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竜騎士への道 2 武器編

竜に騎乗するための武器選びに悩むこと数日。ダガーでは短すぎて、竜の速度や力に対応するには物足りないと感じていた。槍や長剣の方が良いのではないか、しかしどちらが自分にとって適しているのかははっきりと決められずにいた。


その時、にゃんまるがふと口を開いた。


「主、騎竜の際に最適な武器選びについて、警備隊の方々にもお聞きになってみてはいかがでしょうか?特にエルシア隊長は騎竜戦の経験が豊富ですから、きっとお役に立つアドバイスをいただけると思います」


にゃんまるの提案にうなずき、すぐに行動に移すことを決めた。


「そうだな、エルシア隊長なら経験豊富だし、相談してみるのもいいか」


にゃんまると共に、警備隊の本部に向かう準備を始めた。少し歩きながら、まだ少し不安な気持ちを抱えていたものの、エルシアの意見を聞けば何か見えてくるだろうと期待していた。


警備隊本部に到着すると、エルシアは隊員たちに指示を出している最中だった。にゃんまると少し離れた場所でその指示が終わるのを待つことにした。


しばらくして、エルシアが隊員たちを送り出すと、すぐに二人に気づき、微笑みながら近づいてきた。


「おや、二人ともどうしたのだ」


少し照れくさそうに答えた。


「実は、竜に騎乗するための武器について考えていて、エルシア隊長の意見を聞きたくて」


にゃんまるも丁寧に補足した。


「騎竜の戦闘に関するご経験が豊富なので、ぜひアドバイスをいただければと思いまして」


エルシアは優しく微笑み、少し考え込む様子を見せた後、真剣な表情で言った。


「騎竜戦では、何よりも竜との連携が大切だ。竜の動きに合わせて、適切なタイミングで攻撃できるような武器を選ぶことが重要だ」


その言葉を真剣に受け止め、質問を続けた。


「それで、槍や長剣のどちらが適しているか迷っているんです。エルシア隊長ならどちらをおすすめしますか?」


エルシアからアドバイスを受けた後、少し考え込んだように立ち止まり、エルシアがそれを見て、笑って言った。


「うーん、もし決められないなら、実際に使ってみるのが一番だ。槍も長剣も、使ってみないとしっくり来るか分からだろ?」


その提案に驚いたように目を見開く。


「実際に使う、って言うと?」


「そうだな。使ってみないと分からない。どっちが合ってるかなんて、やってみてから考えても遅くない」


エルシアは肩をすくめて、続けた。


「うちの訓練場で試してみたらどうだ? 自分の体に合う武器が見つかるかもしれない」


少し考えてから、頷いた。


「なるほど、試してみるのか…。それなら、いい考えかもしれない」


にゃんまるも笑顔で言った。


「確かに、実際に使ってみた方が確実ですからね、主。エルシア隊長のおっしゃる通りです」


エルシアは楽しそうに微笑んだ。


「うむ、そうだ。自分に合う武器を使った方が戦うときにも安心する。もし試したいって思うのであれば、いつでも訓練場に来てくれれば、私も手伝おう


主人公は感謝の気持ちを込めて頷いた。


「ありがとうございます、エルシア隊長。それじゃあ、訓練場で試してみます!」


にゃんまるも主人公を励ますように言った。


「これで少し前進ですね。訓練場で使ってみれば、きっとどちらの武器がぴったりか分かると思いますよ」


「ではいこう!」


笑顔が眩しい。どうやら来る気満々らしい。今回に関してはありがたいが。

深く息を吸い込み、決意を固めた。そして、二人は訓練場へ向かって歩き出した。


訓練所でポケットから小さな笛を取り出した。この笛は「召竜の笛」と呼ばれ、アークを呼び出すための特別なアイテムだ。笛を口に当て、深呼吸をした後、音を吹き始めた。


笛の音は静かな風に乗って響き、ゆっくりと広がっていく。しばらくすると、笛の音に呼応するように、訓練所の空が震え、周囲の風が急に強まった。


そして、暗い雲の中から、黒曜石のような鱗を持つ巨大な竜――アークが現れた。アークは音もなく、優雅に降り立ち、その巨体が地面に触れると、大地が軽く揺れる。


笛を持ったまま、アークの元へ歩み寄り、竜の目と目を合わせた。アークは静かにその存在を示し、乗るのを待っている。


笛を腰にしまい、アークの背に軽く手をかけた。


「来てくれてありがとう、アーク」


アークが大地を揺らしながら訓練所に降り立つと、その場の空気が一瞬で変わった。エルシアは、訓練所の遠くで手を休めていたが、その迫力のある音と風の流れに驚き、足を止めた。


