月とはみだしもの
こわい
どこにいても
何をしていても
まるで針のむしろ
みんなの視線が
みんなの悪意が
集まって
私に襲いかかってくる
禍々しい見た目で
恐怖を煽り
私に服従をせまる
どうして
何故
私があなたたちと違うから?
私は
はみ出しもの
社会の
世間の
はみ出しもの
そんな私にも
彼は
毎夜毎夜
やって来て
カーテンの隙間から
優しく話しかけてくれる
ずっと昔の話を
遠いの国の話を
見たこともない生き物の話を
私にしてくれる
世界の広さを
彼は教えてくれる
「この広い世界には きっと 分かり合える人がいるよ
だから あきらめることはないよ」
日が昇り
鳥が鳴けば
また今日が始まる
新しい世界へ駆け出して行く
まだ見ぬ友に会いに