オーパーツが落ちてた帰り道
目を開けるといつもの部屋だった。香るパンの香りと聞き取れないテレビの音。
カーテンの隙間から漏れた蜂蜜色。寝ながらカーテンを少しだけ開けると、空が青く、再び今日の朝を示していた。小鳥のチュン、チュンというさえずりが近づいてきて目が自然とぱっちりしてくる。
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5時間目が終わり、帰りの会が始まる。
外を眺めると日が落ちかけていた。
初秋の教室の温度はちょうどよく、少しひんやりとした椅子が温まってくると、だんだん頭がぼーっとしてくる。そのふわふわした感覚が好きだ。
日差しが優しくなった頃、友達の家に遊びに行く。今日はこの間転校してきて仲良くなった佐藤くんと遊ぶ約束をした。佐藤くんとは家の帰り道が一緒でいつも一緒に帰る。お互い話しているうちにゆっくりと、でも着実に家との距離は近づいていく。そして、別れる場所は交差点。どちらかの信号が青になったら勢いよく渡っていく。
「またあとでね!」交差点を渡りながら振り返り手を振る。重たいランドセルで体のバランスをとるのが難しい。ランドセルにぶら下がっている防犯ブザーを片手で支えて、軽快なスキップを刻みつついつもより早く帰る。
ポテチと水筒、携帯ゲーム機をもって歩いていく。遊びに行くのは今日で何回目だろう。
家から出ると少し寒く感じた。明日から、長ズボンのほうがいいかもしれない。
空が橙色に染まり、カラスがさんさん山に帰っていく。
少し早歩きで信号を渡っていく。
今日は、ゆっくり話しすぎたかな。