314 仲良し王族3兄弟
「あ゛?」
「エドが竜の番を迎えたお・祝・い」
エギエディルス皇子が、さらに怪訝な表情をしてきたので、莉奈は改めてニコリと笑って言った。
「お、お祝いなんて、する程の事じゃねぇだろうよ」
恥ずかしそうに顔をプイッと背けるエギエディルス皇子。
兄上達だってもっているのにと、頬を少しだけ膨らませて拗ねたその姿、マジ萌える。
「私や皆がお祝いしたかったんだから、イイんだよ」
と莉奈が言えば、エギエディルス皇子はラナ女官長達にも優しく微笑まれ、さらに恥ずかしそうに「勝手にしろよ」とそっぽを向いた。
あ〜っ! エド、可愛ユス。
「まずは、前菜代わりに海老とアボカドのサラダをどうぞ」
初めから小分けにしてある海老とアボカドサラダを、魔法鞄から取り出し、フェリクス王達の前に置く。
おかわり用に大皿に盛ったのも皆の中央に置いておいた。
「海老とアボカド?」
「エド、海老好きでしょ?」
海老と聞いて頬を綻ばせたエギエディルス皇子に、莉奈は萌えていた。
「好き!!」
そう言って莉奈に満面の笑みを浮かべたエギエディルス皇子に、莉奈は堪らずに口を押さえた。
自分に好きと言われた訳じゃないのは百も承知だけど、その眩しい笑顔に胸がドキドキする。
なんか、いらん扉がパカパカ開いちゃう。
「ん〜。海老はプリッとしていて、アボカドと大変合いますね」
シュゼル皇子も気に入ったのか、ご満悦な様子でパクリと食べていた。
「あまりマヨネーズは好きじゃねぇが、コレは旨いな」
フェリクス王は海老とアボカドサラダの上に、黒胡椒をガリガリ擦ってから食べていた。
「ポテトサラダも、黒胡椒たっぷりなら平気でしたよね? ただ、じゃがいもを細かく潰してあるのは、好きではなさそうでしたけど」
マヨネーズが常時あるので、簡単なポテトサラダや他のサラダも食事に出るようなった。
それで最近気付いたのだが、フェリクス王は基本的にマヨネーズが好きじゃない。
そして、じゃがいもがゴロッとしているポテトサラダは平気だが、跡形もない様なねっとりタイプは嫌いみたいだった。
「良く見てるな」
莉奈に好みを当てられ、フェリクス王は苦笑していた。
余程の事でなければ具体的に嫌いだとは、言った覚えはないのだが、良く見ているなと苦笑が漏れた。
「私も最近になって気付きましたけど、兄上、意外と好き嫌いが多いですよね?」
シュゼル皇子が小皿のアボカドサラダを完食し、大皿からおかわりを自分で取り分けながら言っていた。
莉奈が来る以前は、こうやって仲良く3人で食事を共にする事が少なかったため、互いの好き嫌いは気付かなかった様だ。
「ポーションしか口にしてこなかったお前だけには、言われたくねぇよ。大体アボカドだけをよそってんじゃねぇ」
ポーションしか口にしてこなかった偏食の弟、シュゼル皇子をチラリと見て文句を言うフェリクス王。
シュゼル皇子はおかわりと言いつつ、大皿に入っているアボカドと数個のトマトだけをよそっていた。
「そうだよ、シュゼ兄」
とエギエディルス皇子が同じくおかわりをよそえば
「そう言うお前は、海老だけだろうが」
とフェリクス王が呆れていた。
そうなのだ。シュゼル皇子がアボカドだけなら、エギエディルス皇子は海老だけ。
大皿には除け者にされたキュウリと少量のトマトだけが、悲しく転がっていた。
「兄上おかわりは?」
「ふざけるな。ほぼキュウリじゃねぇか」
いらねぇよ、と言ってフェリクス王は呆れながら、シュゼル皇子の差し出した手をパシリと払った。
「メインは、エギエディルス殿下待望のハンバーグでございます」
莉奈は仲良し兄弟にほっこりしながら、ハンバーグと別添えのトマトソースも同時に出した。
お好みでかける様に説明しておく。
「ハンバーグ!!」
エギエディルス皇子は目の前に置かれたハンバーグを見て、キラキラと瞳を輝かせた。
「以前、材料がなくて作れなかった?」
シュゼル皇子は甘味ではないから、実に冷静だ。
「はい。牛肉の代わりにブラッドバッファローが手に入ったので」
ブラッドバッファローが手に入ったって、どんな会話だよと内心苦笑いが漏れる。
「これがハンバーグ」
エギエディルス皇子はナイフとフォークを持ったまま、どう食べようか嬉しそうに悩んでいた。




