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女心がわからない  作者: 伐 飛鳥
プロローグ
1/19

今から振られに行ってきます(前編)

自分の未熟さを痛感いたしまして、大幅な加筆修正をいたしました。本当は前後編を一つにする予定でしたが、長くなってしまったので結局前後編のままです(;^_^A

至らない点が多いですが、生温かい目で見守ってやって下さい。

よろしくお願いしますm(_ _)m



朝覚めたくもない目が覚めてしまい、気怠い感覚に襲われながら時計を確認する。



「まだ9時か…」



昨日というか正確には今日になるんだろうけど…

フトンに入ってからも、なかなか眠りにつく事が出来ずに結局気が付けば5時になっていた。

明日大好きな彼女と別れるというのにグッスリ寝られる訳がない…


朝なんてこなければいいのに…

と思ってみた所で現実問題朝は来る。

青いタヌキが助けてくれる訳でも、急に世界が思い通りに動くという能力を手に入れる事もない。いたって普通の日常の連続で、違いと言えば今日が三連休の最終日で彼女と映画を見に行く予定だったけど…

3日前の、ごめん!やっぱ別れよ。から始まるメールにより急遽映画の予定から別れ話に変更になったくらいの違いだけだ。


因みにメールが来たのが会社に出勤しようと玄関を出る3分前。

会社に来たら、同僚や後輩達が青ざめた顔を見て本気で心配してきた。そんなに顔色悪かったかな?平静を装って出勤してきたつもりなんだけど…ま〜上司だけは、いつも通り仕事しろ!の一言だったけどね。


そして今日にいたる。

彼女に会う約束は13時。

この心理状態で会うのは流石に嫌なので、もう少しだけ寝て心のリセットをはかる事にした。



「………寝れん………」



せっかく心のリセットをはかろうとしているのに、俺の脳は現実を受け止め始めているようだ。

仕方が無いので起きる事を選択してみたが、やる事が無い。

イヤ…正確にはやる事は山ほどあるが心に余裕が無いというのが正しいと思う。

なんせ数時間後にはイヤでも彼女と別れるのだから仕方が無い。

ん?正確には3日前に、もう別れてるのか?ダメだ女々しくても、まだ付き合っていると信じたい。

メールで別れて寂し過ぎるでしょ…



「とりあえずゴミ捨てして、部屋の掃除でもするか」



誰しも一度は経験した事があるであろう現実逃避です…

勉強しようと机に向かうが、机の上のゴミが気になりはじめ掃除を始める。よくある行動パターンだ。


取り敢えず机の上に平積みになっていたマンガを本棚に戻そうとするが、やっぱり読むよね!

でも間が悪い…手に取ったマンガは、主人公が俺はリア充になりたいと叫んでいるが、実際はハーレムというお決まりの話。うっかり本にむかってお前はリア充だ!と叫びたくなる。


素早くマンガを本棚に戻し、何となく掃除機を取り出し部屋の掃除を始めた。



「最後に何を話そう…とりあえず部屋の鍵を返してもらった後は流れに任せるかないよな」



数日前までは、色々聞きたい事や話したい事が山ほどあったのに今は大分落ちついた。

やはりお互いに限界だったんだと思う。



「もう11時か…」



シャワーを浴びて出かける準備を始めた。

10分前行動、5分前集合

小中と9年間も煩く教師に言われていたせいか、完全に身体に染み付いている。

私鉄に乗り20分程かけて市の中心向かう為、早めに行動を開始する。

本当は行きたくない…というのが本音なのだが、そうもいかない。それに、たとえ別れる事になるとわかっていても彼女に会えるのはヤッパリ嬉しい。

大好きなのに別れないといけない…何とも言えない複雑な心境です。

メールには好きだけど…と書かれていたが本当はどうなんだろ?

