表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

90/116

第90話 山岳要塞都市ブロックン

砂漠を越えて数日。


景色は完全に変わっていた。


赤い砂は消え、


代わりに現れたのは――


巨大な山脈だった。


岩。


岩。


岩。


空を突き刺すような灰色の山々。


リーナが見上げる。


「すご……」


「全部山」


ミカサが言う。


「山岳国家ブロックン」


「鉱山と石の国や」


ルークが前方を指差した。


「あれ」


二人が目を凝らす。


山の斜面。


そこにあったのは――


都市だった。


岩山をそのまま削って作られた街。


巨大な城壁。


石の塔。


山腹に並ぶ無数の建物。


まるで山そのものが都市になっている。


リーナが呟く。


「要塞……」


ミカサが笑う。


「せや」


「山丸ごと要塞都市や」


さらに近づく。


街の入口には巨大な門。


そして――


その両脇に立つ二体の石像。


高さ20メートルはある。


人型。


だがただの像ではない。


ルークが目を細める。


「ゴーレム」


リーナ


「え」


ミカサ


「守護兵や」


門番の兵士が三人を見る。


「止まれ」


ルークが答える。


「冒険者です」


兵士がじっと見た。


そして目を見開く。


「……竜騎士」


周囲の兵士がざわつく。


「本物か」


「噂の英雄だ」


リーナが小声で言う。


「また有名人」


ミカサが笑う。


「世界で売れとる商品や」


ルーク


「商品扱い」


兵士が門を開ける。


「ブロックンへようこそ」


門がゆっくり開く。


中に入った瞬間。


三人は少し驚いた。


街が――


縦だった。


階段。


坂道。


橋。


建物が何層にも重なっている。


山を削って作られた都市。


リーナ


「迷子になりそう」


ミカサ


「三次元都市やな」


ルークは街を見回す。


あちこちで鉱石を運ぶ人々。


鍛冶場。


巨大な石切り場。


そして――


ゴーレム。


小型の石ゴーレムが荷物を運んでいた。


リーナが驚く。


「動いてる」


ミカサ


「ブロックンの名物」


「ゴーレム工学」


ルークが呟く。


「魔導文明」


ミカサ


「せや」


そして少し真面目な顔になる。


「ここ」


「資源国家や」


リーナ


「鉱石?」


ミカサ


「それもや」


ルーク


「それも?」


ミカサが笑った。


「地下」


「とんでもないもんある」


ルーク


「例えば?」


ミカサ


「古代文明の遺物」


リーナ


「また?」


ミカサ


「せや」


腕を組む。


「せやからな」


「この国」


「めちゃくちゃ強い」


その時だった。


遠くで――


地面が揺れた。


ゴゴゴゴゴ……


リーナ


「地震?」


ミカサ


「いや」


ルークが山の奥を見る。


「鉱山」


遠くの山腹。


巨大な採掘坑。


そこから煙が上がっていた。


ミカサが目を細める。


「……嫌な予感するわ」


ルークも同じことを感じていた。


砂漠で見た遺跡。


世界地図。


光る点。


もし――


この国にもあるなら。


ルークが静かに言う。


「調べよう」


リーナ


「やっぱり」


ミカサが笑う。


「兄ちゃん」


「ほんま止まらんな」


山岳要塞都市ブロックン。


鉱山国家。


ゴーレム文明。


そして――


その地下には


まだ誰も知らない


危険な秘密が眠っていた。


次の災害の影は


すでに


この国に近づいていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