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竜騎士への道 4 武器編

訓練を重ねる中で、槍に決めたことに確信を持ち、その槍を自分の手に合ったものにすることを決意した。武器選びは戦いの要であり、自分にぴったり合ったものを手にしたいという思いが強くなっていた。


「槍…か。自分に一番合う武器はこれだな」


槍を手に取ったとき、その軽さとバランスの良さに納得し、攻撃の距離と戦場での柔軟さを考えるとこれが最も適していると感じていた。しかし、選んだ槍を使うにはその槍自体が重要だ。しっかりとした質のものを手に入れ、信頼できる武器に仕上げることが必要だ。


自分の中で次の一手を考えていた。これまでも強力な武器を手にしたことはあったが、今回は特別だ。アークの角、つまり黒曜竜の角を使って槍を作ることを決めたのだ。


「黒曜竜の角を使って槍を作る…そのためには、まず工房を探さなきゃな」


黒曜竜の角を使うには特別な技術が必要だということを理解していた。それに相応しい工房、またはそのような武器を作れる匠を探さなくてはならない。


「どこに行けばいいか、にゃんまるにも聞いてみるか。」


そう思い、自宅に戻り、にゃんまるに相談することにした。あらゆる道具や材料を扱う商人や職人が集まる街の中心部に行くことが一番早いかもしれない。だが、まずはにゃんまると一緒に考え、次のステップを決めることが先だと思った。槍を作ることに向けて第一歩を踏み出す準備を整えつつあった。


にゃんまるを呼び出し、槍を作る計画について相談を始めた。にゃんまるはいつものように静かに話を聞きながら、柔らかな声で応じた。


「アークの角を使って槍を作る、ですか。それは非常に面白い考えですね。黒曜竜の角は強靭で魔力の伝導性も高く、一級品の素材です。ただし、加工には高度な技術が必要です」


にゃんまるの言葉にうなずきながら答える。


「そうだろうな。でも、それに見合うだけの武器を手に入れたいんだ。どこか、腕のいい職人を知ってる?」


にゃんまるは少し考え込み、静かに話し始めた。


「アルシアンの南にある『竜牙工房』をご存知ですか? 竜素材を専門に扱う工房で、竜騎士たちの武器や防具を多く手掛けています。その工房の主、カイラ・スミス氏は特に槍の加工が得意です。彼女なら、黒曜竜の角を用いた槍も間違いなく作れるでしょう」


「竜牙工房か…そこまで行けば確実に頼めそうだな。問題はアークの角の入手か......」


にゃんまるは穏やかに微笑んだまま、すぐに答える。


「幸い、黒曜竜の角は既に手に入っていますよね? フェルディア家から預かったアークの角は、そのために利用できるでしょう。」


ハッとして、思い出した。アークをフェルディア家から引き取った際、アークの角の一部が補修用として保存されていたのだ。


「確かに! あの角を使えばいいのか。でも、アークの許可を取らないとな…」


にゃんまるは頷いた。


「その通りです。アークの意思は非常に重要です。黒曜竜の角はただの素材ではなく、竜自身の一部ですからね」


さっそく庭に出て、アークを呼び出すために笛を取り出した。そして澄んだ音色が響くと、すぐに黒曜の翼を持つアークが姿を現した。アークに近づき、落ち着いた声で話しかけた。


「アーク、ちょっと相談がある。お前の角を使って槍を作りたいんだ。その槍は、これからの戦いで大切な相棒になるはずだ。許してくれるか?」


アークはじっと見つめると、少しだけ頭を下げる仕草を見せた。その反応に、アークの信頼を感じ、心の中で感謝の念が湧き上がる。


「ありがとう、アーク。本当に頼りにしてる」


武器を作る前にアークについてさらに知るべきだと思い、ふと鑑定したら見ることが出来るのか疑問に思った。物は試し。


鑑定!


