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竜騎士への道 6 素材集め編

黒騎士とヴォルガリオスを伴い、鉱石竜が生息する山脈を目指して準備を整えた。必要な道具や食糧を揃えたあと、アークを呼び出し、一行は山脈へと向かった。


険しい岩場が連なる山脈の麓に到着すると、黒騎士が周囲を見回しながら口を開いた。


「ここから先は竜にとっても過酷な地形となるでしょう。足元だけでなく、上からの落石にも注意が必要です。」


ヴォルガリオスがその巨体を軽く揺らしながら、翼を広げた。その動きはまるで「任せておけ」とでも言いたげだった。


アークの背から地図を取り出し、みんなに見せながら言った。


「鉱石竜が現れる可能性が高い洞窟が、この山脈の中腹にあるみたいだ。まずはそこを目指そう。」


にゃんまるが地図を見つめながら頷く。


「鉱石竜は洞窟の奥深くに巣を作ることが多いですが、昼間は外に出てくることもあります。注意深く進みましょう」


アークの首を軽く叩き、進む合図を送った。アークは静かに鳴き声を上げ、ゆっくりと山道を登り始めた。その背中から主人公が振り返り、黒騎士とヴォルガリオスに声をかける。


「もし何か異変を感じたらすぐ教えてくれ」


黒騎士は鋭い視線で山の奥を見つめ、静かに頷いた。

「心得ました、主。鉱石竜は岩と同化する性質を持つため、見落としには注意が必要です」


険しい山道を進む中、周囲には時折小さな岩が転がり落ち、風が強く吹きつけた。アークの背中にしっかりと腰を据え、慎重に前を見据える。


やがて、一行は目指していた洞窟の入り口に到着した。洞窟はまるで山が裂けたように口を開けており、中からはひんやりとした風が吹き出していた。


「ここが例の場所か……」


洞窟を見上げ、息を整えた。


黒騎士が静かに近づき、洞窟の中を見据える。


「主、この先は暗く、視界が限られるでしょう。私が先行して状況を確認いたします」


にゃんまるが声を上げた。


「私も探索スキルを活用して、周囲を見てみます。焦らず進みましょう」


うなずき、黒騎士とヴォルガリオスに向かって指示を出した。


「分かった。慎重に進もう。鉱石竜を見つけたら、すぐに知らせてくれ」


一行は鉱石竜を探すために洞窟の奥へと足を踏み入れた。それぞれの役割を果たしながら、彼らは少しずつ目標へと近づいていく。


洞窟の中は、ひんやりとした空気に包まれ、岩壁には微かな光を放つ鉱石が点々と埋め込まれていた。足元には砕けた岩や砂利が散らばり、歩くたびに軽い音が響く。


慎重にアークを進めながら、周囲を見渡した。


「鉱石竜が潜んでいるかもしれない。黒騎士、気配はどうだ?」


黒騎士は影から静かに答えた。


「微弱ですが、間違いなくこの先に生体反応を感じます。主、洞窟の奥へ進むほど注意が必要です」


にゃんまるが補足するように声を上げた。


「鉱石竜は自分の体を岩のように見せる能力があります。この光の具合だと見分けが難しいですね。気を抜かずに進みましょう」


やがて、一行は少し広めの空間に到達した。天井は高く、壁一面に鉱石がびっしりと生えており、淡い青白い光が辺りを照らしている。ヴォルガリオスが鼻をひくつかせ、鋭い目で周囲を観察している。


