第81話 地下迷宮
ラシード王都から半日。
ルークたちは再び採掘場へ戻っていた。
砂海の主が現れた巨大な穴。
その周囲には兵士と作業員が集まり、緊張した空気が漂っている。
地下へ続く坑道。
暗く、冷たい風が吹き上がっていた。
ミカサが穴を覗き込む。
「……暗っ」
「めちゃくちゃ深いやん」
リーナが言う。
「採掘坑だからね」
「石油層まで掘ってるんでしょ?」
採掘監督が頷く。
「はい」
「ですが途中で巨大な空洞に当たりまして」
「そこから強い振動が来ていました」
ルークは穴の奥を見つめていた。
魔力の流れ。
確かに感じる。
「地下に何かある」
ミカサが肩をすくめる。
「そらあるやろ」
「砂海の主が出てきたんやで?」
ルークは剣を背負い直した。
「行こう」
三人は坑道へ入った。
ランタンの光が岩壁を照らす。
空気はひんやりしている。
砂漠の熱が嘘のようだった。
しばらく進む。
やがて――
通路が開けた。
巨大な地下空間。
リーナが目を見開く。
「……遺跡?」
そこには石柱が並び、人工的な通路が広がっていた。
ただの洞窟ではない。
ミカサが呟く。
「採掘してたら遺跡出てきたん?」
監督が言う。
「この奥が問題の空洞です」
三人は慎重に進む。
すると。
リーナが足を止めた。
「……待って」
床の石タイル。
色が微妙に違う。
ミカサが石を投げた。
カチッ
次の瞬間。
壁から槍が飛び出した。
ズガン!!
ミカサが笑う。
「罠やん」
リーナが言う。
「完全に侵入者を近づけないための場所?それか試されてる?」
ルークが頷く。
「いやここは侵入を防ぐ造りだよ」
ミカサが肩をすくめる。
「お宝ってわけやなさそうやな」
その時。
奥から音が聞こえた。
ガリ……ガリ……
岩を削る音。
ルークが言う。
「魔物!!」
暗闇から怪物が飛び出す。
岩の皮膚を持つ四足の魔物。
リーナの矢。
ルークは氷剣をやめ斬撃の強化されたロングソードに持ち替えた
効果覿面
魔物はすぐに倒れた。
だが――
ミカサが奥を見た。
「……群れや」
三人は連携して魔物を倒す。
やがて最後の一体が倒れた。
静寂が戻る。
その時。
奥に巨大な石扉が見えた。
高さ十メートルはある。
そして扉の中央に――
円形の装置。
ルークが近づく。
「……施設だ」
その瞬間。
床の魔法陣が光った。
ゴゴゴ……
石扉がゆっくり開く。
暗闇の奥。
巨大な影が動いた。
低い声が響く。
「侵入者確認」
リーナが弓を構える。
「……来る」
その影は――
人型だった。
高さ五メートル以上。
石と金属で作られた巨体。
胸に巨大な魔石。
「封印区域接近」
「排除開始」
数千年眠っていた防衛兵器が
今、目を覚ました。




