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第100話 崩れる城壁

 ズドン。


 ズドン。


 石の巨兵が迫る。


 城壁まで――


 50メートル。


 兵士が叫ぶ。


「バリストン最大装填!」


 城壁のすべての弩砲が動く。


 ギギギギ……


 弦が張られる。


 巨大矢が並ぶ。


「撃てぇ!!」


 ドォン!!


 ドォン!!


 ドォン!!


 連続射撃。


 胸部に直撃。


 石が砕ける。


 だが。


 巨兵は歩く。


 ズドン。


 ズドン。


 そして――


 城壁へ到達した。


 巨大な腕が上がる。


 兵士が叫ぶ。


「来るぞ!」


 次の瞬間。


 ドォォォン!!


 拳が振り下ろされる。


 城壁が砕けた。


 石が崩れる。


 煙。


 瓦礫。


 兵士が吹き飛ぶ。


 巨兵が一歩踏み出す。


 ズドン!!


 街へ。


 建物が潰れる。


 石造りの家が崩壊する。


 悲鳴が上がる。


 リーナが呟く。


「街が……」


 巨兵は止まらない。


 もう一歩。


 ズドン!!


 さらに建物が崩れる。


 砂煙が街を覆う。


 その中で――


 三分の一の街が破壊された。


 ミカサが歯を食いしばる。


「洒落にならへんで……」


 ルークは走る。


 風の刃。


 ドン!!


 脚部を削る。


 石が砕ける。


 だが。


 ほんのわずか。


 巨兵は止まらない。


 腕が振り下ろされる。


 ドォォン!!


 ルークが吹き飛ぶ。


 地面を転がる。


 勇士が叫ぶ。


「ルーク!!」


 ルークは立ち上がる。


 息を吐く。


 そしてまた走る。


 風の刃。


 ドン!!


 石が削れる。


 だが。


 削れているのは。


 本当にわずか。


 巨兵は歩く。


 ズドン。


 ズドン。


 街の中心へ。


 確実に。


 ルークが呟く。


「……まずい」


 このままでは。


 街がなくなる。


 リーナが叫ぶ。


「ルーク!」


 ルークは振り向かない。


 ただ剣を握る。


 巨兵の影が落ちる。


 圧倒的な巨体。


 絶望のような存在。


 ルークは空を見た。


 風が吹く。


 そして小さく呟いた。


「……まだだ」


 戦いは終わっていない。

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