もう好きではないから別れるんじゃないの?嫌いだから別れるんじゃないの?今まで何回好きだけど…で別れてきた事か、別れ話の上等文句にしか思えない。


何故なら今までの経験上別れて直ぐに新しい彼氏が出来ているからだ。なら最初から、そう言えばいいのに…相手をキズ付けない様にとか体のいい言い訳をする。そっちの方がよっぽどキズ付くのに…何で本当の事を言わないのだろう?相手の事を思うならしっかり振ってくれた方がどれだけマシか。立ち直りも早いし、何より自分の問題点がわかるから次の恋愛に活かせるのに…


少なくとも俺は自分から彼女を振った事が無いので、毎回本当に好きだけど別れるという選択をしてきたが、振る側は本当に好きだけど別れるという選択はあるのだろうか?誰か俺の疑問に答えてくれる人はいないのかな…


そんな分かる訳もない答えを探しながら身支度を済ませて、緊張と悲しみをたたえた顔を鏡で見ながら気合いを入れる。



「ヨシ!彼氏として最後の仕事をしますか!」



気が付けば時計の針は12時を回っている。急いで部屋を飛び出し駅に向かう。

いつもと変わらない駅のホームで電車を待ちながら、お気に入りのラッドの曲を聞きながら待ち合わせ場所を確認する。



「トドールか…何回か友香との待ち合わせに使ったな」



寺崎友香…それが今から振られに行く俺の彼女だ。

付き合って一年半、今日10月8日をもって俺の彼女では無くなる人、別れる事になった今でも誰よりも大好きな彼女なのに…

一ヶ月程前に別れ話しが出て、お互いに距離を置こうという事になったが結局この日を迎えた。


一度距離を置いてから、また元通り仲の良い2人に戻れた話しは滅多に聞かない。後輩達にも、


「距離を空けたら最後ですよ!瞬さん頑張って下さいよ!前みたいな瞬さんの姿は見たくないですよ!」


と色々応援してくれていたが、ヤッパリ無理だった…この時に俺は今日という日が来る事を覚悟していたんだと思う。

情けない話しだけど、この一ヶ月という時間のお陰で泣かずに彼女と別れる事が出来そうだった。


予定通り10分前にはトドールに到着し店内に入りアイスコーヒーを注文すると目の前に細井さんが居た。



「えっ!?」



俺は細井さんとは、あまり話した事は無いが友香の友達である。正直名字しか思い出せない…一年間同じクラスだったのに申し訳ない。

本当にゴメンなさい!

ただ名は体を表すと言う通り、細井さんの身体は本当に細い…ちょっとした衝撃で折れてしまうのではないか?と思うくらい細い、俺の中にある印象はそれくらいしかない。

その細井さんもコーヒーを出しながら俺に気が付いたようだ。驚きの顔をしていたが、そこは現在バイト中の身すぐに店員の顔に戻す。



「お待たせしました」


「あっ…どうも」



苦笑いしながら、心の中で「マジか〜!?」と絶叫するしかなかった。

今から友香との別れ話をするのに店員に知り合い…というか細井さんが居るてどういう事!?

アイスコーヒー片手に急いで友香が店内に居るか確認をするが、まだ来ていない様だった。



「助かった!急いで友香にメールしないとマズイな…」



空いている席を探して急いで友香にメールをすると直ぐに返信があり待ち合わせ場所を変更する事になった。どうやら近くまで来ているらしい。



「ギリギリセーフか、助かった」



さすがに知り合いの前で別れ話が出来るほど勇者ではない。

たとえ知り合いがいなかったとしても休日昼のトドール、店には人が大勢いたので俺としても場所の変更はありがたかった。

安堵の溜息を吐きながら、急いでアイスコーヒーを飲み干して店を出る。



「ありがとうございました」



背中に細井さんの声を受けながら新しい待ち合わせ場所に急ぐ。



「まさかこのタイミングで細井さんかよ!偶然て怖いな…いや必然なのかな…」



店を出て直ぐに軽く深呼吸をして落ち着きを取り戻す。

新しい待ち合わせ場所は10m程ありそうな大きなマネキン前、目立つ為に多くの人が待ち合わせに使っている。因みにココも友香との待ち合わせで何回か使っていた。

このマネキンにはチョットした都市伝説があり、カップルでマネキンの股の間を手を繋いで歩くと、そのカップルは必ず別れるというモノだ。

信じていた訳でもないし、非科学的と思いながらも友香と絶対に別れたくなかったので今まで一度も股の間を手を繋いで歩いた事はない。必ず避けて歩いていたのだけれど、結局別れる事になっちゃったな…友香気が付いてたかな?と思い出していると、むこうから友香が来た。




誤字•脱字の指摘をして頂いた皆様ありがとうございます。コレからも稚拙ではありますが、少しでも良い物が書けるよう頑張ります。またよければ感想や評価が頂いけると喜びます。よろしくお願いいたしますm(_ _)m

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