わからないことが一番怖い
人間は未知の脅威を一番に恐れるものです。
今回の新型コロナウイルスにおける【未知】は筆者が思うに3つあると愚考します。
①明確な治療法が確立されていないこと。
②中国を中心に感染拡大したこと。
③世界保健機構(WHO)や厚生労働省の公式発表・対応に一貫性が無いこと。
です。①の明確な治療法については、新興感染症である以上しかたのないことですが、問題は②と③です。
まず②についてですが、ヘイトスピーチをしている訳ではありません。中国は2003年SARS発覚時に、実際は7000人近い感染者と100人近い死者を出していながら、その事実を隠蔽した【負の実績】があります。
現在中国政府が本当に正しい情報を流しているのか?感染者数は明確なのか?信じることができないのです。この不信感は各国共通のようですが、相手も国である以上、防疫における初動対応は遅れたと言っても良いでしょう。
③ はもっと深刻です。世界保健機構も、厚生労働省も、2020年1月29日現在感染経路で<人から人への感染>について【濃厚接触者】という言葉でごまかしています。しかし日本でも非渡航者の感染が確認されたように、最悪空気感染の恐れがある疾患です。
さらに防疫に関しても後手に回った事実は否めないことでしょう。渡航の禁止や、世界警告があって然るべきであり、悪戯に感染を広めました。これは今後厚生労働省・世界保健機構の発表や、主導すべき感染予防対策を周知させる上で、世界中の不信感を買うことになります。
執筆時現在、新型コロナウイルスの致死率は3%前後とされています。――「なんだ低いじゃん」と思うなかれです。1918~1919年に世界で猛威を振るい、全世界で5000万人、日本でも45万人が命を落としたスペイン風邪の致死率が3%です。
疫学における致死率の換算方法とは、【その病気に100人罹患し、97人生き残った】とすれば致死率は3%です。例えばスペイン風邪の場合、合併症・後遺症として脳症や髄膜炎などがありましたが、合併症・後遺症で亡くなった場合換算されないのです。
極論ですが、現在新型コロナウイルスが<致死率3%>とされているのは、【発覚している人の3%が死んだから】という曖昧なもので、今後上昇するかもしれませんし、後遺症や合併症も定かではありません。
願わくば世界保健機構も厚生労働省も、国民に信頼される行動を行ってほしいものです。