表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
聖女じゃなかったので、王宮でのんびりご飯を作ることにしました  作者: 神山 りお


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

133/676

133 ゲオルグのアダ名



「リ……リナ」

 逃がさない様に腕を掴んだままゲオルグ師団長は、なんだかモジモジ。その巨体でモジモジするの、ヤメテもらってイイかな? ギャップ萌……キモい!!

「………………」

 莉奈は呼ばれていたが、顔を一切上げなかった。

 この至近距離でゲオルグ師団長の顔を見上げると、首が間違いなく直角になるので、目の前にある胃の辺りを見ていた。だって、見上げるの大変だし……疲れるし。

「……お前……ドコ見てるんだよ?」

 莉奈がゲオルグ師団長の顔……ではなく、真っ正面を見ているからだ。不自然過ぎてエギエディルス皇子が、怪訝気味に訊いてきた。

「軍人ゲオルグの胃」

「……なんでだよ」

 ツッコミを入れたエギエディルス皇子が、さらに不審がる。

 それもそうだ、人と会話しているのに、胃を見て話すなんてオカシイ。

「エド、考えてみて? この距離で見上げたら、私の首が間違いなくもげる」

 あくまでも上は見ないで言った。フェリクス王は王様だし、こんな至近距離で話す事がないから、まだ少し痛いだけで済むけど……。

「……あー……それな」

 エギエディルス皇子は、苦笑いした。

 王宮にいる大抵の人間が、エギエディルス皇子より背が高いのだから……気持ちはわかるのだろう。

「皆……背が同じになればいいのに……」

 ため息混じりに、莉奈は呟いた。

 そうすれば、上を見る事がないから楽だし首は安泰だ。全員同じ目線で、ものスゴく気持ちは悪いけど。

「は? お前と同じサイズのフェル兄、逆に怖ぇし」

 何を言ってるんだと、身震いしていたエギエディルス皇子。

 たぶん、想像していたに違いない。ミニチュアサイズの国王陛下を……。

「ナゼ……リナのサイズで物事を考えた?」

 フェリクス王は、心底イヤそうに言った。

 勝手に想像した挙げ句、そんな事を言われたからだ。大体、背が同じ=リナの背……ではないハズだ。

 自分と同じサイズ……それを想像して、フェリクス王はそれはそれで、イヤすぎると渋面顔をしていた。

「全員ゲオルグサイズも、オカシくね?」

 エギエディルス皇子も、似たような事を想像したのか、眉を寄せた。2m級の人間が、ゴロゴロ……もはや巨人の国である。

「そもそも、皆が同じサイズなのがオカシイのですよ?」

 シュゼル皇子が、根本がオカシイと小さく笑っていた。莉奈が言った事を、2人が本気で想像している姿が面白かったのだ。



「……と、言う事で……私はこれにて失礼致します」

 何事もなかった様に、莉奈は頭を下げ再び扉を目指す。散々な事を言っておいて、本人はシレッとしていた。

「どういう事なんだよ?」

 何が "と言う事" だったのか、さっぱりであった。

 エギエディルス皇子が、呆れた様に笑っていると、それに被る様に、野太い声が――。

「ちょっと待った~~!!」

 慌ててた様に、扉の前にデカイ男が行く手を阻んだ。その名は……ゲオルグ=ガーネット。

「……………………」

 莉奈は、もう呆れ過ぎて言葉が出なかった。何がしたいの、この人。



 もはや、巨体ではなく "カベ" だ。

 扉を塞ぐ姿は、莉奈からしたら人ではなかった。



 よし……ゲオルグのアダ名を "ヌリカベ" にしよう。



 莉奈はゲオルグ師団長のアダ名を、人知れず "ヌリカベ" にしたのであった。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