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聖女じゃなかったので、王宮でのんびりご飯を作ることにしました  作者: 神山 りお


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345 意外と根深いのかな?




「忘れてたって」

「普通忘れる!?」

「忘れてもしょうがないだろ、ホラッ」

「あぁ、素手で竜を倒せるからか!!」

「そりゃあ、魔法なんか必要ないよな」

 少し離れた所で仕事をしている人達のボソボソとした声が聞こえた。




竜殺し(ドラゴンキラー)

「ちょ、タールさん!!」

 その話し声を聞いたタール長官が、クスクスと笑っていた。




 もう、最悪だよ。王城中に広がっているし。





 莉奈は肩をガックリと落とした。

 竜喰らいもヒドイなと思っていたけど、竜殺し(ドラゴンキラー)もどうなのかな?

 コレでも、花も恥じらう乙女のつもりなのに……。

「ヒドイですね? 竜殺し(ドラゴンキラー)なんて。それに、魔法が使えるからといって、別に無理をして使わなくてもイイですよ?」

 落ち込んでいる莉奈の頭をシュゼル皇子は、ほのほのしながら慰める様に優しく撫でてくれた。

 あぁ、シュゼル皇子は優しいな……と癒されていた。

 こう、耳元で囁かれるまではーー。

「変なモノを作られても困りますし……ね?」





 うっわぁ。




 コレって絶対、シュゼル・スペシャルの事、根に持ってるよね?





 何かお詫びをしなければと考えながらも、莉奈は頭を切り替えて作る事にした。

 まずは、ローヤルゼリーを温めなければと、ローヤルゼリーの入った小瓶を、ドボンとお湯の入ったビーカーに入れた。

 そして、小さな魔導コンロのスイッチをオン。

 魔法で瓶を一気に温めてもらっても良かったのだろうけど、初めてだし湯煎の方が加減が分かるかな……と湯煎にしたのだ。

「豪快ですね」

「え?」

「まさか、瓶ごととは思いませんでした」

 莉奈の作業を見ていたタール長官が、少し驚いた後にクスリと笑っていた。

 てっきり何かに移して、湯煎すると思っていたのに瓶ごとドボンだ。莉奈らしくて思わず笑ってしまったのだ。




「……」

 莉奈はフツフツと沸き始めたビーカーに入ったお湯と、ゆっくりと溶け始めたローヤルゼリーの小瓶を見て苦笑する。

 そうか、何かに移してからやれば良かったのか。

 成功したら、大量に作らなければいけないなと考えていたので、少しだけなんて選択肢がなかったよ。



 莉奈は、妙な注目を浴びながら、まずビーカーに溶けたローヤルゼリーを薬さじで掬い入れた。

 薬さじとは、主に固体の薬品を掬うスプーン。理科の実験とかで、粉末の薬品を掬う時にも使ったりする。

 この薬さじは見た目だけで言うなら、コーヒーとかを混ぜる時のマドラーステッキか、家にあるスパイススプーンにちょっと似ている。



 莉奈は、薬さじでローヤルゼリーを入れると、そこにポーションをゆっくり混ぜながら注いだ。

 ローヤルゼリー1、ポーション100だっけ?

 んん?

 莉奈は料理を作る様に、何も考えずに作り始めて、不思議な事に気付いた。

 計らなくても、分量がなんとなく解る事に。

 料理は作った事があるものばかりだから、経験でさじ加減が分かる。だから、深く考えもしないでホイホイと入れたりして、作ってきた。

 だが、今は違う。

 レシピは知っているけど、ローヤルゼリーとポーションで、オールインワンジェルなんて作った事なんてない。

 だから、目分量でなんて絶対ムリのハズ。

 なのに、いつも作る料理みたいに、まるで作った事がある様な感覚として、肌で感じるのだ。

 コレくらいが丁度とか、これだと多いとか。意識してみると良く分かる。この不思議な感覚が【調合】という技能スキルらしい。



 莉奈はその感覚に集中し、手を休めずに作っていると、ビーカーがぽぉっと小さく光った。

 以前作ってしまったシュゼル・スペシャルの時のように。



 

 【オールインワンジェル】

 ミツバチやキラービーなどのミツバチ科、主に働き蜂の分泌液(ローヤルゼリー)とポーションを特別な配合で精製した物。



 〈用途〉

 化粧水、乳液、美容液のすべての役割を一つにしたジェル。

 使用すると、肌がしっとりモチモチに。

 シミやソバカスも、何回か使用する事でなくなる。



 〈その他〉

 食用ではない。

 シワには効かない。




 ーーうん。出来ちゃった。




 光ったのを確認して、ひょっとして? と【鑑定】をかけたら出来てしまっていた。

 【調合】って便利な技能スキルかも。





「出来ましたね」

 莉奈の作った "オールインワンジェル" を横から覗き込み、シュゼル皇子は感心している様だった。

 おそらく、鑑定して視ているに違いない。

「シュゼル殿下も【調合】の技能スキルを持っているんですか?」

「えぇ、持ってますよ」

 サラッと言ったシュゼル皇子。

 うん、さすがですな。

「なら、料理とかも作れるのでは?」

 なんとなく、そう思った莉奈が口にしてみたら

「さすがに調合だけでは無理ですよ。レシピも手順も、使う器具さえも分かりませんからね」

「あ、そうですね」

 言われてみればそうだ。

 料理をした事があるから、簡単な説明だけで分かるのだ。

 食材を鑑定して視てもレシピは表記されないし、出来たモノに鑑定しても使った食材や調味料しか分からない。

 鑑定した後にアレもコレも細かく検索すれば、配合とか作り方とかは少し分かるかもしれない。だけど、料理本みたいに写真で完成を視れない。

 そうなると、言葉ですべてを理解しなければならない。

 難しい料理なんて絶対、無理だ。




 だって、キャベツとレタスも区別出来ない人だって世の中にはいると聞く。そういう人は、例えレシピが分かったとしても材料を揃えるのも一苦労だろうし、いくらレシピ本〈技能スキル〉があったって役に立たないだろう。

 そもそも、料理の本を見ながら作っても、失敗する人もいるもん。【鑑定】や【検索】を駆使しても、成功例が視れないんじゃ、せっかく出来ても正解か失敗かも分からないよね。

 料理もセンスが必要だって、誰かが言っていた気がするし、世の中そう簡単に上手くはいかないもんなんだな、と莉奈は小さくため息を吐くのだった。














お待たせ致しました。

これからも、よろしくお願いします。

 ヾ(๑╹◡╹)ノ"

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