表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
聖女じゃなかったので、王宮でのんびりご飯を作ることにしました  作者: 神山 りお


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

558/704

558 破壊しまくるパーティ



 弟に言われ、至極かったるそうにフェリクス王が、倒れたゴーレムの胸辺りに乗り、軽くトンと踏むように足を落とせば、パキッと小気味イイ音が。そう、あの硬そうなゴーレムの部位が、驚くくらい簡単に真っ二つだった。

「あぁ〜っ!! フェル兄、魔石まで割ってんじゃねぇよ!!」

 しかも、ゴーレムどころか魔石ごと。

「うるせぇな。軟らけぇんだよ」

「バカ言ってんじゃないわよ! 魔石が軟らかい訳ないでしょう!?」

 莉奈の隣にいたアーシェスも、思わず声を張り上げていた。

 魔石は石は石でも、硬度は宝石並みだ。足で軽く蹴ったところでビクともしないのが普通である。



「いやぁぁ〜っ! イブガシアンはやめてーーっ!!」

 いちいち煩いとばかりにフェリクス王が、変異種であるイブガシアンに足を向けたところで、アーシェスが堪らず叫んでいた。

 ただでさえ、変異種は稀少。その稀少種が落とす魔石は、もっと稀少だ。

 その貴重な魔石を粉砕された日には、泣くとアーシェスが慌てて下に降りて行った。

「俺、夢でも見てんのかな? ゴーレムの群れが瞬殺で、魔石が粉々なんだけど」

「夢じゃねぇよ。何なら普通、ゴーレムを足なんかで破壊出来ないし」

「だよな。足が砕ける」

「「何、あの人」」

「「「え!?」」」

 フェリクス王が凄すぎて言葉が出なかった皆は、その近くで同じように足で割る人物に、今度は瞠目していた。

「実は、ゴーレムって足で簡単に破壊出来るのか?」

「いや、出来ないだろ」

「だって、あの子、バカバカ割ってるよ??」

「あれ? やっぱ夢?」

「「「何このパーティ??」」」

 オカシ過ぎると、皆は唖然とするばかりである。



 それもそうだ。

 エギエディルス皇子とローレン補佐官が所持していたハンマーで割っている横で、見た目だけは華奢な莉奈が、可愛い掛け声と共にその硬いゴーレムを足蹴にしていたのだから。

「よっと!」

 しかも……踵落としで。

「げっ、リナ。やるのはイイけど、少しは加減しろ!」

「いや、加減って……コレでも抑えてんだってば」

「どこが!?」

 硬いゴーレムをバキバキ割りながら、それでも抑えているという莉奈に、エギエディルス皇子は呆れていた。

 バカ力にも程があると。

 莉奈は何故、ゴーレムを蹴っているか。

 それは、手伝い半分、豪神ナックルダスターの効力に興味が沸いたのが半分。先程、軽く走っただけであぁならばと、蹴ったらどれ程の威力があるか好奇心がムクリと沸いた。

 だが、人にやる訳にいかず、魔物に対してはまだ少し怖い。フェリクス王になんて恐ろしくて考えたくもない。

 で、目の前に転がるゴーレムに目を付け、容赦なく破壊していた……という訳である。

 しかも、簡単に粉砕出来る事を知り、途中から楽しくなり始めた莉奈。その容赦ない蹴りに、ゴーレムの手や足だった部位は、もはや粉々だ。




「ダメだ。絶対、魔石が割れる!! フェル兄、コイツを止めてくれ」

 魔核とも呼ばれるゴーレムの魔石は、頭や胸にある事が多いが、いつ莉奈がその部分を破壊するか分からない。エギエディルス皇子はフェリクス王に止める様に言えばーー



「大人しくしてろ」

 猫の様に捕獲されたのは、言うまでもなかった。






 ◇◇◇






「ものスゴく良質の魔石が獲れたわね」

 イブガシアンの魔石を丁寧に獲ったアーシェスが、光にあてながら満足そうにしていた。

 莉奈が以前、フェリクス王から貰った魔石とは違って、虹色にキラキラと輝いている。無色透明でないのだから、何か付与されていそうだ。



 【魔核】

 超硬イブガシアンの魔石。



「"超硬"?」

 アーシェスが掲げる魔石をザックリ【鑑定】して視た莉奈は、その表記に首を傾げた。

「ゴーレムの変異種を総して、イブガシアンと言っているんだけど、色々あるのよ」

 鑑定をした様子の莉奈に、アーシェスが軽く説明してくれた。

 "魔核"というのは、魔物から採取した魔石の事で、"超硬"というのは、ものすっごく硬い事らしい。

 魔物には、魔封じや吸収など、魔石を自身で生成する個体もある。

 しかし、鉱物系の魔物ゴーレムは、特に魔石を持つ個体が多く、その魔石の種類も豊富だそうだ。



「このゴーレムはアダマンタイトに変異してますから、超特級のレアですね」

 ローレン補佐官はそう言って、その稀少なイブガシアンを魔法鞄マジックバッグにしまっていた。

 自分が倒した訳ではないが、良い素材にものスゴく満足そうだ。

 もちろん、帰城したらフェリクス王に返すだろうけど。

「"アダマンタイト"?」

「"オリハルコン""ヒヒイロカネ"に並ぶくらい超稀少鉱物って言えば分かるかしら?」

「……なるほど?」

「全然分かってないわね」

 疑問の声を上げていた莉奈に、アーシェスは簡単に説明したが、莉奈の反応の薄さに苦笑していた。



「ようは、食えねぇって事だ」

 何その説明。そんな事は言われなくとも分かる。

 ジト目で見る莉奈の右手に、フェリクス王は拾った魔石をポンとのせた。

 キラキラと光を反射していてスゴく綺麗だが、コレはフェリクス王に足蹴にされて割れた魔石の破片だろう。

 揶揄われた莉奈だったが、その魔石のあまりの美しさに怒る気が失せていた。

「くれるんですか?」

 と莉奈が瞳を輝かせて見れば、

「食うなよ?」

 とフェリクス王に笑われた。食う訳がない。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