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第98話 目覚めた厄災

遺跡の奥。


 崩れた石壁の向こう。


 そこには巨大な空洞が広がっていた。


 壁一面に刻まれた古代の壁画。


 山。


 街。


 そして――


 それを踏み潰す巨人。


 石で出来た巨大な存在。


 リーナが息を呑む。


「これ……」


 ミカサが呟く。


「さっき言うとった封印のやつか」


 ルークは壁画を見つめた。


「……ああ」


 山よりも大きい。


 街よりも巨大。


 石の巨人。


 そして、その足元には――


 無数の人間。


 祈る者。


 逃げる者。


 戦う者。


 壁画の下には古代文字。


 ルークが低く読む。


「……山の守護」


「眠れる厄災」


 リーナが聞く。


「守護?」


 ルークが首を振る。


「多分、皮肉だ」


 その時だった。


 奥の空間。


 教団の男たちが魔石を並べていた。


「急げ!」


「儀式を完成させろ!」


 黒い魔石が光る。


 地面が震える。


 ルークが叫ぶ。


「止めろ!」


 勇士たちが突っ込む。


 斧。


 槍。


 剣。


 ローブの男たちを斬り倒す。


 儀式の中心。


 魔石を叩き砕く。


 バキン!!


 黒い光が弾けた。


 地下空間が揺れる。


 リーナが言う。


「止まった?」


 だが。


 ルークの顔は険しい。


「……いや」


 次の瞬間。


 地面が割れた。


 ドゴォォォォン!!


 遺跡全体が揺れる。


 天井から岩が落ちる。


 ミカサが叫ぶ。


「まずいで!」


 ルークが言う。


「外へ!」


 全員が走る。


 遺跡の入口。


 山の空。


 そして――


 空が暗くなった。


 渦を巻く黒い雲。


 その中心から。


 巨大な影が降りてくる。


 ズン。


 地面が揺れた。


 土煙。


 岩が崩れる。


 姿が見える。


 石の巨人。


 高さ――


 100メートル近い。


 勇士の一人が呟く。


「……なんだ」


「これ」


 ルークが言う。


「厄災だ」


 巨人が動く。


 ゆっくり。


 だが――


 一歩。


 ズン!!


 地面が揺れる。


 木が倒れる。


 岩が砕ける。


 リーナが言う。


「山サイズじゃないけど……」


「それでも」


 ミカサが苦笑する。


「十分すぎるやろ」


 勇士の一人が叫ぶ。


「街に知らせろ!」


 2人が走る。


 ブロックンへ向かって。


 戦士が歯を食いしばる。


「街を守るぞ!」


 ルークは巨人を見上げる。


 動きは遅い。


 だが。


 圧倒的だった。


 少し動くだけでも、空気が巻き込まれる。


 風が唸る。


 ただ立っているだけで――


 圧を感じる。


 ルークが低く言った。


「……膨大な力、体力を感じる」


 リーナが言う。


「そうは言ったって」


「削るしか今は手が打てない」


 遠く。


 ブロックンの城壁。


 鐘が鳴り始めた。


 カン!!


 カン!!


 警鐘。


 城壁の上で兵士たちが動く。


 巨大な兵器が準備されていた。


 バリスタ。


 だが。


 どう見ても――


 対人用ではない。


 巨大な弩砲。


 丸太ほどの矢が装填される。


 兵士が叫ぶ。


「バリストン!」


「照準合わせろ!」


 弓が引かれる。


 バリストンが並ぶ。


 城壁一面。


 石の巨人が街へ向かう。


 ゆっくり。


 確実に。


 ブロックンへ。

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