私の日常が非日常になって、新しい日常になるまで
この物語はフィクションです。
「お前なんでそんなこと考えてんの?」「ごめん、私にはわかんないや」「あいつのノート除いたけどさ、メッッチャk」「わかる〜、何考えてるかわかんないよn」「なんであなたはそんななの!?」「君のしたことはまわりのにんげんw」
目に太陽が差し込むまで、夢の中では同じ言葉や景色が繰り返されていた。途中途中言葉が途切れたりしていたけど、言ってる内容に変わりはなかった。
『罵倒する大人 相談に乗ってくれない大人 理解してくれると思ってた友達 陰口をいうクラスの陽きゃな人たち』
と、今日見た夢の内容を紙に書いてビリビリに破いてからゴミ箱に捨てる。そして窓を開けて今日も同じ言葉を言ってから部屋を出た。
「ありがとう、私。今日も生きていようとしてくれて」
『いただきます』 『ごちそうさま』 『行ってきます』 『おはよう』
そんな日常会話のテンプレートを口から出しながら今日もまた大学へと足を運ぶ。そして近くの駅に到着して、イヤホンをつけて考え事をする。
『私以外にもこんなことを考えてる人はいるのかな』
そんなことを考える毎日。
『飛び降りようとした日のことを思い出しながら他者との相違点』
そんなことを考える毎日。異常だとか言われたけど別にこれが楽しいからしてるだけだし、今更普通の人と会わせるなんてこともうしないし。私は障害者だし、変だし別にいっか。
・・・
大学の近くの駅に着いたらイヤホンを外して、遠回りをして大学まで向かう。そんな中でもまた考え事を始めた。
『なんで人は理解できないものを封じ込めようとするんだろう』
『なんで人間なんて生きてるんだろう』
『私のオリジナルは消えちゃったのかな』
『他人に平気で迷惑をかける人たちってなんなんだろう』
『辛い人がいても、泣いてる人がいても助けないこの世の中ってなんなんだろう』
毎日同じようなことを考えてるけどやっぱり苦しくない。むしろ楽しい。ずっと考えていたい。
「あははははは」
やっぱり笑う。これもおんなじ。面白くもないのに笑うのももう慣れた。と、そんなこんなで大学近くまで来ていたようだ。今日も頑張らないといけない時間がやってきた。
大学の講義は好きだった。でも始まる時と終わる時が頑張らないといけない時間。
・・・
睡眠時間は四時間。毎日帰るのは22時。勉強頑張って、部活も頑張った。でも誰とも話ができなかった。
高校時代は、ゴミだった。周りの人間が気持ち悪くて仕方なかった。でも親が、環境が逃してくれなかった。だから相談しても罵声ばかりだった。
ある時、ふと楽になれる方法をしようとして止められた。その結果、今の考えが一時的に消えた。代わりに、みんなの当たり前を押し付けられた。私が障害者だということも告げられた。
楽しいと感じるのも、辛くも感じなくなって卒業まで生活してた。でも今はもう苦しくない。幸せになったんだ。
・・・
そんなことを、講義が終わって声をかけてきた目の前の目障りな生き物に語っていた。
「どんなことを考えてたの?」
「え……死ぬこととか、むかついたこと。例えば扇風機の原理とかナイフとか」
ただただ嬉しかった。似たようなことを考えていた人がいた、この世に存在していたんだとわかった。
次の講義が始まるまでの間、私は存分に語った。彼も頷いたり、相槌を打ったりしてくれた。別れ際、朝しか言わない言葉を私は使っていた。
・・・
俗に言うナンパというものを受けたのがきっかけだけど、その男性と友達をしてみることにした。そしたら友達が、似たような考えを持った友達が増えた。
一人は自殺しようとした人、一人は人を見下すような人、一人は他人に迷惑をかけたくない人、他にも三人友達ができた。
・・・
彼と会ったあの日から私の非日常が始まったんだと思う。他の人と意見を交換する楽しさ、聞くことの楽しさ。共感できる、共通の話ができる。なんだったらお泊まり会も私の家で開いた。もちろん親のいない一人暮らしの家で。
そして今では、これが私の日常になった。毎日楽しい生活、話の合う友達……これが普通なんだなとよくわかった。
「みんなは、こんな楽しい生活をしていたんだ」とつくづく気づけてよかったと思う。
今日もまた、目に太陽の光が入ってきてから目を覚ます。気づけばあの悪夢のような日々な夢は見なくなっていた。窓を開けていつもの言葉を口にする。
「ありがとう、私。今日も生きようとしてくれて」
そして、大切な私に似た友達と一緒に家を出る。これがわたしの新しい日常になった。
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