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盲目少女と忘却少女  作者: おもち
第一章〜幼少期編〜
6/6

第五話 アリス・オルペディア

  

 分からない、理解できない、何のために、どんな感情で、僕が何をした、何故、どうして、何の恨みがあって、何の妬みがあって、何で僕が、何で僕じゃなきゃ、何で僕だけ、何で、何で、何で、何で、何で、何で、何で、何で、何で、何で、何で

あぁ、嫌気が、憎い、忌む、怨む、厭う、憎悪が、嫌悪が、嫌厭が、忌諱が、厭悪が、厭忌が、何もかもがどうでもよくなるかと思う程のどす黒い感情が彼女の中に芽生える。


 僕が何をしたって言うんだ、あの黒く暗い訳の分からない空間で一体どれ程の時を過ごしたのだろうか……時間の感覚も無ければ実体の感覚もなく、あるのは僕と言う意識とふわふわとした浮遊感。お腹も空かなければ眠気も来ない実体が無いのかもしれないから目が見えない訳で実は黒く暗い空間では無いのかもしれないけれど今となっては関係ない。そんな事がどうでも良くなるくらいに黒い感情が、何が何でもあの気の狂う空間に閉じ込めた奴を探し出し地獄の苦しみを味合わせるためにと思考した。とは言え何から初めていいのかもわからない、何せあの気味の悪い空間で永遠かと思われる時を過ごしていた時の記憶しか残っていない、何故あの場所に閉じ込められてたのかそれまでの記憶が何一つないこの状況下では結局どうしようもなく、ただただ苛立ちどうしようも出来ない自分に頭を抱える


 今一度状況を整理しよう、先程見えたあの白い光のお陰であの気が狂ってしまう空間から無事脱出出来た訳だが、その後意識を失って気付いたらまたしても訳が分からなくなっていた。おそらく、おそらくだが多分ここは「アルカトラス」で間違いないだろう人の声も聞こえるし、匂いも感じる、だが相変わらず何も見えない。あの空間に居た時よりかはマシではあるが視界は真っ暗で何も見えない……それともう一つ決定的な事はステータスが分かるということだ本来盲目だとステータスまで見えないんじゃないかと思われるがステータスは念じれば頭の中にも浮かんでくるため目が見えずともステータスは確認できる。


 アリス・オルペディア

・Lv 1

・人間種 女性

・適正魔法 赤、青、緑、黒

能力(スキル)xxxx……

・魔眼 回路の魔眼

固有能力(オリジンスキル)xxxx


 (うん、ステータスは分かるみたい。アリス・オルペディアか……うぅん、何も思い出せないな、名前が分かればもしかしたら、と思ったんだけど全く分からず仕舞いか……まぁ何となく予想はしてたけどこの身体自体多分赤ん坊だろうから生まれ変わったって事なのだろうか?それに前までとは大分マシではあるけど相変わらず何も見えない真っ暗なままだな、もしかしたらこの身体は生まれつき目が見えない可能性もあるな、それならば白魔法の適正があれば視界の代わりでもと思ったけど生憎、適正が無いみたいだから黒魔法で捕まえた動物を隷属化させて視覚共有でもすれば何とかなるだろうし、一先ず視覚については課題はあるが問題はなさそうだな……)ふと疑問に思う。


 (あれ?どうして僕は記憶が無いのにこういう事は分かるのだろうか、この世界について魔法について一般常識なのか分からないが自分について以外の事ならある程度分かる、やはり失くした記憶は自分が何処の誰かや、それに伴う記憶だけ記憶が抜けてる感じなのかな?それならやっぱり僕が記憶を失ったのは事故とかでは無く誰かの意図的で第三者の介入が濃厚な気がする…それに記憶がなくなったのとあの空間に閉じ込めたのも同一犯な可能性が高いだろうし何かその犯人にとって僕は邪魔な存在だった?それに僕を助けてくれた彼女の声が途中でノイズが走ったのもその犯人が邪魔をしたのだろうか?もしそうならば色々と辻褄が合う気もするし何よりそこまでして徹底的に僕をあの空間に閉じ込めておいたんだ、だからこそ僕は出来るだけ早く記憶を取り戻せばその理由も分かるだろうし、それに記憶を消して閉じ込めて置く程僕がその犯人にとって邪魔な存在って事だから記憶が戻れば復讐がてらそいつらの邪魔も出来る筈だし、一刻も早く記憶を取り戻さなくちゃなぁ)とアリスは灼熱の炎のように燃え上がる復讐心を抱え犯人共にどうしたら邪魔を出来るのか考えるのであった。


 魔法の事を考えて見ると色々な知識が思い浮かんでくるやはり身体に染み付いて覚えているのか、その点に関しては犯人共のミスかは分からないが有難い限りだ自分自身の記憶を失ったとはいえ魔法についての知識が残っているのであれば話は早い、何せ赤ん坊の身体でも魔法が使えLv上げも他の人間達に比べたら確実に効率よく行動することが出来る……


 今一度自身について考えて見ると自分自身の事だけ綺麗に穴が空いたように記憶が欠けている事を考えると誰か第三者が僕の記憶を消したのか、考えればキリがない……だが十中八九第三者の意図的な介入で記憶を消されたのが濃厚だろう、かと言って今の状況であればそれを確証付ける情報が少なすぎる……でもやる事だけは明確に決まっている。


 (僕を、あの思い出すだけでも鳥肌が立ちそうな気味の悪い空間に閉じ込めた奴をどう見つけ出すか……だよな、こればっかりは何一つ手がかりがないからなぁ……そう言えばあの空間から脱出する手助けしてくれた彼女は……一体誰なんだろう途中からノイズが激しくて聞き取れなかったけれど多分、憶測でしかないが僕が失っている記憶に関係しているんじゃないかな?)


