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第89話 石の都ブロックン

ラシードの採掘塔が遠くに見える丘の上。


三人は砂漠の風に吹かれていた。


リーナが言う。


「今回の件」


「結局なんだったのかな」


ルークは少し考えてから答えた。


「たぶん」


「まだ災害ではない」


ミカサが頷く。


「うちもそう思う」


リーナ


「どういうこと?」


ルークは遺跡で見た装置を思い出していた。


世界地図。


そして光る点。


「遺跡の地図」


「覚えてる?」


リーナ


「うん」


ミカサ


「光っとったやつやな」


ルークは頷く。


「あの点」


「強く光ってる場所と」


「そうじゃない場所があった」


リーナ


「確かに」


ルーク


「ラシードは」


「弱かった」


ミカサが腕を組む。


「つまり」


「まだ目覚めてへん」


ルーク


「そう思う」


リーナが言う。


「じゃあ」


「砂海の主は?」


ルーク


「封印の影響」


「採掘で刺激された可能性」


ミカサが笑った。


「せやから」


「石油掘るの」


「気ぃつけろ言うたんや」


リーナ


「完全に脅してた」


ミカサ


「事実や」


ルークも頷く。


「もし」


「遺跡の封印装置が壊れたら」


「本当に災害が出るかもしれない」


砂漠の風が吹く。


静かな沈黙。


ミカサが言う。


「つまり」


「世界中にあるんやろ?」


ルーク


「たぶん」


「災害管理施設」


リーナが小さく呟く。


「……嫌な世界」


ルークは少し笑った。


「でも」


「備えることはできる」


ミカサ


「せやな」


そして言った。


「次どこ行くん?」


ルークは地図を広げた。


砂漠の向こう。


山脈の奥。


そこに書かれている都市名。


「ブロックン」


リーナ


「ブロックン?」


ミカサ


「石の都やな」


ルークが言う。


「山岳国家」


「要塞都市」


「岩と石の文明」


リーナ


「なんか硬そう」


ミカサが笑う。


「鉱山国家や」


「石と鉄と金」


「商売の匂いするで」


リーナ


「またそれ」


ミカサ


「当然や」


ルークは少し真面目な顔になる。


「でも」


「行く理由は別」


二人を見る。


「もし」


「災害があるなら」


「石」


「土」


リーナ


「地属性」


ルーク


「そう」


「地属性に有効な風属性に」


目を閉じる。


センス変更。


体の中を魔力が流れる。


軽い。


鋭い。


空気の流れ。


風の力。


ルークが目を開いた。


「属性変更完了」


リーナが笑う。


「もう準備してる」


ミカサ


「兄ちゃんなにしてるん」


「おかしいで、属性変えるって変えれるって?」


「どないなってるん??」


ルークが苦笑する。


「まあ、ユニークスキルみたいなものだね」


ミカサが呆れて


「んなあほな」


「また詳しく聞かせてもらうで」


三人は丘を下りていく。


遠くにはラシードの街。


その地下には


古代文明。


災害管理施設。


世界の秘密。


だがそれは


まだほんの始まりだった。


ミカサが言う。


「次目指すは」


「石の都ブロックンや」


リーナ


「山登りかな」


ルーク


「たぶん」


そして静かに言った。


「世界を回ろう」


砂漠を離れた英雄の旅は


ここから


さらに広がっていく。

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