表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
没落王女、お好きにバトる!  作者: タイガー大賀


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

41/70

第40話 カール襲撃作戦、いよいよ本番です!

「私が乗り越える壁の近くに植え込みが()ります。(みな)さんは、ここに(かく)れて私が壁を乗り越えるのを待ってて下さい」


 簡単に(えが)かれた地図を()(しめ)しながら説明を始める。


「まぁ、この植え込みの大きさなら、全員が隠れるのは問題なさそうかな?」


 地図を見ながらマニエルさんが言う。

 他の(みんな)(うなず)いており、この部分はクリアだな。


「逃走する方向は各々(おのおの)が自由に決めてくれて構いません。ただ、同じ方向に逃げる人は、途中で別の方向に分かれて下さいね?」


 この意見にも異論は無いらしく、全員が(うなず)いている。


「ただし、追手は完全に振り切らないで下さい。追手は()()()()()()()します。で、最終的に目指(めざ)す逃走先は…」


 言って私は別の地図を広げ…


「ここです」


 ある一点(いってん)を指し示す。


「「「「ここは…?」」」」


 ミハエルさん、ミーナさん、ランディさん、レイチェルさんの声がハモる。

 王都の住人であるマニエルさん達は知っていたのか無言。


「王都内に()()()()()()()()です♪」


「「「「カルロスの別邸!?」」」」


 またもやハモる4人。


「どうしてカルロスの別邸が逃走先ですの?」


 当然の疑問を投げ掛けるレイチェルさん。


「ここに逃げ込めば、カール暗殺の(しゅ)(ぼう)(しゃ)がカルロスだと思わせられるって事か? そんな単純に信じるとは思えないけどな…」


 ランディさんの意見は当然だろう。

 しかし…


「単純に信じると思いますよ? 最初に流した〝カルロスが確実に王位を手に入れる為にカールを暗殺しようとしてる〟って(うわさ)。それからカールの散歩コースでの〝不審な植木鉢(プランター)落下事件〟に〝(やじり)に毒を塗った矢が打ち込まれる事件〟。そして今回の〝カールを暗殺しようとした者の逃げ込んだ場所がカルロスの別邸だった事件〟を合わせれば…」


 私の説明に(うなず)一同(いちどう)


「確かに… これだけカールが襲われた上に、直接手を下そうとした者がカルロスの別邸に逃げ込んだとなると…」


「どれだけカルロスが否定しようと、カールは自分を暗殺しようとしたのはカルロスだと信じて疑わないって事ですわね?」


 私は大きくうなずく。


「今回演出する暗殺未遂だけなら不自然ですけど、今まで()いてきた()(せき)がありますからね♪ これで(いや)()()したカルロスが王位継承権を(ほう)()してくれれば()いんですけど…」


 私は言いながら指先でテーブルをトントンと叩く。

 そんな私にランディさんはニカッと笑いながら…


「実行しない(うち)から()()く行かなかった時の事を考えるなんて、ジェニファー様らしくないぜ? ダメだったら別の作戦を考えたら()いじゃんか♪」


 ランディさん、楽観的だな。

 でもまぁ、彼の言う通りなのも事実。

 やらない(うち)からあれこれ考えても仕方無い。

 とにかく今は実行あるのみだ!


「確かに、ランディさんの言う通りですね。まずは実行あるのみ! 明日、カールを襲撃します! (みな)さん、頼みましたよ!」


「「「「「おぉ~!!!!」」」」」





 ───────────────





 翌日、いよいよカール襲撃を実行する。

 全員が私と同じ姿になり、王宮へと向かう。

 襲撃するのは昼過ぎだが、出発するのは夜も明けない早朝4時の予定。

 潜伏するトコを誰かに見られたら無意味だからな。


「それじゃあ(みな)さん、頼みましたよ!」


「「「「「おぉ~……」」」」」


 前日と違い、私の鼓舞(こぶ)意気(いき)(しょう)(ちん)した様子の男性陣。


「どうしたんですか? 昨夜(ゆうべ)は元気いっぱいに返事したのに…」


「いや… やっぱり、この衣装は…」


「試しに着た時は仲間しか()なかったから気にならなかったけど…」


「逃走中だけの事とは言え、この姿が他人の目に()れるかと思うと…」


 女装姿に落ち込んでるんかい…


「でも、顔は覆面で(かく)れてますし、体型だって胸の()め物で変わってますからねぇ… (ふと)(もも)と上腕は出てますけど、それだけで誰かは(わか)らないから大丈夫だと思いますよ?」