 直感ではあるがほぼ確信を得ている、そもそも僕に関係のある者じゃなければあんな場所を見つけ出し助け出すなんて事は出来やしないだろうしそれに、なんとか聞き取れた中で聞こえたのが「やっと……やっと見つけた」と言っていた事もあり十中八九僕を知る関係者である事は間違いないだろう、ただ……結局その彼女の情報も今の所これっぽっちもない、どっちにしてもまた振り出しに戻ってしまったのだ。


 ただ一つ有難いのはこの魔眼だ、この魔眼は本来人間に備わっている魔力回路とは別に瞳の中にこの眼の中にもう一つ魔力回路が備わっている事だ、魔力回路は身体の成長と共に魔力回路も成長するがそれは五歳になってからだそれまでは魔力回路はおろか魔力すらまだ構築されていないがこの魔眼があれば五歳まで待たずとして魔法を使用することが出来る、であれば一先ず黒魔法を扱えるようになり出来るだけ早く隷属化でき、視覚の代わりに使えるような動物なり何なりを見つけ出さねばならない、だがこの身体は赤ん坊であり立つことはおろか視界ですら全く見えない状況なのだ……そのためにはどうするか、僕をあの場所へ閉じ込めた奴を探すのは大前提ではあるがそれは一旦置いておいて先ずは自らのLvを上げ最低限まともに戦える身体を作らないといけない。でないと仮に閉じ込めた奴を見つけた所で戦力が無ければ何も意味がなく水の泡となってしまう。もしかしたらまたあの場所へ閉じ込められる可能性もあるかもしれない、だからこそ赤ん坊の身体では出来ることも限られているのでLv上げも難しいだろう


 ならする事は一つ、魔力総量をいち早く少しでも上げていくために限界まで魔力を使い果たすしかない。黄金時代(ゴールデンエイジ)でなくとも魔力を限界まで使えば使う程魔力総量はあがる訳だし五歳になってから魔力が宿り、魔力回路が構築され魔法を使えるようになりそこから魔法を修練した所でスタードダッシュは遅れてしまう。そういう面ではこの魔眼は生まれ変わった僕にはもの凄く有難くて恩恵がでかい能力だ。なぜ魔眼についてや魔法について詳しいのかは結局の所考えたところでキリが無いのでそれは僕をあの場所へ閉じ込めた張本人かその関係者が見つかった時にでも問い正せばいいだけだ。そうと決まれば取り敢えず微々たる魔力しかないがさっさと魔法を限界近くまで使って魔力総量の底上げと魔力回路の強化を行おうじゃないか、幸い今は夜か?辺り一面静寂が訪れているかのように静かで綺麗な満月がこの夜の景色を照らしている、するとその景色に音楽を奏でるかのようにぴゅーっと風が少し吹いてメロディーが流れ出す


 そしてアリスは手を掲げ「風球(ウィンドボール)」と発した直後アリスの手の平に小さく綺麗な緑の魔法陣が浮かび上がり周りの風がその手の平に集まり小さな丸い風の球が出来上がった。それをみてアリスは「まぁこの身体でこの魔力量ならこの程度だよね」と静かにそのまま音を頼りに外へと続く開けっ放しの窓に手を向け風球(ウィンドボール)を外へと放った……そのまま少しぴゅーっと飛んでいき何事も無かったかのように風の球が綺麗に霧散した。


 (うん、この感じなら計五発が限界か……分かってはいたけど魔力総量が少なすぎてこの程度の魔法が五発しか打てない事に分かってはいたけどなんともしょぼすぎやしないか?魔力回復もこの身体じゃ遅いだろうし、そもそも魔眼のお陰で魔力回路があるだけで僕の身体には魔力回路はまだ構築されていない訳だから魔力回復も遅いのは仕方ないんだけど、いかんせん効率が悪すぎるよね……どうしたものか)


 少しがっくりとした趣で肩を落とした。そもそも勘違いしないで欲しいのが本来、生まれたばかりの子は当たり前ではあるが自我も無ければ魔力も無ければ魔力回路も備わっていないので魔法を行使する事なんて出来るはずがなくアリス自身はがっかりしてはいるが他の第三者から見たら驚愕の事実に驚きすぎて顎を外すだろう。言い過ぎかと思われるがそれくらいの事をアリスは難なくこなして見せたのだ、自分自身がとてつもないイレギュラーな存在だと言う事に気付いていないアリスは気にもせず数少ない残りの魔力で後四発風球(ウィンドボール)を放っていた。計五発の魔法を使い終わったアリスは魔力欠乏症の影響で頭痛が酷く頭を抑えながら、現時点での魔力総量は微々たるものだが五歳になるまでにはそれなりに魔力総量も魔力回路も強化されている事を確信しているのか月明かりに照らされて赤ん坊なのにも関わらず妖艶さが伺えるアリスは少し口角を上げるのであった。


 (あんなしょうもない魔法を五発打っただけで魔力欠乏症に陥るのは効率が相変わらず悪いったりゃありゃしないけどどうしようもないからこればっかりは仕方がないよねぇ地道に五歳まで使い続けつつある程度歩き回れるようになったら視覚の代わりに隷属化する動物を見つけ出さないとな……)と、思った矢先急激に眠気が襲って来るのであった、、、


 (やっぱり魔力欠乏症の影響だなこれは……まぁこれは仕方がない次はまた明日にしよう……かな……)明日からの事を考えている最中に魔力欠乏症の影響で睡魔に襲われ再び眠りにつくのであった。



ようやく完成しました!!遅れてすみません

次はストーリー進むと言いましたが次は

2人のお話を入れてからストーリー始めようと

思います。すみません(;_;)

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