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心のなかにあったモノ

それはまるで宝石

優しい光を吸い込んで

綺麗で透き通っている


汚れのない

純粋なもの

はじめはみんなそう


静かな水底に

埋め込まれるように宿る宝石だった


簡単には傷つかないし

大切で、素敵なものだから

誰も故意に傷をつけようとしなかった


それがどうしてだろう

いつからか

傷だらけ

よく見ないとわからないけど

ちいさな無数の掻き傷だったり、汚れだったり、少し欠けてしまったり


急に無価値になったように思えた

要らないものになってしまった気がした

捨てたくなった


その瞬間

宝石だと思っていたものは

実は

ガラス細工だったと知ったんだ


よく見れば気泡もあるし

浮いたり、沈んだり

転がったり、ぶつかったり

繰り返していくうちに


一部がガラガラと崩れた

一部がガシャン、と砕けた

一部がパキッと割れた


不気味で嫌な音

それは、今までの神秘的な音と対称的で

嫌な音

魂が砕けたような

音がした


その瞬間

もう2度と元に戻らない

宝石だと思いこんでいたものを見て

悲しみが喪失感が絶望が

全身を駆け巡る


大切なモノを

守ってくれていた存在を

僕は失ってしまった


それを誰にも言えないまま

抱えて、苦しんで、考え込んで


壊れたガラス細工を見えないように隠しながら

今も生きている


なんて辛いのだろう

自分だけなんじゃないかな

意味のないことしてるよね

なんでこんなことしてるんだろう


人に言えたら

楽になれるのかな

受け入れてくれる人は

話を聞いてくれる人は

いるんだろうか


不安で揺らいでいる

そんな思いを抱えてる

気づけば日が傾いて

薄闇が襲ってきた


そんな僕はどうかしてる





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