「ここ、もしかすると鉱石竜の巣かもしれないな。」


低く呟き、アークの背からそっと降りた。


黒騎士がすぐ近くに立ち、守るように目を光らせる。


「主、足元に注意してください。鉱石竜の動きは突然です」


そのとき、洞窟の奥から微かな振動が伝わってきた。小石がカタカタと音を立て、壁に埋まっていた鉱石がわずかに揺れる。


「来るぞ……!」


警戒態勢を取った瞬間、洞窟の奥から巨大な影がゆっくりと動き出した。


岩と見間違えるほど硬質な体を持つ鉱石竜が姿を現した。その目は深い琥珀色に輝き、身体中に埋め込まれた鉱石が光を反射している。


にゃんまるが素早く声を上げた。


「鉱石竜です!まずは動きを封じる策を考えましょう!」


アークに再び飛び乗り、フェリスタルを握りしめた。


「黒騎士、ヴォルガリオス、奴の動きを止める手伝いをしてくれ。俺は奴を引きつける!」


黒騎士がすかさず返事をし、影の中から姿を浮かび上がらせた。


「承知しました。主、気をつけてください」


ヴォルガリオスも低くうなり声を上げ、指示に応じて戦闘態勢を整えた。一行はそれぞれの役割を果たしながら、鉱石竜との対峙に挑む。


鉱石竜は低く咆哮を上げ、洞窟全体が震えるような音を響かせた。その声に反応するように、壁に埋め込まれていた鉱石が光を強め、一瞬、洞窟内が昼間のように明るくなった。


「眩しい……!」


思わず目を細め、腰のダガーに手を添えた。

鉱石竜は巨体ながら驚くほど俊敏な動きで突進してきた。地面を砕く足音と共に、竜の尾が地面を薙ぎ払う。アークを操りながら飛行で回避するが、竜の攻撃範囲は広く、一撃でも掠れば大きなダメージを受けるだろう。


「アーク、あの隙間に降りよう!」


洞窟の壁際にある広い岩場を指し示した。アークは鋭い鳴き声を上げて翼を折り、その岩場に軽やかに着地した。


「ここから先は歩いて攻めるしかないな……」


アークの背から飛び降り、地面に足をつけた。ダガーを握りしめ、鉱石竜の動きを見据える。

黒騎士が影の中から声をかけた。


「主、私が足元を封じます。その間に、至近距離から隙間を狙ってください。」


「分かった!」


深呼吸をして身構えた。黒騎士が影を操り、鉱石竜の脚を絡め取るように拘束した。その瞬間、鉱石竜が足を激しく振り上げて暴れるが、黒騎士の影はしばらく竜の動きを止めていた。


「今だ!」


地面を蹴り、鉱石竜の巨体に向かって駆け出した。


「アーク、援護を!」


声に応じ、アークが洞窟内を滑空しながら威嚇するように咆哮を上げ、竜の注意を引いた。その隙を突いて、主人公は竜の胴体に飛び込み、硬い外殻の隙間を狙ってダガーを突き出す。


「硬い……!」


ダガーの刃がわずかに食い込むが、それだけでは十分ではなかった。にゃんまるが岩陰から冷静に指示を出す。


「節の間を深く刺し込み、一気に抜いてください。それで隙を作れます!」


再び竜の胴体を観察し、狙いを定めた。鉱石竜がヴォルガリオスに向けて尾を振り下ろした瞬間、その背後からすばやく飛び込む。そして、ダガーを力いっぱい隙間に突き刺した。


「これでどうだ!」


ダガーが深く刺さり、鉱石竜が激しく身をよじった。苦痛の咆哮が洞窟内に響き渡り、岩壁からいくつかの鉱石が崩れ落ちた。

黒騎士がさらに声を張り上げた。


「主、決着をつける好機です!私が援護します!」


鉱石竜が一瞬、動きを鈍らせたその隙に、最後の攻撃の準備を整えた。地面を蹴り、竜の胴体に向かって再び飛び込む。決着の一撃は、間近に迫っていた。

主人公は最後の一撃を放つべく、鉱石竜の背後へと回り込んだ。ダガーを握る手に力を込め、鋭く狙いを定める。


「これで終わりだ……!」


鉱石竜の外殻に見えた小さな隙間を目がけて、全力で跳躍し、ダガーを突き立てた。刃は硬い外殻を貫き、竜の内部に達した。その瞬間、鉱石竜は轟くような咆哮を上げ、激しく身体を震わせた。


「うわっ!」


竜の振動に耐えきれず、地面に転がり落ちた。しかし、その刹那、竜の体がぐらりと傾き、大きな音を立てて地面に崩れ落ちた。


「決まった……のか?」


荒い息を吐きながら、竜の動きを見つめた。鉱石竜は完全に動かなくなり、その輝いていた体表は徐々に暗い色へと変化していった。


にゃんまるが駆け寄り、主人公の様子を確認する。


「お疲れさまでした、主。無事で何よりです」


「ふぅ……ありがとな、にゃんまる」


安堵の息をつき、立ち上がった。


「主、貴殿の冷静な判断と果敢な戦いぶりには感服いたしました。この竜の素材なら、立派な槍が作れるでしょう」


倒れた鉱石竜の体を見上げながら、拳を握りしめた。


「この竜の角と外殻、全部使って最強の槍を作れるのか……」


にゃんまるが微笑みながら答える。


「早速、工房に素材を持ち込む準備をしましょう。」


「そうだな。まずは、竜の素材を慎重に集めないと」


ダガーを納め、アークに目を向けた。

アークに近寄り、軽く頭を押し当ててくる。その頭をそっと撫でながら、優しく語りかけた。


「お前のおかげで勝てたよ、ありがとうな。」


これからの槍作りへの期待に胸を膨らませ、工房へと向かう準備を進めるのだった。

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