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R-001  作者: 白宮 安海
第二章 迸る粒子達よ、それぞれの道へ進め
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第26話「真実からの伝言 7」


朝、テドウは自分の研究所から、シュケーツの研究所まで息子を持ち運んだ。

初めてロッドを見たシュケーツは、何とも言えない顔つきで、ただそれを黙って見つめていた。


リアンは自分の研究所でまだ眠っている。もしも、彼女がガラスの筒から取り出せる頃には、彼女の寝室にスターチスの花を飾ろうと決めていた。そして永遠の愛を誓う。

その目は野心に満ち溢れていた。シュケーツは、テドウを見て一抹の不安を覚えた。

「最期の忠告じゃ。それを造るのは止めておけ。今ならまだ間に合う」

作業台の上に寝かせたロッドを、指さして言った。だが、テドウの心は揺らぐはずもない。

「もう遅い……」

そう言って、薄いレーザーゴーグルで自身の目を覆った。

テドウは、空中で手を僅かに泳がせた。その様子を不審に思ったシュケーツはハッとした。

「お前、まさか」

「私にはもう、何も見る必要はない……。ロッドとリアン以外は」


とんでもない人間が育ったものだ。と、シュケーツは思った。

「後戻りは出来んぞ」

「知っていますとも。誰よりも……」

テドウは心の中で、ドウリやリアンの姿を思い浮かべた。二人共、楽しげに笑っている。

「どんな事が起ころうとも、この決意は揺らがないだろう」


どこかに引き戻れる道があるのだと探したが、どこにも無かった。後は進むしか道はない。未来を目指して。




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