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アイン・ソフ・オウル  作者: 円 紀一
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北方の海賊たち

氷の国フロストヴェイルの北方は海に面しており、海沿いに山岳地帯がある。

ミスリル鉱山が発見されたのはこの山岳地帯であるが、海に面した向こうには海賊バイキングが勢力争いを繰り広げていた。


海沿いにある山岳地帯の海岸沿いは断崖絶壁が入り組んだ地形になっており、海岸ギリギリまで水深が深く、ところどころに岸壁に洞窟ができており、海賊の絶好の隠れ家となっていた。


「お頭!だめだ!行き止まりだ!」


アイスファング一家はウルフスカー一家と戦争状態にあり、敗走中に迷路のように曲がりくねった海岸線に迷い込んだ挙句、袋小路に追い詰められていた。

アイスファングの首領は女海賊のフレイヤ・アイスファングだ。髪は長く、深い赤銅色ブロンズレッド。太陽の光に当たると、まるで炎のように輝き、瞳の色も燃えるような赤い色をしている。


「ちっ、ここまでか」

「このままいくと岸壁にぶつかっちまう!」


全速力で逃走していたため、曲がり角に突然現れた岸壁を前に停止が間に合わない。

船の衝角が岸壁に衝突すると思った次の瞬間、何の抵抗もなく岸壁に吸い込まれるように船が進む。


「!?なんだ?」


あっけにとられるアイスファング一家。


数分後


「おい、アイスファングのやつら、こっちに逃げ込んでたよな?どこに行っちまったんだ」


ウルフスカー一家の海賊船が入り組んだ海岸線を曲がった先は行き止まりで、そこに逃げ込んだように見えたアイスファング一家の海賊船は見当たらなかった。


明らかに岸壁にしか見えなかったところは、幻影魔法によってカムフラージュされていた。

これだけ精巧で大規模な幻影魔法は古代文明の産物としか思えない。


そしてその岸壁の先は洞窟になっており、巨大な洞窟の向こうには神殿のような古代遺跡が見えた。


「ウルフスカーのやつらに感謝しなくちゃね。こんなところに古代遺跡があるなんて」


洞窟に降り立ち、古代遺跡に向かう。

遺跡の内部を進むとその最深部には、台座に黒曜石のような深い黒い色をした小さな球体オーブを中心にしたネックレスがかかっていた。


「お宝だ!」


喜び勇んでネックレスを首にかけるフレイヤ。


「…帰るぞ」


彼女の様子がおかしいことに気付いた手下は誰もいなかった。

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