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推しが行った異世界に聖地巡礼  作者: げんげん


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俺の推し、Apollo Notesの帝 御歌

はじめまして、げんげんと申します。これが処女作になります。興味本位で始めた素人ですがよかったら読んでいってください。楽しんでもらえたら嬉しいです!

Chat GPTにアドバイスされたので最初の3話は毎日更新します〜

「えーと、あと財布と身分証と……ペンライトも持って行くか。よし、完璧だ。」


俺は淡井悠記(あわい ゆうき)。ごく普通の会社員をやっている27歳だ。

仕事は楽しくないし、彼女なんか今までできたことがない。

おまけに貯金も全然ないような底抜け弱者の俺だが、毎日楽しく生きている。


その理由というのが、アイドルグループ「Apollo Notes(アポロノーツ)」の存在だ。


Apollo Notes、通称アポノは

リーダーの南出奏音(みなで かなね)

しっかり者で副リーダー的存在でもある煌木琴凛(かがやぎ ことり)

みんなを笑わせるのが大好きな四鼓律(よつづみ りつ)

おっとりふわふわ女子の二導澄笛(にどう すてき)

そして最年少の帝御歌(みかど おんか)

この5人からなる人気女性アイドルグループだ。


アポノと出会ってから俺の日常は輝き出した。

特に最愛の推しである帝御歌。

メンバーやファンからは「てぃちゃん」や「おうたん」という愛称で親しまれている。


当時の俺は社会人になりたてで慣れない生活環境と仕事に追われ、怒られてばかりの日々。

自分が何のために生きているのか、自分はこの世界に必要なのか――当時の俺にはもう何も見えなくなっていた。


そんなある日、ふと街中で聴こえてきたアポノの楽曲「宙の彼方」に心を強く揺さぶられた俺はネットでアポノについて調べまくった。

そして過去の映像を見漁るうちに、気づけば一人のメンバーを夢中で目で追っていた。

それが御歌ちゃんだった。


それまでアイドルなんて微塵も興味がなかった俺だが、御歌ちゃんは最高で最強のアイドルだと思った。

そう思わざるを得ないほど、彼女はアイドルだった。


美少女という言葉が相応しい卓越したルックス。

女の子らしく可憐で上品さも残る所作。

最年少とは思えないほど周りを見ていて気配りができるが、誰からも愛される天真爛漫さも持ち合わせている。

そして彼女は素晴らしい声を持っている。


初めて御歌ちゃんが歌っているところを見た時は衝撃を受けた。御歌ちゃんは決して歌が上手いわけではなかったが、それを凌駕するくらいあどけなさと気高さが共存した素敵な声で俺の心を満たしたのだ。


