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アイン・ソフ・オウル  作者: 円 紀一
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エルヴィラの秘策

エルヴィラは自らの分身エイリアスを作成し、氷龍にぶつけることで時間を稼ぎ、その間にコアを奪取することにした。


この作戦の問題は、氷龍にネックレスを触れさせなければならず、軍や氷龍に接近する必要があること、また、一時的にネックレスを外すことでフレイヤを封じている魂檻ソウルケージが弱まってしまうことだ。


しかし、現実的に思いつく方法はこれしかない。

幸い、隠匿魔法により、軍に勘づかれる可能性は低い。


今のところ氷龍も積極的に攻撃するつもりはないようだ。

ただコアを守っているだけだ。


軍のはるか後方、ミスリル鉱山の入り口付近からアイスドールを操っていたエルヴィラは静かにミスリル鉱山の奥へと向かった。


アイスドールと対峙するフロストヴェイル軍の脇を通り、氷龍に接近するエルヴィラ。

氷龍も隠匿魔法により接近されていることに気づいていないようだ。


氷龍の足元に立ち、ネックレスを外す。

外したネックレスを氷龍の足に触れさせた瞬間、氷龍の精神にエルヴィラの分身が入り込み、体の乗っ取りを試みる。

氷龍は突然の侵入に驚いたものの、簡単に乗っ取られることはない、ただ一瞬コアの防衛から意識が自らの乗っ取りへの防衛に集中する。


その隙にフリーとなったミスリルドールのコアへアクセスするエルヴィラ。

こうなれば一瞬でコアをコントロールできる。

即座にネックレスを首にはめなおす。


「…ここは?…どこだ?」


フレイヤは自分が鉄の檻に閉じ込められていることに気づいた。


「これは…夢?」


鉄格子をつかみ揺らしてみる。

びくともしない。


「いったいどうなってんだ」


周囲を見ると何もない空間に鉄の檻だけが浮かんでおり、その中に自分がいる。

ガチャガチャと檻を揺するフレイヤ。


一方、エルヴィラがミスリルドールのコアにアクセスしたことで、アイスドールは所有者を失いコアに戻る。


驚くフロストヴェイル軍。


「アイスドールが無力化したぞ!罠かもしれん。注意して回収しろ!」


喜んだのもつかの間、氷壁に向かって周囲のミスリル鉱石が集まりだす。

氷壁を砕き、コアを中心としてミスリルでできた巨大なドールが形成され始める。


「なんと!油断したわい!なかなかやるな小さき者よ!アルカシオス、お前との盟約守れなんだ。だがこれで我も自由じゃ。感謝するぞ小さき者!」


アルカシオス・フロストヴェイル。

初代フロストヴェイル王にして、伝説の魔術師とされる人物の名だ。

氷龍ヴァルドゥールを召喚し現在のフロストヴェイル一帯を席巻していたとされる。

一説には、ドールのコアを作成するドールマイスターであったとも言われている。


エルヴィラはついにミスリルドールを手にした。




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