 私の言葉に(すべ)ての男性陣が大きな()め息を()く。

 何故だ…?

 ちなみに女性陣はと言うと、胸の大きさを調整するのに()()(はっ)()していた。

 当初の予定ではレイチェルさんより少し大きめにする(はず)だったのだが…

 レイチェルさんの胸がデカいんだよ、どちくしょう!

 ただでさえデカい胸に()め物をすると、不自然な程デカくなるんだよ!

 なので結局レイチェルさんはサラシで胸を(つぶ)し、その大きさに全員が合わせる事になったのだが…

 (つぶ)す具合が難しい。

 ミーナさんの大きさぐらいが平均的なのだが、それより少し大きい程度ではレイチェルさんが息苦しいと言う。

 かと言って、レイチェルさんより少し小さい程度では()め物が重く、ミーナさんが動き(にく)いと言う。

 2人に丁度良い大きさにするのに手間取っているのだ。

 必然的に、男性陣は──私もだが──2人の調整が終わるまで胸の大きさを決められないでいた。

 結局、全員が同じ姿になってマニエルさん宅を出発したのは、東の空が(しら)み始めた頃だった。





 ───────────────





 私達は大急ぎで潜伏(せんぷく)場所へと向かう。

 まだ通りを歩く人の姿は無いが、家の中では朝食の準備が始まっているのだろう。

 窓から明かりの漏れる家が散見される。

 そんな街中を誰にも見られない様に全力(しっ)(そう)し…

 なんとか夜が完全に明ける前に、全員が植え込みの中に身を(ひそ)ませたのだった。


「さ… さすがに疲れた…」


「ギリギリでしたね… もう少し遅かったら、人の目に()れるトコですよ…」


 ブー()れつつも、声を(ひそ)めて話す(めん)(めん)


「これでカールが昼食後の散歩に出てくるまで待つだけですね。私がカールを襲撃したら、打ち合わせ通りに。それぞれ逃走する方向とルートを地図で確認しておいて下さい。ぶっつけ本番ですが、(みな)さんなら大丈夫だと信じてますので」


 最終確認と鼓舞(こぶ)(おこな)う私を、全員がジト目で見る。


「ジェニファー様… なんで… 息(ひと)つ乱れて… ないんですか…?」


 ミーナさんが(あお)()けに倒れ、疲労(こん)(ぱい)で聞いてくる。


「そりゃ… ジェニファー様は… 幼少期から… 私のお父様でも… バテる様な… 鍛練をして… 平気なんですもの… この程度の距離を… 全力で走ったって… 平気なのは当然… ですわよ…」


 同じく(あお)()けに倒れたレイチェルさんが、息も()()えに説明する。

 サラシで胸を(つぶ)されて呼吸がし(づら)いからか、ミーナさんよりバテている様子だ。


「まぁ、本番まで6時間以上ありますから、それまでに息を調(ととの)えて体力を回復させておいて下さいね? 私は散歩コースに(ひそ)んで襲撃に(そな)えますから」


 言って私は(みんな)(もと)を離れる。

 背後では、私に対する文句…

 じゃないけど、人間じゃないだのバケモノだのと好き放題言う声が聞こえていた。

 テメー()、覚えてろよ?

 私はカール襲撃の予定地点に到着。

 気配を消し、()()()(そな)える。

 そして昼が過ぎ、カールが散歩の為に王宮から出てくる。

 私と、潜伏している全員に緊張が走る。

 ()()()が来たのだ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