詩 そうして猫は旅立った:R2
「うちのみーちゃんがいなくなった」
「ある日突然いなくなった」
「たくさんたくさん探したけれど」
「ぜんぜんどこにも見つからない」
その日 猫は旅立った
真っ白 ふわふわ 毛並みの猫が
どこに行ったか分からない
どこかに行けたか分からない
どこにもいない かもしれない
どこかにいて と願っていた
何とか 無事なら いいけれど
町の中を 探してた
面影見つけて 肩を落として
チラシに頼って 情報なくて
似た色 姿 反応して
「ああ、また違う」と落ち込んで
繰り返しいく 何日も
「そしてある日に、気づいたの」
そうして猫は旅立つのだと
心配させない ようにって
主人を思って 離れていった
弱った姿は 見せられないと
さよならの気配も 残さずに
そんな そぶりも 見せないで
一人で勝手に旅立った
「ずるいんだ」とつぶやいたけれど
文句の相手は どこにもいない