辿り着くための最後の試練が、二人を待ち受けていた。


「逃げ道はありませんね、主。戦いましょう」


にゃんまるが冷静な口調で言葉を発した。その手には、鋭く磨かれた剣が握られている。


「わかってる」


ダガーを握り直し、魔獣に向かって一歩踏み出した。魔獣はその大きな体躯を低く構え、漆黒の瞳で二人を睨みつけている。


「気をつけてください。速さと力、どちらも侮れません」


にゃんまるが忠告を送ると同時に、魔獣が咆哮を上げながら突進してきた。


反射的に横へと飛び退き、ダガーで魔獣の横腹を斬りつける。しかし、刃は浅く、魔獣の厚い皮膚をほとんど傷つけられていない。


「この武器じゃ、まともにダメージが入らない…」


焦りを覚えたその時、にゃんまるが鋭い動きで魔獣の背後へ回り込む。


「気を引きます。攻撃の隙を狙ってください!」


にゃんまるが剣を構え、的確な突きを放った。剣先が魔獣の脚を捉え、バランスを崩させる。


「主、右前脚を狙って!」


にゃんまるの指示に従い、主は魔獣の動きが鈍った瞬間に攻撃を仕掛けた。


猫爪星穿!


ダガーが光を纏い、魔獣の右前脚を深く切り裂いた。その衝撃に、魔獣が大きく体勢を崩す。


「いまだ!」


にゃんまるが瞬時に距離を詰め、剣を振り下ろす。


崩剣・切り裂き!


にゃんまるの一撃が魔獣の首元を深く斬り裂いた。


その隙を逃さず、渾身の力でダガーを魔獣の胸元に突き刺す。


「これで終わりだ!」


魔獣が最後のうめき声を上げ、地面に崩れ落ちた。


「ふう…終わったか」


膝に手をつき、荒い息を整える。


「お見事でした、主。危険な相手でしたが、見事な連携でしたね」


にゃんまるが剣を収め、満足げに微笑んだ。


「サポートがなければやられてた。ありがとう、にゃんまる」


感謝の意を伝えながら、星喰い鉱石を再び確認した。


「この成果を持って、リカルド殿の元へ戻りましょう」


にゃんまるの声に頷き、二人は夜の森を抜けて、鍛冶場を目指して歩き始めた。闇の中に希望の光を灯しながら、次なる目的地へと向かう旅路は続く。


月明かりに照らされる道を、慎重に歩いていた。洞窟を出た後も周囲には魔獣の気配が漂っている。しかし、星喰い鉱石を手にした二人の足取りは確かだった。


「次にリカルドさんの鍛冶場に戻れば、ナイトクローを直してもらえるんだな」


手の中の鉱石を見つめながらつぶやいた。その表情には達成感とわずかな疲れが浮かんでいる。


「はい。リカルド殿の腕なら、きっと素晴らしい仕上がりになるでしょう」


にゃんまるは小さく頷きながら答えた。


森の中を抜け、街道が見えてきた。夜風が二人の間を抜けていく中、ふとにゃんまるが立ち止まる。


「主様、少しお待ちを」


「どうした?」


振り返ると、にゃんまるは耳をピクピクと動かしながら周囲を警戒している。


「…ついてきています。魔獣ではありませんが、不審な気配があります」


気配を探るために目を細めた。すると、背後の木々の間にちらりと影が揺れるのが見えた。


「人間…か?」


「その可能性が高いですね。念のため、用心しましょう」


二人は慎重に進むが、影は一定の距離を保ちながらついてくる。


「何か企んでるなら、正面から来ればいいのに…」


ぼそりと呟くと、にゃんまるが微笑みながら言った。


「その場合、正面から対応するだけです」


そう言いつつ、にゃんまるはさりげなく剣に手をかけた。ダガーに手をかけ、背後の気配に目を光らせた。


突然、影が動きを止める。そして、低い声が森の闇から響いた。


「そこの二人、夜中にこんな場所で何をしている?」


現れたのは粗野な身なりをした男たちだった。その手にはそれぞれ武器が握られている。


「これが目的だったんだな」


気配を鋭くしながら、男たちを睨む。


「まったく、次から次へと…。主、ここも私たちの連携で切り抜けましょう」


にゃんまるが穏やかな声で主を励ます。


「おい、そいつらが持ってるのが星喰い鉱石だ!」


男たちの一人が興奮した声を上げた。


「こいつら、最初から狙ってたのか」


低い声で呟く。


「そのようですね。ですが、私たちが渡す理由はありません」


にゃんまるは冷静な表情を崩さない。


男たちは武器を構え、にじり寄ってくる。その数は五人。戦い慣れた動きではないが、油断できるほど少なくもなかった。


「さっさと渡せば痛い目に遭わずに済むぞ!」


リーダー格らしき男が、凶悪な笑みを浮かべながら叫んだ。


「そんな脅しに屈するほど、甘くない」


一歩前に出て、鋭い目つきで相手を睨む。その瞬間、にゃんまるが隣で剣を抜き放った。


「主、私は左側を抑えます。右側はお任せします」


「了解だ」


二人は呼吸を合わせ、同時に動いた。


にゃんまるは軽やかな動きで左側に突進する。剣を振るう度に、相手の動きを巧みに封じ、的確に無力化していく。その手さばきは流れるようで、隙がない。


一方、ダガーを巧みに操りながら右側の敵を翻弄する。ボロボロのダガーだが、熟練した技術で威力は衰えを感じさせなかった。


「なんだこいつら、強すぎる!」


男たちは次第に動揺し始める。それを見逃すにゃんまるではない。


「降参するなら今のうちですよ」


静かだが威圧感のある声が響く。男たちは怯えた表情を浮かべ、一人また一人と武器を捨てた。


「ちっ…!覚えてやがれ!」


リーダー格の男は悔しそうに言い捨て、仲間を引き連れて森の奥へと逃げていった。


戦いが終わり、息を整えながらにゃんまるの方を見た。


「助かった。お前がいてくれて本当に助かるよ」


「お褒めいただき光栄です」


にゃんまるは微笑みながら剣を鞘に収めた。


再び星喰い鉱石を手の中に確かめる。


「これでリカルドさんの鍛冶場に戻れるな」


「はい。主の大切なナイトクローが、また輝きを取り戻す日も近いでしょう」


月明かりに導かれながら、二人は街道を目指して歩き出した。その背中には新たな希望と、絆の深まりが感じられた。


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