第102話 総力戦
ズドン。
ズドン。
石の巨兵が進む。
街の中心へ。
その脚を――
ルークが見据える。
「行くぞ」
風が集まる。
闇魔法。
圧縮。
膨張。
圧縮。
膨張。
手のひらに生まれる球。
ルークが跳ぶ。
風を纏う。
一瞬で巨兵の脚元へ。
「――真空玉」
叩き込む。
ドォォォォォン!!
爆発。
衝撃波。
石の脚が砕ける。
硝子化した黒い傷。
再生しない。
巨兵の巨体が揺れる。
ズドン……
体勢が崩れる。
ルークが叫ぶ。
「今だ!」
城壁の上。
兵士が叫ぶ。
「バリストン装填!」
巨大弩砲が唸る。
丸太のような矢。
「撃てぇ!!」
ドォン!!
巨大矢が空を裂く。
巨兵の胸へ。
直撃。
ガァァン!!
石が砕ける。
だが。
次の瞬間。
ギギギギ……
弩砲が悲鳴を上げた。
兵士が叫ぶ。
「バリストン破損!」
鋼鉄の腕が折れる。
機構が弾ける。
巨大兵器は。
一撃で限界だった。
だが。
その一撃で。
巨兵のバランスが崩れる。
ズドォォォン!!
巨体が倒れ込んだ。
大地が揺れる。
風が巻き起こる。
砂埃が街を覆う。
勇士が叫ぶ。
「倒れたぞ!」
煙の中。
巨兵は横たわっていた。
勇士たちは走る。
巨兵の腕。
肩。
背。
その上へ登る。
「今だ!」
斧。
槍。
剣。
一斉に振り下ろされる。
ガン!!
ガン!!
ガン!!
石が砕ける。
リーナが叫ぶ。
「核を探して!」
だが。
巨兵が動いた。
ズゴゴゴ……
巨体がうねる。
立ち上がろうとしている。
勇士が叫ぶ。
「まずい!」
その時。
地面が震えた。
ミカサが叫ぶ。
「動くな!」
土魔法。
大地が盛り上がる。
岩が巨兵へ絡みつく。
腕。
脚。
拘束。
勇士が叫ぶ。
「止まった!」
だが。
次の瞬間。
バキン!!
岩が砕ける。
巨兵の力が上回る。
ミカサが歯を食いしばる。
「くそっ……!」
再び土魔法。
地面が動く。
岩が絡む。
また砕ける。
繰り返し。
足止め。
ルークは走る。
風が集まる。
真空玉。
「もう一発!」
ドォォォォォン!!
脚へ直撃。
石が溶ける。
硝子化。
巨兵が揺れる。
だが。
まだ動く。
勇士が叫ぶ。
「しぶといぞ!」
ルークが叫ぶ。
「まだ止める!」
再び。
風が集まる。
真空玉。
もう一発。
そしてまた。
爆発。
衝撃。
砂埃。
街の中央で。
人間たちは。
100メートルの巨兵へ挑んでいた。
それは。
完全な――
総力戦だった。




