表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/8

目覚め1

毎日毎日 同じ時間に朝起きている

目覚ましが鳴る一時間も前に

ベットの上でゴロゴロといつ起きようかなどと悩んで

ベットの上にある本棚には数十冊の漫画や小説を

何度も何度も見飽きているのに何度も見る

そんな事をしながら横を見ると隣に寝てる猫娘型メイドロイド

可愛いから何となくキスをする時もある 女の子の感触

そんなことをしてるとガールが起き始める

「おはよう」彼女はごく自然に両手をあげ背伸びをしながら欠伸をする

限りなく人間に近いAIを持つメイドロイドだ

最も一級品ではない三級品だけど味がある

「シャワー浴びてくるね」

「おう、いってら」

シャワーを浴びる音と最近覚えたであろう鼻歌が聞こえる

これが本物の彼女なら文句ないんだけどな

アラームが鳴る20分前 俺も起き上がりシャワーを浴びに行く

そのころには彼女も風呂場から出て

キッチンで朝の料理を始めている

俺はバスタブでボーと再び寝る 意識はあるが寝てる

ひと時両目を閉じ完全な無の時間 何も考えない時間を過ごす

所謂瞑想の時間を過ごす

そんなことをしてると

アラームはトックに鳴り始め時間は5分ほど経過している

ガールがその頃になると声をかけてくる

「いつまで風呂場で寝てるの溺れちゃうよ起きなさいよ時間ですよ」

バスタブから出ると再び冷たいシャワーを頭から全身に被る

「とっくに起きてるよ それに今日は仕事が休みだって言ってあっただろ」

風呂場から声をかける

俺の休日は火曜日と水曜日 まず土日は必ず出勤と決まってる

職場は希望をかなえてはくれない週休2日だけは幸い確保されている

郵便局のポストを開けていく仕事だ

毎日70か所のポストを開けて郵便物を赤車に乗せて局に戻り次の人に渡す

それだけの仕事だ 誰でもできる ただひたすら次のポストへ向けて

都会の繁華街から住宅街そして辺境の田舎の山奥まで所謂下道を走り続ける

全速で赤車を走らせ時間内に戻ってくることができるかどうか それだけだ

人と会うこともなく会話をする必要もない楽な仕事だ

おかげさまで 休日は完全に一人

友人との交流もほぼ無くなり

彼女と呼べるものも何年も存在しない 

ただ生きるため飯を食うため仕事をしてるだけの人生を送ってる


このメイドロイドももう少し可愛いものが買えたら好かったのに

なぜこんな3級のメイドロイドなんだろうか

猫娘型メイドロイド 俺はこの娘にガールと名前を付けている 

一応社会常識的な理性はあり事務的な事も俺に代わって何でもしてくれるが

AI知能は中学生並みで我侭で気侭 超微妙何でもできるが何もできない

料理は教え込むのに苦労したし 食器を洗ったりするのも俺が教え込んだ

洗濯機の使い方もその後 雨が降れば取り込んでおく事も俺が教え込んだ

一般的家政婦がする事は最近やっと全部熟してくれるようになったばかりだ

なんか娘を育てているような気分にさえなる

おまけに中学生なだけに何もできないし知らない

大人のメイドロイドにしておけば好かったかと今は後悔している

大人のメイドロイドは色々なサービスがあるらしいのだ

「今日は火曜日だぜ 今日は俺は休みだって言ってるだろ」

「ごめんごめん シャワーも浴びていたようだな

コーヒーでも入れようか?」

「頼むわ あと朝食はどうなってる」

「食パンにはバターも塗ってるし 卵焼きもできてるよ」

テーブルを見るとその通り卵焼きは最近上手になった

色々な料理の学習ソフトを追加で勉強させた甲斐がある

朝食は俺が指示しなくても好くなってきた ウインナーも焼いてくれてる

キャベツにキュウリ プチトマトも皿に乗っている 気が利くようになってきた

ふとこれなら当に 彼女や嫁など必要ないな…一瞬頭を過った

だがもっと大人の女性のメイドロイドが…

「あ! 今日はボーナス日じゃないか 今日はボーナスの日だよ

すっかり忘れていたよ」と言っても

「僅かな金額ではどこにも行けないな 金のある奴は様々な異世界を旅に出る時代 

しがないドライバーは家でTVを見てるだけだよな」

「そうだ ドリームワールドでも行けばどう?」

「あ?ああ、最近流行の 夢のような体験をできるバーチャルシステムだっけ?」

「そう隣のシティの駅前にできているのよ、一度行ってみれば?

自分で希望の夢を体験できるシステムなの」

「そうか行ってみるか…おまえもついてくるか?」

「私も夢を見るの?」

「いや、一人で歩くのは淋しいから付いて来いよ」

「へんなの そんなこと言ってるからいつまでたっても彼女もできないし

結婚なんて夢のまた夢よ」

本当にこいつ日々賢くなっていくよな生意気に困ったものだ



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