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第103話 消耗戦

巨兵の動きを止めた。


 それは確かだった。


 だが。


 そこからが――


 長かった。


 ズゴゴ……


 石の巨体が動く。


 立ち上がることはない。


 だが。


 完全に止まっているわけでもない。


 腕が動く。


 脚が動く。


 巨兵はまだ戦っていた。


 勇士が叫ぶ。


「気をつけろ!」


 次の瞬間。


 ブォォォォン!!


 巨兵の腕が振られる。


 それだけで。


 風圧が発生する。


 地面の砂が巻き上がる。


 勇士が吹き飛ぶ。


「ぐあっ!」


 リーナが叫ぶ。


「無理しないで!」


 巨兵の脚。


 硝子化した傷。


 再生はしていない。


 だが。


 倒れない。


 100メートルを超える巨体。


 その質量。


 その体力。


 簡単には止まらない。


 勇士たちが攻撃する。


 斧。


 槍。


 剣。


 だが。


 次第に動きが鈍くなる。


「くそ……!」


 勇士が膝をつく。


「体力が……」


 ミカサが叫ぶ。


「無理すんな!」


 一人。


 また一人。


 勇士たちが後ろへ下がる。


 離脱。


 戦える者が減っていく。


 だが。


 ルークは止まらない。


 風が集まる。


 闇魔法。


 圧縮。


 膨張。


 圧縮。


 膨張。


「……真空玉」


 ドォォォォォン!!


 爆発。


 巨兵の脚が砕ける。


 だが。


 まだ動く。


 ルークはもう一度。


 風を集める。


 だが。


 体が重い。


 頭がぼーっとする。


 ルークは理解していた。


 魔力の消耗。


 限界が近い。


 ふと。


 視界の端に。


 半透明の表示が浮かぶ。


 UI。


 魔力量。


 残り。


 ――わずか。


 ルークが呟く。


「……もう少し」


 空は暗くなっていた。


 夜。


 街の兵士たちが松明を持って走る。


 炎が灯る。


 巨兵の周囲を囲む。


 ゆらめく炎。


 巨兵の影が揺れる。


 リーナが叫ぶ。


「ルーク!」


「もう休んで!」


 ルークは首を振る。


「まだだ」


 巨兵が腕を振る。


 ブォォォォン!!


 風圧。


 兵士が吹き飛ぶ。


 瓦礫が舞う。


 ルークは踏みとどまる。


 そして。


 もう一度。


 風を集める。


 手のひらの球。


「……真空玉」


 投げる。


 ドォォォォォン!!


 巨兵の脚が砕ける。


 だが。


 巨兵は動く。


 腕が上がる。


 巨大な影。


 ルークの上へ。


 リーナが叫ぶ。


「ルーク!!」


 次の瞬間。


 ドォォォォン!!


 巨兵の腕が振り下ろされた。

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