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聖女じゃなかったので、王宮でのんびりご飯を作ることにしました  作者: 神山 りお


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249 忘れてよ?



 【石の床に寝る】

 それ、すなわち。牢獄にブチ込むぞ? って事なのだろう。

 莉奈は牢獄に入れると言われた事よりも、朝からお酒ですか……陛下と、遠い目をしていた。

 そして、エギエディルス皇子を心配して来たハズなのに、すっかり忘れている莉奈だった。



「パン……イチ」

 シュゼル皇子は違う理由で、フルフルと肩を震わせていた。彼もまた、以前なら莉奈を咎めたかもしれない。

 だが、それを許してしまうくらいに、莉奈に心を許してしまっていた。面白くて可笑しくて、憎めない少女だったからだ。

 




 きゅるる~っ。




 そんな時、どこからか可愛らしい音がした。

 莉奈は、何だろうとキョロキョロする。だが皆が皆、その音が聞こえた瞬間、辺りを見回す事も一切なく莉奈を一斉に見ていた。以前、竜を間近に腹を鳴らした事があるからだろう。



「はぁぁ? 私じゃないし!! 超失礼なんですけど!?」

 当然の様に見てきた皆に、莉奈は猛抗議する。

 ナンでもカンでも私のせいにしないで欲しい!




 きゅるる~?




 再び聞こえた可愛い音のする方を見れば……あの薄紫の小竜であった。




 何コレ!! 超可愛過ぎるんですけど――――っ!?

 莉奈は、疑われた事も吹き飛ぶくらいに萌えていた。声まで可愛いとか、マジ最高!!



「ん? エディですか? おそらく金天宮に連れて行かれたと思いますよ?」

 竜の言葉が理解出来るのか、念話(テレパシー)かは知らないが、シュゼル皇子が小竜の質問に答えている様だった。

 フェリクス王が脇に抱えていたのだから、おそらくそのまま自室か執務室に連れて行ったに違いない。疲れきっている弟を、何処かに放って置いたりしないのは分かっている。

「きゅるぅ?」

「1番高い建物ですよ? ……真珠姫」

 そうは言われても初めて来た王城で、どこが何の建物かなんて分からない小竜は首を傾げている。なので、シュゼル皇子は自分の竜に教えてあげる様に、頼んであげた様だった。


「はぁ。仕方がありませんね。付いて来なさい」

 と、言っているかは分からないが、真珠姫が薄紫の小竜に話し掛けると、飛ぶために広場の中央に向かった。その後を、小竜はチョコチョコと付いて行く。

 そして、翼を広げた真珠姫をチラチラ見ながら、一緒に羽ばたくと金天宮に向かって飛んで行ったのであった。




 可っ愛い~!!




 莉奈は目が垂れに垂れていた。

 成体の竜は、ものスゴく優美で格好イイが、幼い竜は……あんなにも可愛いとは思わなかった。それに、幻想の竜が番になった事も感激過ぎるのに、子供の竜なんて素敵過ぎる。

 異世界、マジ最高!!




「あれが、エドの竜ですか?」

 フェリクス王と捜しに行き、シュゼル皇子達が見つけたと言ったのだから、そういう事だと莉奈は思ったのだ。

「ですね。小さくて可愛らしかったですね」

 シュゼル皇子はフフッと、竜達が消えた空を目を細めて見ていた。シュゼル皇子も、捜しに行くと言ってすぐ見つけて来るとは、想定していなかった。

 それも小さな小竜である。どうせ持つ事になるのならば、弟の身を護る番は、強い竜が良いに決まっている。色は3番目に強いと言われている紫だった。それは良しである……が、まだ幼き竜。

 あれではおそらく、竜に跨がり空を翔る事は出来ない。という事は、魔物との戦闘はまずないだろう。

 それは嬉しく思う反面、弟がショックを受けていないか……兄として何と言っていいのか、言葉に詰まるのだ。



「エド……番を持てて良かったですね?」

 莉奈は思わず、苦笑する。シュゼル皇子と同じ様な事を考えていたのだ。

 竜を持った事は嬉しいに違いない。だが、竜に乗れない。竜に乗れないという事は、兄達の役に立たないと考えて、たぶん落ち込むに違いない。

「そうですね」

 シュゼル皇子はそう言いながらも、少し寂しそうに笑っていた。自分から巣立ちして行くみたいで、寂しいのかもしれない。



 見えなくなった空を見上げ、少しばかり感傷に浸っていると―――。

「あぁ。リナ」

 シュゼル皇子は急に何かを思い出したのか、振り返ってニコリと微笑みこう言った。

「アナコンダではなくて、本当は何に何をかけると、美味しいんですか?」




 ―――――忘れてくれてなかった。










 ◇作者の呟き (^◇^)


 誤字脱字の報告、ありがとうございます。

 ヒヤヒヤしながら、受けております(笑)

 キタ━(゜∀゜)━!

 

 

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