アーク (黒曜竜)


分類: 黒曜竜ブラックオブシディアン・ドラゴン

属性: 闇 / 防御 / 魔力伝導

ランク: 伝説級竜種


基本情報:

アークは黒曜竜という希少種に分類され、古来より軍用竜として知られている。彼らの特徴は硬質な黒曜石のような鱗と高い防御性能。また、闇属性の力を持ち、魔力の伝導性が極めて優れているため、竜騎士や魔法使いにとって非常に価値が高い存在とされる。



---


能力・特性


1. 黒曜鱗くろばりりん:

アークの鱗は黒曜石のように硬く、通常の武器では傷つけることが難しい。魔法や物理攻撃に対する耐性が高く、特に闇属性の攻撃を吸収する能力を持つ。



2. 闇の加護:

アークが放つ魔力の影響で、近くにいる者は闇属性への耐性が向上し、周囲を感知しにくくなる隠密効果が付与される。



3. 魔力伝導:

アークの角や鱗は魔力を伝導する力に優れており、武器や防具の素材として使用すると、魔法効果が大幅に強化される。



4. 影潜行:

闇に紛れて姿を隠す能力を持つ。この力により、不意打ちや撤退が容易となる。



5. 黒曜閃こくようせん:

アークが空中で特定の飛翔動作を行うことで、闇のエネルギーを収束させて強力な攻撃を放つ技。この攻撃は広範囲を一瞬で焼き尽くす威力を誇る。





---


生態


体格:

全長約15メートル、翼を広げるとその幅は20メートルに達する。角は黒曜石のように光を反射し、滑らかな光沢がある。尾には巨大な棘があり、防御および攻撃に用いられる。


性格:

高い知性を持ちながらも、基本的には孤高の存在。信頼を得た者には絶対的な忠誠を誓うが、他者に対しては冷淡な態度を見せることが多い。


食性:

主に魔力を含む鉱石や魔物を摂取することでエネルギーを補給する。黒曜竜は通常の食事よりも魔力の摂取を好む。



---


素材情報(角について)


1. 黒曜竜の角(特性):


高密度でありながら加工しやすく、極めて硬い。


魔力を吸収し、増幅して放出する性質を持つ。


武器に加工した際、闇属性および魔力増幅の効果が付与される。




2. 活用例:


武器(槍・長剣・杖など)


魔道具


竜騎士の防具





注意:

加工には高度な技術を持つ職人が必要であり、扱いを誤ると素材が損なわれる可能性がある。



---


鑑定出来たことにおどろきだけど、それよりも伝説級だったことにビビる。フェルディア家やばい。

こんな竜を扱っていたなんて......


とにもかくにもこうして、にゃんまると共に竜牙工房へ向かう準備を整えた。次の目的地は、腕利きの職人カイラ・スミスが待つ場所だ。自分だけの槍を作るという新たな挑戦が始まる。


アークの寝床へ向かい、注意深く周囲を見回した。黒曜竜アークの寝床には、彼の強靭な体から自然に落ちた鱗がいくつか散らばっている。鱗は黒曜石のように艶やかで、薄暗い中でも独特の光を放っていた。


「これならエルシアに渡しても問題ないな」


そう呟きながら、一枚の鱗を手に取り、そっと懐にしまった。


その日の夕方、訓練所で再びエルシアに会う。彼女は来るのを待ちわびていたかのように手を振った。


「お?今日はどうしたのだ?また武器の相談か?」


軽く首を振りながら、懐から黒曜竜の鱗を取り出す。鱗は光を受け、虹色に輝くように見えた。


「これ、約束のアークの鱗だよ」


エルシアの目が輝く。


「えっ、本当にくれるのか? これって、本物の黒曜竜の鱗だよな!?」


彼女は嬉しそうに鱗を受け取り、その重みを確かめるように何度も手のひらで撫で回した。


「いやぁ、こんなすごいものもらっちゃっていいのかな。ありがとう! 大事にする!」


エルシアは満面の笑みを浮かべながら、鱗を眺めては感嘆の声を漏らす。


そんな彼女の様子を見て微笑む。


「本当に嬉しそうですね。それならよかった」


エルシアは大きく頷き、鱗をしっかり抱きしめた。


「当然だ! これを警備隊の宝物にしてもいいくらいだ!」


心の中で小さく笑い、改めて彼女の喜びを見て良い判断だったと確信するのだった。

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