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R-001  作者: 白宮 安海
第四章 狂おしく未来《きみ》が愛しく
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第7話「崩壊するあなた1」


急な爆発に窓は勢いよく経路を開けた。ネオは迷う間もなく、言った。

「飛ぶぞ!」

快晴へと足を投げ出した。ルウも続いて宇宙へ飛び出す。そしてまた部屋からの爆発に背中を後押しされれば、真っ逆さまに急降下した。

「うわぁああああっ」

下からの風が二人の体を攻撃する。交差する飛行車の隙間を無防備に落下していく。体が落ちる痛みを想像して、心臓が既に破裂しそうだ。

死を覚悟した時、ネオは瞼を閉じた。怖くないと必死に念じ、母の姿を思い浮かべた。

――もうすぐ、会いに行くよ。と。

しかし、急激な落下は予想もつかない場所で終息を遂げた。ネオとルウが落ちたのは、硬い地面でも無ければ建物の針の上ではない。何とまだ空の上にいる。打った腰をさすり、眉を歪めながら上体を起こすと、目の前には運転をしているキュゥ郎の姿があった。

「キュゥ郎……!?」

ネオとルウは思わず同時に叫んだ。飲み込んでいた恐怖と緊張が一気に吐き出された。

「間に合ったみたいデスね」

ネオは歓喜に打ち震えた。

「マジでお前最高だ!!すげェタイミングだぜ」

「喜んで頂けて良かったデス。マスター。あ、失礼、ネオさん」

「もうマスターでも何でもいい!」

ネオはまだ生きている事に興奮が冷めやまない様子で笑いを浮かべた。ルウも同じく、深い息を漏らして安堵した。

「キュゥ郎、助かった。礼を言う。だが、これからまた司令塔に向かわなくてはならない」

と、ルウは司令塔の頂上を見上げた。

「分かりマシタ。しかし、警備ロボがワタシ達を狙っています。それから、アレも!」

キュゥ郎がアレと言った時、ネオは直ぐに後方を向いた。そこには、軍用ロボが幾つも浮かんで、ネオ達の乗る飛行車を追っていた。

「なら尚更急がねェと……!」

軍用ロボは、ネオ達を目掛けて光線を放ち始める。ぐん、と大きく機体が揺れ、かろうじて体勢を保つと、キュゥ郎は機体を大袈裟に傾けるよう操作した。

「こいつはやべェ」

ネオが思わず口から零すも、軍用ロボは攻撃をやめずに機体を狙う。

「キュゥ郎、俺がやる」

あ場所を交代しろ言わんばかりに、キュゥ郎の肩を掴むネオ。それを見て、ルウは口を挟んだ。

「お前が運転するのか?心配だ」

人間の言葉に従順なキュゥ郎は、ネオと席を交代した。安全バーが体を支え、ネオの前には空上の交通画面が浮かび上がる。

「大丈夫。任せろ」

大きく軌道を描いて迂回する。

「何をやっている。そっちは機械の方だぞ」

ルウの言葉が耳に入るも、ネオは黙り込んだまま軍用ロボの群れへと超スピードで突っ込んでいった。一斉に標的を向けられ、ロボットは光線を打ち交える。だが、ネオは光線の隙間をぬっていった。放たれた光線は、飛行車をすり抜け、同じ軍用ロボへと当たった。

「よし」

繰り返し、煽るように飛行車を走らせながら、ネオは光を誘導した。次々と軍用ロボは壊れては下へ落ちてゆく。敵が少なくなってくると、ルウはネオの肩を叩いた。

「そんなもんで良いだろう。ネオ、司令塔に向かおう」

「分かった――」

ネオが司令塔へ向かおうと機体を傾けると、突然大きな衝撃が襲った。

「くっ!」

振動を持ちこたえようと歯を食いしばっていると、目の前にはあの赤い目があった。

「ロッド……!」

軍用機に立ってこちらを見下ろすロッドは、飛行車に向かって手を翳した。

「ふざけんなよ」

ネオはロッドを睨みつけた。逃げる事も出来たが、操縦で方向を決めた途端、ロッドに向かっていった。

しかし、機体はただの空中を通過した。次の手を仕掛けるには時間がなかった。ネオの操縦する機体は後方からの攻撃によって、大きく破損した。不安定に揺れ動く機体の中、ネオは何とか態勢を整えようと操縦パネルを操作するが、無駄な事だった。

「くっ、そ!せっかくここまで来たのに」

歯を食いしばって思い切り機内を拳で叩くと、銃を取り出して、上空から見下ろしているロッドを捉えると躊躇なく撃った。


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