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笑顔の裏の本当の彼女は?

僕の彼女は自由気ままな猫のような人だ。


彼女は、自分の好きなように生き、自分が行きたい所に行く。


フラっとどこかへ行ってしまいそうだけれど僕は彼女を縛ったりはしない。

彼女は必ず僕のところに戻ってきてくれるから


彼女はコーヒーと熱いものは苦手だ。

熱いものには必ず冷めるまで息をかける付き合う前は食べるのが遅いなと思ったけれど彼女は猫舌のようだ。


そして彼女は泣かない。僕の前でも

つらい時や寂しい時静かに僕のそばに来て目をつむる


何を考えているのかは分からないが、僕は彼女と一緒にいると幸せな気持ちになり自然に笑顔になる。


彼女の誕生日に彼女の好きなモンブランと赤いチューリップをプレゼントした。

そして小さい頃から好きだったお母さん特製のスープパスタを僕が作った。

僕はこれらのことを毎年彼女にプレゼントしている。


なぜ毎年この3つなのか疑問に思うかもしれないが、

彼女が昔つぶやいた一言だった。

「私の誕生日にはサプライズは要らないの。だけど赤いチューリップ1本とお母さんが作ったような懐かしいスープパスタが1年に1度食べたい。」


僕は彼女になぜ赤いチューリップなのかを尋ねた

「私の本当のお母さんの誕生日が私の誕生日の次の日なの。そして赤いチューリップはお母さんの好きな花

私の誕生日に花をもらうことで一緒に誕生日を祝ってもらっている気持ちになるの」


彼女の母親は彼女が2歳になる前の冬に亡くなったそうだ。

彼女は母親が亡くなっていると知ったのは小学6年の春だったらしい。


僕は辛いことを話してくれた彼女のなく姿を静かに肩をなでてあげることしかできなかったのを覚えている。


彼女の誕生日の次の日僕は彼女と一緒に赤いチューリップを買って彼女の母親が眠る墓に行ってお参りをした。彼女は最初驚いていたけれど一緒に行こうと笑顔で言ってくれた。


家から墓まで電車で2時間くらいの山の上にあった。


彼女は墓の前に着くと荷物を下ろして僕を紹介してくれた。「私の大切な人を連れてきました」と。


墓参りが終わり僕は空を見上げた。

雲ひとつない綺麗な青い空だった


「私の大切な娘を笑顔にしてくれてありがとう」とどこからか聞こえた気がしたがそれは多分彼女の母親の声なのだろうと彼女には秘密で心の奥にしまった。


両親がいることが僕にとって当たり前のことだけれど彼女には母親はいるが母親ではない環境だ


そしてこの後家に着くまでに驚くことを話されるとはこの時思っていなかった。


彼女と手をつなぎながら2人の住むマンションまでまた行きと同じ道で帰っていた。

彼女が「あのさ・・・」と話して僕が小さく頷いた。

そして彼女が続きを目を見て話してくれた。

「私のお母さんもそうなんだけど私の家はね、特殊なのかもしれないんだけど聞いてくれる?」と問いかけてきた。僕はまた小さく頷いた。

「私のお母さんは私が小さい頃にありえない車の事故で死んでいて、私のおばあちゃんはお父さんが小さい頃に家を出てから音信不通なの。だから私は、結婚して母親になると私がいなくなりそうで怖いの。」涙を浮かべながら彼女は話してくれた。


そういえばおじいさんの話は聞いたことがあるが確かにおばあさんの話は聞いたことがなかった。

彼女の家族の過去にはたくさんの苦労があったことを知り僕は彼女のことをまだ何も分かってはいないと痛感させられてしまった。


彼女には3歳年上のお姉さんがいる。お姉さんは物心がついていたので母親の死を知っていたが僕の彼女は物心がなく覚えていないので彼女には今の母親が母親だとしてもおかしくはないのだが、お姉さんにはつらいのだろう。その母親とは昔から話さなかったらしい。


彼女が小学6年の春に引越しをした。元々学校は隣の校区だった。彼女は前の学校が良かったらしいがお姉さんが新しい学校がよかったので仕方なく転校したそうだ。


彼女が転校して毎日学校が嫌だった。

彼女が好きな音楽も家庭科も何一つ面白くないそして5年という長い時間が周りの人との空気の差があったのだ。だけど小学6年の冬に違うクラスの女の子が声をかけてくれて仲良くなったと彼女は言っていた。その子とは今でも仲が良く頻繁に会っている


中学1年になると彼女は運動部に入部その子とも同じだった。今でも仲のいい女の子学年で1番人気の高い子だったため彼女はイジメにあっていた。

最初はよかったけれどあることないことを噂されものが無くなったり夜中にピンポンダッシュされたり

言葉の暴力では、「ゴキブリ以下の人間は生きる価値はございません」と言われていたそうだ。そして彼女が入部している部活でもイジメがあったそうだ。

彼女は毎週土曜日にお稽古に行っていたのだが、

同じ学年の子達が気に入らないのか同じチームなのに仲間はずれにしたり、試合には好きな子どうしで出たそうだ。

彼女と仲のいい子が、2人で準備した後顧問が来る前に現れて何も無かったように部活をしていたと聞いた

そして引退試合にも出れなくてその後の打ち上げも彼女だけが誘われなかったらしい。

中学3年で東京から転校してきた子がいるが、その子は前の学校の部活のやり方を転校先でも教えて部活をやっていた。


表の顔は綺麗だが、彼女のいない所では彼女の悪口ばかりだったそうだ。


彼女が泣くのをやめたのはこの時かららしい


男にはわからない女の世界がこんなに残酷なものとは思わなかった。


彼女の進学先は知っている人はいない女子校に進学し3年間を過ごした。


僕と彼女が出会ったのはまだまだ先の話である。



このお話を読んでくださった皆様へ

この小説は私の大切な人が書いて欲しいと私に言ってきました。文章力のない私が書いていいのか迷いましたが、大切な人のために命の大切さや周りの支えがあることを思い出して欲しいと思い書きました。泣きたい時は泣いてもいいと思います。泣いて明日頑張れるなら泣いた方が元気になれるから。最後になりましたがこの小説を読んでくださった皆様に、ありがとうございます。

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