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第91話 石の国の勇士

山岳要塞都市ブロックン。


街の中心部。


巨大な石の広場。


その中央で――


地面が揺れていた。


ゴゴン。


ゴゴン。


重い振動。


リーナが驚く。


「地震?」


ミカサが首を振る。


「ちゃう」


三人が近づく。


そして見えた。


巨大な石の人型。


高さ10メートルほど。


重い足取りで動く。


ゴーレム兵士。


ルークが呟く。


「兵器」


リーナ


「戦ってる……」


広場では数人の戦士がゴーレムと戦っていた。


剣。


槍。


大槌。


巨体を相手に、正面からぶつかっている。


一人の大男が跳んだ。


大斧を振り下ろす。


ゴン!!


石が砕ける。


周囲から歓声が上がった。


「いいぞ!」


「腕上げたな!」


ミカサが笑う。


「さすが石の国」


「腕っぷし自慢ばっかりや」


「ここは訓練場や」


リーナ


「勇者候補?」


ミカサ


「いや勇士やな」


ルークは静かに観察していた。


戦い方。


動き。


連携。


「強い」


その言葉に反応した男がいた。


筋骨隆々の戦士。


背中に巨大な剣。


ルークを見て言った。


「見物か」


低い声。


周囲の視線が集まる。


「あれが竜騎士らしい」


「ドラゴン倒したって噂の」


戦士は鼻で笑った。


「ふん」


ルークを見る。


「ここに何しに来た」


リーナが眉をひそめる。


「観光じゃないわよ」


戦士は言う。


「この国は山の民だ」


胸を叩く。


「ここでなにか起きれば自分たちで守る」


広場の勇士たちが頷く。


「竜騎士?」


戦士は吐き捨てた。


「必要ない」


指を突きつける。


「ここで何が起ころうと」


「俺たちがぶっ倒す」


少し笑う。


「竜騎士の出る幕などない」


沈黙。


リーナが言い返そうとする。


だが。


ルークが止めた。


「そうだね」


戦士が少し驚く。


ルークは静かに言った。


「自分の国は」


「自分で守る」


「いいことだ」


戦士は一瞬言葉を失った。


ミカサが小声で言う。


「兄ちゃん」


「また変な好感度上げ方しとる」


リーナ


「ほんとルークらしいと言うか」


その時。


ゴーレム兵士が倒れた。


轟音。


石の巨体が崩れる。


広場から歓声。


戦士たちが武器を掲げる。


「ブロックンの勝利だ!」


「ゴーレム撃破!」


ミカサが言う。


「訓練とはいえ」


「本気やな」


ルークは頷く。


「実戦想定」


リーナ


「災害対策?」


ルーク


「災害のことをしっているのか?」




戦士たちはゴーレムを解体し始めていた。


石。


魔石。


魔導装置。


完全な兵器だった。


ミカサが言う。


「知ってるか知らんかはわからんけど」


「この国」


「戦争国家でもあるんや」


「他国からも一目置かれてて」


「他国から攻め入ろうなんってここ数百年ないっちゅう話や」


リーナ


「そう見えるね」


「だから常に訓練をしているのね」


ルークは街の奥を見る。


山の中腹。


巨大な建造物。


石の塔。


「図書館」


ミカサ


「歴史館やな」


リーナ


「調べる?」


ルーク


「うん」


「災害の記録」


「あるかもしれない」


三人は広場を離れる。


背後ではまだ勇士たちの声が響いていた。


「次のゴーレム出せ!」


「もう一戦だ!」


山岳都市ブロックン。


強い戦士たち。


ゴーレム兵士。


そして――


長い歴史。


もし災害があるなら。


必ず


記録が残っている。


ルークは石の塔を見上げた。


この国の過去。


そこに


世界の秘密が眠っている。


そして


それはまだ


誰も気づいていない災害へ


静かに繋がっていた。

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