推し補正ってやつだろうか。

それでも彼女は、アイドルとして凄まじい魅力を持っていると感じた。

当時の俺はそんな彼女に忽ち心を奪われた。


――そして今日は、アポノのリアルベジグリの日だ。


リアルベジグリってのは、ファンがアイドルたちと直接会ってお話しできるイベントのことでオンラインバージョンもある。

お話しできる時間は短いし金もかかるが、推しと顔を合わせて想いを伝えられるファンにとってはかなり重要なイベントだ。


もちろん俺は、推しの御歌ちゃんとリアルベジグリをしに行く。

だが今日のベジグリは、御歌ちゃんファンにとって特に重要な日でもある。

というのも御歌ちゃんは2年間、芸能活動を休止していたのだ。


今日は御歌ちゃんが活動を再開してから初めてのリアルベジグリ。

2年ぶりに御歌ちゃんに直接会える機会。


「ここに来るのも久しぶりだなぁ……」


リアルベジグリが行われるたびに通っていた会場。

御歌ちゃんが活動休止してから一度だけ、リーダーの奏音ちゃんとベジグリしに来て以来の来場だ。


御歌ちゃんに伝えたいことはたくさんある。

だが俺がベジグリで話す内容は、オンラインの時から実は一貫している。


「みんな無言でいなくなっちゃってごめんね〜!周りの人みんな全然信じてくれないけど実は”異世界行ってたんだよね!”だから連絡手段がなくてさ!」


活動再開後、初めての生配信で御歌ちゃんは、思い出のアルバムを眺めるような温かい表情でこう言った。


他のアポノメンバーは、もちろん信じていなかった。

御歌ちゃんの普段のキャラ的に十分成立する冗談だった。

しかし、御歌ちゃんはそれからも配信や番組、ラジオ、ブログ、ありとあらゆる場で己の異世界冒険譚を話していた。

それもかなり詳細に。


「月がピンクに光ってるの!こっちの月もピンクだったら可愛いのに〜」

「尻尾が2つに分かれてる恐竜みたいなのがいるんだけど、足みたいに尻尾だけで歩いたりできるの!」

「海の中に国があるの!そこに住んでる人たちは普通に生活できてるっぽかったんだけど、あれどうなってたんだろう…」

「その愛の力を使う人がめっちゃ強いんだよ!」


口を開くたびに絶え間なく繰り広げられる異世界トークに、メンバーのみんなは呆れ気味だった。

それでも、なんだかんだ御歌ちゃんの話を楽しそうに聞いていた。


そしてファンはというと――大きく3つの勢力に分かれていた。

“信じる派”と“信じない派”、そして“それ以外”だ。


御歌ちゃんのファンには信じる者が多かったが、他のメンバーのファンには嘘か本当かわからない異世界トークを疎ましく思う者もいた。


「あれに尺使うのマジでやめろ」

「最近の帝ホントにむり。あれおもしろいと思ってやってんの?」

「復帰してからなんかヤバくね?**なんじゃねーの」


ネット上では、そういった批判の声も多く見受けられた。


マジでムカついた。

なぜなら俺は、言わずもがな“信じる派”だからだ。


あの話が嘘か本当かはわからない。

確かめようもない。

なんなら夢の話じゃないかという中立っぽい勢力もいる。


それでも俺が御歌異世界冒険秘話(おんかいせかいぼうけんひわ)を信じているのは、御歌ちゃん推しだからだけではない。

異世界トークをしている御歌ちゃんが大好きだからだ。


表情や声、仕草の全てから伝わってくる興奮と、まるで時間旅行をしているような幸福感。

あれは嘘の話では絶対に出せないとも思っているが、それよりも何よりもただ嬉々として異世界トークを展開する御歌ちゃんが”てぇてぇ”だけなのだ。


そんなてぇてぇ御歌ちゃんの姿を、今日ついに生で拝むことができる。

そう、俺は今日のベジグリで御歌ちゃんになんか適当に異世界について聞いてみようと思う。


さあ、俺の番がきた…!

最後まで読んでくれてありがとうございました!

本当はキャラクターの見た目もある程度決めて物語を作っているのですが、絵が描けないので皆さんと想像が共有できないのが悔しいです。

なのでここで登場キャラクターの見た目の特徴や細かい設定など書けたらと思います。興味があれば見ていってください。

<淡井悠記>

・黒髪

・手のつけていないバシバシの無造作ヘア

・黒縁メガネ

・身長174cm

・細身だがほんの少しだけ筋肉質

・深い青のリュック

・2025年帝御歌生誕記念Tシャツ(ホワイト)を着ている


<帝御歌>

・濃い黒髪

・ミディアムボブ

・前髪の左半分を編み込んでいる

・編み込み部分に音楽記号の形のピンを刺している(お気に入りはクレッシェンドと4分休符とダ・カーポ)

・身長158cm

・年齢20歳

・胸なさげ


他のアポノメンバーの情報も少しだけ書きます。

<南出奏音>

・アポノリーダー

・23歳

・明るめの茶髪で胸下ぐらいまでの長さ、ウェーブがかかっている、前髪は上げる時もある

・普段は明るく楽観的だがメリハリがしっかりしていていざというときは頼りになる

・愛称は「かなちゃん」

・御歌からは「かなねぇ」と呼ばれている


<煌木琴凛>

・アポノ副リーダー(メンバーとファンの共通の認識であり、公的に認められた立場ではない)

・23歳

・黒髪、肩甲骨の下辺りまでのポニーテール、前髪あり

・アポノ内では比較的落ち着いており、冷静だが面倒見がいい

・愛称は「ことりさん」

・御歌からは「きりんさん」と呼ばれている


<四鼓律>

・22歳

・黒髪短め、お団子2つ、前髪あり

・ムードメーカー

・下品な一発ギャグを持っているが、やると琴凛がキレる

・愛称は「りっちゃん」

・御歌からは「りっちん」と呼ばれている


<二導澄笛>

・21歳

・金髪、ウェーブのかかった長いツインテール、前髪あり

・ふわっふわ、喋るのが遅い、ずっと微笑んでいる

・愛称は「すてき様」

・御歌からは「ダブリー」と呼ばれている


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