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R-001  作者: 白宮 安海
第四章 狂おしく未来《きみ》が愛しく
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第11話 「世界で一番美しい音 1」

*

果てしなく広がる都会は恐怖に包まれ、高々と群れを成すビルや建造物は、次々と崩壊し、人々は逃げ惑った。これまでに経験したことの無い恐ろしい事態が今起こっている。ニュース記者は小型の飛行カメラを上空へ何体も飛ばし、機械を吸い込んだ怪物の正体を映し出したが、それらも一瞬の内に、怪物の中に取り込まれてしまった。

「総帥も殺されたって。軍は一体何してるんだ!?」

「この国の軍は、ロボットや機械ばかり使ってるんだ。今やもうあのバケモノに取り込まれちまったよ。俺たちゃもうオシマイだ」

「まだ死にたくねえよ……」

人々はニュースに映ったあの不気味な存在について口々に噂した。そして、怪物の大きな叫び声は人々の頭上に響き渡り、より一層恐怖を煽るのだった。

ネオのチーム以外の、反ロボット連盟は、各々の配置場所から、怪物への攻撃と、人々の誘導をするが、呆気なく怪物の足に踏み潰される。更に、二次災害で死に至る人間もいた。


9N0Sとルウは、機械鳥の背中へ乗って残酷な世界を見下ろした。強靭的な破壊兵器は、尚建物と人間を崩壊させている。

「これは、地獄か」

喉を鳴らして、その目を背けたくなる光景をしっかりと双眼で捉える。

「9N0S、お前……何か分からないか?アレを止める装置の在処を」

「イエ。ワタクシには全く分かりません」

「どこかにあるはずなんだ。どこかに」

と、ルウが焦りを浮かべながら遠くを眺めていると、9N0Sがふと不審な動きをしている事に気づく。見れば、一定のリズムで足をタップさせている。

「何の真似だ?」

「スミマセン。ですが、少しでも気が紛れるかなと」

「この事態を分かっているのか。ロボットの癖に」

「ええ、分かっていますが、ワタクシは音楽で人を楽しませる事しか出来ませんので」

「何?歌えるのか?」

「ハイ、ワタクシは歌を歌えマス」

「キュゥ郎、少し、歌ってみてくれ」

「喜んで!」

キュゥ郎は、口の部分を開くと音声を発し出した。だがその音は余りにも酷かった。

「今のが歌か」

「ハイ、何の歌かは知りませんが」

ルウは目を閉じた。そして一つの推測が頭に浮かんだ。信じられない事だが、それが本当ならば、世界を救うことが出来る。

「ドウリ……」

不意に、飛行車の中で見つけたキュゥ郎の足の裏に刻み込まれた文字を思い出す。そして、ようやく気がついた。

「ドウリっていうのは製作者の名前か。だとすれば、キュゥ郎お前は……、総帥の記憶にあった平和兵器か!」


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