打倒うさぎまるへの道
さてこの1週間戦力をいかに強化するか
マメなログインと地道な国力強化、
それは確実にやるとして、あとはあれだ。
あれが来るのをまつしかない。
あれ絶対必須だけど環奈崎さんとは一緒じゃない任務がいい、なんとなく。
そしてそれは意外と早く来た。
【招集通知】
時間 17時
場所 西東中学校 体育館裏
危険度 低
危険度 低
危険がないのは良い。
もらえる報酬は安そうだけど
危険じゃないのは良い
放課後そのまま体育館裏へ移動する。
ん?誰か人がいる。
ちょっと遠くから様子をうかがう。
誰だ?
とりあえずうちの学校の制服
女子
セミロングの黒髪
後ろ姿なので青が見えないがこんな所にしゃがみ込んで何をしているんだろうか。
そっと近づいていく。
女子が僕に気が付き後ろを振り向く。
知ってる顔
同じクラスの関川さん
どちらかと言うと僕と同じぐらいクラスでは目立たない存在。
「あれ?坂井名君?どうしたのこんなところで?」
「いや関川さんこそ」
関川さんがここにいるのは謎だが傍から見ればこんな所にこんな時間に着ている僕もあやしい。
お互い返事を濁したまま無言になる。
気まずい。
しかしこれからここではじまる何かを考えるとここにいてもらっては困るんだが...。
「あの何をして...」
「なんにもしてないです」
今何か背中に隠された気がする。
「でもこんな所にきて何も...って」
「ここが好きなんです」
体育館裏が好き...ヤンキーか?
大人しそうな関川さんだが実は...ってそんな変な想像をしている場合ではない。
もうすぐ時間
「あの暗くなると危ないしそろそろ帰ったほうが...」
「えっあっ大丈夫です。私女子っぽくないから」
うーん困った。
「あっちょうどよかった。揃ってるわね」
アリサさんの映像が出た。
まずいバレる。
「いやアリサさん今はちょっと」
「あ~関川さんこれはスマホの最新機能で映像がこうびゃーこう立体に」
あ~困った〜どうしよう。
「坂井名君大丈夫よ。今回のターゲットは彼女だから」
「えっ?関川さんが宇宙人?」
「いいえ正確には彼女の背中に隠したものがターゲットよ」
「たしかに何かを隠している感じはするが」
そっと関川さんの後ろをみようと回り込むもさっと隠される。
「あの後ろには何が?」
「何もないです。なんでもないです」
あやしい。
右から回り込むと見せかけて左から回り込む。
うまくフェイントに引っかかってくれた。
「あっずるいです」
ずるくはない。
関川さんの後ろには猫がいた。
「あのアリサさん猫ですけど猫をどうしろと」
「それは猫じゃないわよ。ちゃんと宇宙の猛獣デコリースよ」
猛獣...かわいいが、宇宙ではこんなかわいい生き物を猛獣というのか
「猛獣感は無いんですが」
「まあ今はね」
「とりあえず捕獲用の網とカゴ転送したんでさっと捕まえて」
今はとは、まだ子供だからとかそういうことなんだろうか?
網を構え捕まえようとする。
「ダメです!!逃げてダンカン!!」
ダンカン?関川さんのネーミングセンス!!
すばしっこく走り回って逃げる猫っぽいなにか
「アリサさん早すぎて全然追いつかない」
「うーんしょうがないわね。追加の装備転送」
スーツが転送されてきた。
「これでスピード3倍デコリース位なら余裕で捕まえられるわね」
余裕かどうかはわからんが
「だから待ってくださいです。ダンカンは何も悪いことしていませんです」
「デコリースは地球の生き物ではないしここに存在していることがダメなのよ。」
スピードで上回った僕はあっという間に追い詰め網で捕獲する。
「ああああ!!だめぇダンカンを返してです」
「よし!!」
これであとはカゴに入れてしまうだけだ。
カゴに入れようとしたその時
衝撃と激しい痛み
何かに吹き飛ばされた。
あまりの痛さに地面を転げ回る。
「痛い痛い痛いアリサさん痛い」
「あ~っ進化しちゃったか〜。」
「進化?進化って何?」
「ほらあれを見てみての通り」
痛みを堪え地面を転げ回りながらアリサさんの指差す方向を見る。
「うわっなんかデカいデカいなんかがいます。なんですかあれ?」
「あ~あれはデコリースよ。進化しただけ」
「進化?」
「そうちょっと大きくなって凶暴になるだけよ」
「さあ、お嬢さんわかったでしょう。それは危険な生き物よ。ちゃんと捕獲させてくれる?」
「そんな事ないです。ダンカンはダンカンです。今だって私を守ってくれたんです」
次の瞬間デコリースの巨大な爪が関川さんを襲う。
間一髪僕が彼女を押し倒して爪をかわす。
その時僕の背中に爪が当たり激痛が走る。
「あっ大丈夫ですか?」
「あんまり大丈夫じゃ無い。アリサさんスーツで全然守られてないんですけど」
「そうなのよね。今回戦闘になるとは思ってなかったからスピード重視で防御力の低いスーツにしたから攻撃を受けたら死ぬわね」
「そこの彼女もわかったでしょう進化したデコリースは別物」
「でも...」
「坂井名君任務内容変更よ今から武器転送、応援の依頼をかけたからデコリースを倒して」
目の前に近未来デザインの剣が転送されてきた。
また剣
接近戦はしたくないな。
痛い思いする確率高いし
「あの銃的なものとか無いんですか?」
「ないわ」
「あーそうですか」
剣を持ち攻撃を開始する。
デコリースの爪をかわす、いやかわしきれない剣で受けて攻撃を防ぐ。
思ったより攻撃が早い。
防御で手一杯。
デコリースの攻撃は止まないし疲れも見えない。
でもこっちは疲れてきた。
バンッ!!
激しい音と同時にデコリースが横倒しになる。
デコリースが倒れた逆方向を見る。
そこにはライフルを構えた環奈崎さんがいた。
「あれぇまた君ぃ?」
助かった。
ライフルで撃ち抜かれたデコリースは小さくなっていた。
「まだ死んではないわ。ちゃんとカゴに入れて」
そっとかごに入れて蓋を閉める。
「あーためです。私のダンカン」
「あれ関川?なんでこんな所にいるんだ?」
「さっ転送をかけるわよ」
カゴが消えかかるその瞬間関川さんがいカゴに飛びつく。
「私のダンカン」
そしてカゴと一緒に消えた。
「ねぇ今関川いたよねぇ」
「うん、いたけど...転送された?」
「転送されちゃったわね。まあこの件はあなた達は気にしなくていいわ。こっちでちゃんと対処するから」
どうなるんだろうか?
関川さんの事は気になるが...。
翌日関川さんは学校に来てない。
どうなったたんだろうかすごく気になる。
気にはなるが今はそれどころではない。
まずやるべきことは打倒【うさぎまる】
そこに向けて田尻川、中滝と打ち合わせを繰り返す。
「やっぱり先陣切るのはサバンナ、スキル【激震】で敵艦隊の士気を下げたほうがいいんじゃないか?」
「いや中滝が持ってるニーナのスキル【磁場】を発動して敵の遠距離攻撃の精度をさげてもいいんじゃない?」
「いやでもそれだとこっちも遠距離戦しづらくなるし【弾幕劫火】とかの効果が落ちるのは痛くないか?」
「たしかに」
議論は尽きない。
銀河大戦を始めて以来の盛り上がりだ。
そして夕方また招集通知がやって来た。