「な、なんだこれは!?」


彼女の目の前に現れたのは、予想を遥かに超える存在だった。アークの黒曜石のような鱗が太陽の光を反射し、その巨大な体はまるで一山を背負っているかのように圧倒的だった。目が合うと、その深い瞳がまるでこちらを見透かすかのように輝き、エルシアの心臓が一瞬高鳴った。


「これは.....伝説にみる黒曜竜!?」


その迫力と存在感に圧倒されながらも、エルシアは思わず歓声を上げた。口元が思わず笑顔になり、目を輝かせる。


「す、すごい!本当に本物の黒曜竜だ!こんなに大きいなんて!」


興奮したエルシアは手を振りながら、まるで竜を見たことがなかったかのように叫んだ。訓練所に集まっていた他の警備隊の隊員たちも、エルシアの声に驚いてその場に集まり、アークの存在に圧倒されている様子だった。


「これ、どれくらいの力を持ってるんだろう?本当にすごすぎる!」


エルシアは目をキラキラさせて、アークを見つめながら足を踏みしめて興奮を抑えきれない様子だった。彼女にとって、アークのような竜は夢のような存在であり、それが目の前に現れたことが信じられないほどだった。


「ねぇ、どうやってこんな素晴らしい竜を…?」


エルシアは駆け寄り、興奮した様子で声をかけた。

あまりの興奮にちょっとドン引きする。


「まあ、ちょっとしたきっかけがあってね」


エルシアはますます目を輝かせ、アークに向かって歩み寄ろうとしたが、その巨大さに一瞬躊躇した。だが、すぐに気を取り直して、勇気を出して竜に近づく。


「本当にすごい…触れてみてもいいか?」


エルシアは躊躇しつつも、その興奮を隠しきれなかった。


「もちろん、ただし無理はしないでください」


エルシアは慎重に一歩を踏み出すと、アークの巨大な体に近づいた。その圧倒的な存在感に一瞬足が止まるが、恐れることなく、彼女は竜の肩に触れようと手を伸ばした。


アークは、まるでその手を待っていたかのように、静かに首を下げて、エルシアに体を向けた。その動きにエルシアは目を見開き、心の中で歓喜の声を上げた。


「すごい…こんなに優しくて、穏やかな感じ…」


エルシアの声には感動がにじみ、手のひらをアークの鱗にそっと触れた。その冷たい感触と、わずかに震える竜の体温が彼女の手に伝わり、まるで竜が生きている証を直接感じるようだった。


「やっぱり…すごい、これが本物の黒曜竜なんだ…」


エルシアは顔を輝かせながら、もう一度その大きな体を見上げた。その目には、恐れや緊張はまったくない。代わりに、深い尊敬と憧れが満ちていた。


「こんな素晴らしい存在を近くで感じられるなんて…本当に夢みたいだ」


エルシアはアークの顔に近づき、その大きな瞳をじっと見つめた。アークの瞳は深く、知恵と力を宿しているように感じられ、エルシアはその中に何か特別なものを見つけたように思った。


「すごいな…あなた、きっとただの竜じゃない」


エルシアは心の中で言った。


その時、アークが軽く鳴き声をあげ、静かに頭を振る。そのしぐさにエルシアは一瞬驚いたが、すぐにそれが優しさの表現だと気づいた。


「ありがとう…あなたも素晴らしい竜だ。」


エルシアは微笑み、再びその大きな体に手を置いた。アークは無言のまま、背を向けて乗る準備を整えた。迷うことなく、アークの背に飛び乗る。その感触はしっかりとしていて、揺れの少ない安定感があった。


「さあ、これで試す準備が整った。まずは槍だ」


「これを使え」


エルシアが槍を投げ、それを上手く受け取る。

訓練所で借りた槍を手にし、改めてその重さを確認した。アークが軽く翼を広げ、周囲を見渡すと、その背中にしっかりと腰掛け、槍を試す決意を固めた。


「行こう、アーク」


そう言うと、アークはゆっくりと歩き出し、その後は静かな風を切って訓練所内を駆け抜けていった。

槍を握り直し、準備万端だ。


「私も行くぞ!」


どうやら隊長直々に扱いを教えてくれるらしい。

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