逃亡4
走る走る走る走る。逃げる逃げる逃げる逃げる。
街中では先ほどの事件を?彼方此方で街頭TVが速報して騒いでいる。
突然左耳からベルが鳴る?幻聴か?反射的に俺は耳を押さえながら
「もしもし?」
「レオだ。」女の声だ。
「すまん知らない。」
「えらい派手にやられたな。」
「誰なんだ。」
「本当に覚えていないのか?」女は再び訪ねた。
「何故俺を知っている。」
「仲間だ。私達は光の勇者PTだ。」
「事件を聞いてもしかしたらと思って通信魔法を試みた。
よかった、魔法力が元に戻ったか。」
「俺は誰なんだ。教えてくれ。」
「近くに信用できる銀行がある。サウス銀行のセントラル支店、貸金庫 8008だ。」
俺は銀行に向かった。
「何か御用ですか?」銀行員が尋ねる。
「貸金庫に用事がある。番号は8008だ。」
「此方を。」指をさす方向に眼球照合でチェックされた。
「OKこちらへどうぞ。」奥へ通された。
金庫室に向かう、
「外にいますので、何か御用の時はお声を掛けてください。」
俺は8008の番号を探した。
あった。今度は指紋を照合して8008のBOXが開いた。
テーブルに鞄を開けて、
現金が沢山、暫くの逃亡資金には困らないか。
偽造した身分証明書が複数。
フラウディ、サタディ、サンディもっといい名前にしろよ。
あと過去の戦歴のアルバム?こんなものを作るって暇な仲間がいたのか。
なるほど俺が勇者だったのは間違いないらしい。
パソコン…も入ってるが、
キーは?なんだ?どうやって開ける?
hikarinoyuusya 俺は何気なく押さえてみた。
???開いた、まさかだ。
そこにはビデオメッセージが残っていた。
俺だ、俺自身が写ってる。
「信じられないだろうが、もし君がこの映像を見ているのなら
今の君は、君じゃない。これを見ているのなら俺は逃げ切れずに、
奴らは君に新しい名前とIDを与えて生かしているという事だ。
記憶もすべて上書きして。
今の君の人生は全てが偽物だ。信じてくれ。
今から俺の住んでいたマンションに行け。
そこにある。場所はウエストシティの、ブリッジマンションの808だ。
もし君が俺なら何をすべきか解るはずだ!」
「君に幸あれ!」
こんなとこで映像が止まってる。
俺はパソコンを元の場所になおすと銀行の外へ出た。
駅に行くと警備が厳しくなっていた。
俺は顔を隠しながら通過しようとしてた。
警官は俺を見つけると天井に一発撃ってきた。威嚇だ
「伏せろ!」周りにいる人全員が伏せる。俺も伏せて同時に
前方と後方にいる警官を打ち倒した。
悲鳴が響きわたる大勢の中を走り抜けていく。
駅を出て仕方なく国道へ走って出ると、
前方に一台のスポーツカーがとまった。
女が扉を開けると、
「早く。乗って!」 彼女は夢で見た
「俺を知ってるのか?」
「警察の無線を傍受してたの、奴らが来る前に乗って。」
ありがたい、俺は飛び乗った。
武装警官たちは気づいたのかパトカーが数台追いかけてくる。
逃げる逃げる逃げる。暫く走ると高速に乗った。
「あたしの事覚えていないの?」
「すまない。」
「いいわ、あとで説明する。」
逃走は続く、機関銃を撃ってきた。必死でかわす。
ひたすら逃走、
警官はパトカーで体当たりして接触してくるし銃撃もする。当に危ない。
時々彼女が銃で反撃するが多過ぎる。
俺は運転を代わった。
「斜面を下るぞ。」
高速の脇にある斜面を利用して下の道に車ごと飛び降りた。
パトカーは追跡をあきらめたようだ。