負の連鎖 ちょっぴり怖い?
深夜2時45分、G高原に、2人の男達が居た。彼らは黒い車の中で蓋の閉まったキャリーケースを囲み、何かを話し合っていた。
「おい、まだなのか?」
「俺に聞かれても知らねぇよ!
何かを待っているようである。
「お…おい、これ、開けてみねぇか?」
「止めとけ止めとけ。後が怖いぞ。それに、この中には何が入ってるかの予想すらつかねぇ。」
男がキャリーケースに手を掛けながら言う。
「な…なんだよ。呪われてるかも知れないとでも言いたいのか?」
「そ…そんなんじゃねぇよ!いいだろう。開けりゃいいんだろ!」
[バンッ!]
[カシャッ!]
勢いよくキャリーケースを開けると、中には大金が入っていた。だが2人はその金よりも、キャリーケースを開けるのと同時に何処からともなく鳴った音が気になった。そう。誰でもよく知るシャッター音である。
「や…やっぱり呪いだ!だから言ったんだ!」
「うるせぇ!お前も乗り気だっただろうが!」
2人がこうして喧嘩を始めた頃、1人の男、F氏が車を走らせながら本日の収穫に耽っていた。
「チョロい奴らだったぜ。少し怪文書を送りつけたら急にビビりだしやがって。お陰でこっちは大助かりだ。さっき撮った写真は怪しげな2人組の闇取引とでも称して新聞社にでも送りつけてやろう。きっと新聞の1面を素敵に飾ってくれるだろうよ。入れといた金も子供銀行券、所詮玩具だ。そこまでの出費でもない。全く、楽な商売だ。」
等といっていると、
[ピンポーン!]
メールが来た。
このときは
「なんだよ。メールかよ。こんな時間に…?非常識だな…」
程度にしか思っていなかったが、メールを開き、見覚えのある文章を見て青ざめる。
「う…嘘だろ…?」
From F
To F
件名 来い
今夜2時、呪われたG高原に置いてある黒い車の中に居ろ。キャリーケースがあるが
絶対に開けるな。
2時30分に私も合流する。逃亡は…認 め な い 。