表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アイン・ソフ・オウル  作者: 円 紀一
2/14

ドールのいないドールマスター

クローディアは自分が始めてドールを動かした時のことを思い出していた。


「お父さんみてみてー!」

6歳ぐらいの女の子が手のひらに乗るぐらいのドールを動かしているのを父親に見せようとしている。

ドール、といっても小さな石がコアを中心に集まって球状になりコロコロと床を転がっているだけだ。


ドールは約40年前に偉大なる魔術師モーランドによって作られた。コアの仕組みもある程度解明され、古代文明から発掘された強力なコアを持つ戦闘用ドールには遠く及ばないものの、擬似コアといわれる現代文明版のコアも生産され産業用ドールや教育用ドール等々の多岐にわたる用途に発展していった。


ドールの出現により生産性は劇的に向上し、人々の生活において不可欠なものとなっていった。

ドールはコアにコードと言われる呪文を埋め込むことで操作可能となる。事前に「『前進』と言ったら前進せよ」というコードを埋め込んでおけば前進と言ったときに前進するといった具合だ。

命令には絶対服従で、前進した先に崖があったとしても迷わず前進する。ドールをうまく動かせるかは事前にどれだけコードを埋め込めるかにかかっている。

現在では基本的な動きがまとめられたコード(ルーチンと言われている)があり、一からコードを埋め込む必要はなくなっている。



小さくてかわいい私のドール。

18メートル級のドールすら操れる一流のドールマスターとなった今でもあの頃の感動は忘れていない。

そして今また、ドールのいないドールマスターになってしまった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