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R-001  作者: 白宮 安海
最終章 Thanks Future
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第4話 「夢から醒めて 1」

風に乗って、都会の死んだ香りがした。いつも以上に夕焼けは美しく、その姿を惜しげも無く見せている。

ネオは振り返る。そこにはずっと恋焦がれていた瞳が変わらないまま、そこにあった。しかし、違う。彼女じゃない。ネオは気づいた。その背中には羽が生えていた。それも、金属で出来ている羽だ。


「違う、トルネじゃない」

咄嗟に唇から漏れていた。その言葉に、トルネは悲しげに眉を下げた。

「私は私だよ。ネオ。私、生まれ変わったの。体は違うけど、私はトルネだよ」

しかしネオは、変わったトルネの姿を受け入れられなかった。トルネは死んだ。そう、あの時に。ロボットに殺されて死んだ。自分の母のように。そして目の前のロボットも、また自分の大切な人を奪おうとしているに違いない。

奴らに感情などない。数字の羅列に従って行動を起こすのみだ。奴らの原動力はただの電気信号だ。ネオはトルネに向かって銃を向けていた。


「お前はロボットだ」

「何、言ってるの?お願いそれを降ろして」

「ロボットは全員壊さなくちゃならない」

「私、トルネよ。ほら、子供の時、一緒に遊んだじゃない。皆で一緒に」

惑わされてはいけない。ロボットは利口だから、人間の心理をついて言葉を選んでくる。トルネと名乗るそのロボットはネオに近づいてきた。ネオは一歩後退り、銃を一発放った。衝撃にトルネの身体は跳ねたが、何も無いようにネオにまた一歩近づいた。その瞳にはオイルのような涙が伝う。


「トルネの振りをするな!」

「ネ……オ、私は……トルネ」

「うるさい!」

一発、二発と胸元に光線を当てる。ロボットの動きは段々と奇妙になり、その正体が浮き彫りになる。最後の一発を当てようと、放った時、光が貫いた先に居たのは別のロボットだった。

「ロッド」

ネオは目を丸めながら名前を言った。ロッドはトルネを庇って、代わりに身体に損傷を受けた。その場に膝から崩れ落ちるが、ロッドは赤い鋭い瞳をネオに寄越し、再び立ち上がって両手を広げながらトルネを庇っていた。

「何でお前が、庇うんだ。ロボットの癖に。お前がトルネを殺したんだぞ!」

何とも言えぬ、気持ちの悪い感情がネオを襲い、顔の筋肉は痙攣し、歯ぎしりをした。

「俺は、ニンゲンだ」

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