技術は飛躍的に進歩すれど、人間の性質は100年では進歩しない。
「未知なる疫病により、既に2万人以上の死者が出ているにも関わらず、どれだけ興業や人の集まる商売の中止を呼びかけようと国民は応じてくれず、年末年始は厄払いの御札や御守りを求め、神社・寺院に人が集まる様相である。」
1920年 内務省衛生局編 流行性感冒 「スペイン風邪」大流行の記録 より抜粋
スペイン風邪は最終的に、上記報告から20倍近い、40万人の死者を出し、2年で集団免疫を獲得することで終息を遂げました。もちろん上記は極論です。当時はラジオさえ一般家庭には普及しておらず、国の役人が電車や寄席に出向き「密を避けろ!!」とメガホンで叫んでいた状態なのですから。
……では、ラジオどころかTV、SNSといった情報普及が一般化した現代に生きる我々は、〝未知なる疫病〟に100年前のスペイン風邪流行当時の人物から見た未来人らしく対応できているでしょうか?
わたくしの私見ですが、今後同じ轍を踏む未来しか見えません。
ネット上には「コロナはただの風邪!」といって憚らない人間がはいて捨てるほど存在しております。そこまで極論でなくても「インフルエンザだって飛沫感染するじゃないか!コロナを特別視するな!」という文化人もいます。
彼らには何と反駁すればいいのでしょうか?
・インフルエンザでICUが満床になった話など聞いたことが無い。
・味覚障害、血管性障害、精神障害を後遺症とする風邪なんて聞いたことが無い。
・15年前、重症急性呼吸器症候群(SARS)を隠匿し、最後まで「そんなものはない」と言い続けた中国が、共産党総出で対策に乗り出し、100万人単位のPCR検査を行い、陽性者は問答無用で収容施設にぶち込むほどのヤベー疫病だ。
上記のどれなら響きますでしょう?
どれも無理でしょうね。今まで様々な業種が槍玉にあげられました。ライブハウス→パチンコ屋→夜の街→飲食店………。
今度のワルモノはなんでしょう。最近の風潮を聞けば、コロナを受け入れていない医療機関を悪者にする論調が目立つよう感じるのはわたくしだけでしょうか。