表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
聖女じゃなかったので、王宮でのんびりご飯を作ることにしました  作者: 神山 りお


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

113/677

113 お酒……むずかしい



「……ん? そういえば、この扉なに?」

 食料庫の脇にある、もう1つの扉を見た。

 あまり気にした事がなかったが、この扉の中も食料が入っているのだろうか?

「そっちは、お酒よ」

 ラナ女官長が教えてくれた。

 酒倉ほどの量は入ってはなく、料理に使ったり、一部の酒好きの人に解放している、冷蔵庫の様だ。

「ふ~ん」

 酒を飲まない莉奈には、さほど興味はない。

 だが、中がどうなっているのかは興味はある……ので、扉を開けて見た。

 ……ふむ。12畳程の広さの冷蔵庫。

 ひんやりした中には、ワインセラーみたいに、酒瓶が斜めにずらりと並んでいた。棚に立ててある物もあるけど、基本的にはキレイに並んでいる。

 銘柄別なのか、産地別なのかはしらないけど、ざっと見た感じ高そうなお酒はない。

 ワイン多め……お酒の種類は少ないかな。

 まぁ、ここにあるのが、少ないだけで、何処か別に酒蔵とか、酒倉はあるのだろう。開放しているくらいだから……高いのは置かないか。


 しかし、このざっくりした置き方、以前テレビに出てた人がいたら激怒しそうだ。

 お酒の種類によっては温度管理が違うから、冷蔵庫に置くなとか、あそこはダメだとは言ってた人がいたのだ。

 別にそれが悪いとは思わないけど、価値観なんて人それぞれだし、押し付けるのは……って思うよね。

 ……だって、そんなの個人の自由だし、徹底管理したければ勝手にすればいいし、ガッツリ冷やしたければ、冷やして飲んだっていい。

 そもそも、お前の金で買った酒じゃないし、好きにさせろや! って思った。

 これだけの人数もいるのだし、まとめて冷やして好きに飲んだ方が楽しいし。お酒は楽しく飲む物だよね。




 しかし……ワインが多いな。特産品なのかな?

「ワイン……か」

 ワインのシャーベットでもいいな。

 桃があれば、ワインシロップ漬けにした後にジェラートにすれば、甘くて美味しい。

 う~ん。だけど、フェリクス王好みの、甘くないお酒のシャーベットでも作ろうかな……。


「……酒なんかどうすんだ?」

 エギエディルス皇子が、棚をクルリと見ながら言った。

 彼もまた、ここを覗く機会はないのか、興味津々の様だ。ワインを手に取ったりして見ている。

「フェリクス陛下に、お酒のシャーベットでも作ろうかなって」

 絶対、酒豪でしょ? あの人。

 いくら呑んでも、酔わないタイプに見える。むしろ、ベロベロに酔うイメージが沸かない。

 ……っていうか、そうであって欲しい。

 ヘベレケのフェリクス王なんか、見たくはない。

「……酒なんか、シャーベットになるのかよ?」

 お酒を飲まない、エギエディルス皇子には、想像もつかないのだろう。

「なるよ?」

 だって、凍らせて細かく砕いた物なら、シャーベットみたいな物だし。夏みたいに暑い時には、お酒のシャーベットは最高だと思う。氷みたいに荒く砕いて入れれば、お酒が薄くならないし冷たいしいい。

「……なら、フェル兄の酒倉から、なんか掻っ払って来ようか?」

「……エド、命知らずだね?」

 王個人の酒倉があるのにも、ビックリだけど。そこから、掻っ払って来ようとする、エギエディルス皇子にも驚きだよ。

 ……怒られないのかな?

「少しくらいなら……アレ? ヤバイかな?」

 と首を傾げた。

 よくよく考えてみたら、怒られるかも……と思い直した様だ。

「 "あの" 執事長(イベール)が、管理してますし……」

 ラナが苦笑いしつつ、口を濁した。

 王がどうこう言う前の、段階の話らしい。

「あ~……んじゃ、面倒くさいから、ダメだな」

 ただでさえ、イベールの管理している所から、持ってくるのが大変なのに、未成年の自分が持ち出すなら、説明をしなくてはならない。色々と面倒くさい。

「……アハハ……エドも大変だね」

 皇子だからといって、好き放題出来る訳ではなさそうだ。

 フェリクス王が治めている国だもんね。弟が可愛いからって好き勝手させる訳はないか。



「あ……ジンがある」

 莉奈が、見てすぐ分かるお酒はワインくらいだ。

 だって見慣れてるし、赤いし、すぐにわかった。

 後は、異世界のお酒だし、銘柄を見てすぐになんてわからない。なので【鑑定】をして見ていたら、"ジン"というお酒が目についた。

 ジンなら、1度父親のために、ジンライムシャーベットを作った事がある。



  【ドライ・ジン】


  大麦、ライ麦、じゃがいもを原料とした蒸留酒。

  ジュニパーベリーの上に流す事によって、香り付けされてあるのが特徴。 



 …………?



 ジュニパーベリー?



 思わず、眉根が寄った。

 鑑定したものの、さらにわからない言葉が出た。

 そう、こういう時こそ……そこに片目で2回パチパチ瞬きをして、さらに【検索】をかける……。



  【ジュニパーベリー】


  セイヨウネズという、低木の果実を乾燥させたスパイス。

  ヴァルタール皇国の南、ルビス地方に良く生えている木。



 …………あ~そう。

 さらに、わからなくなったともいう。



 セイヨウネズって、何だよ?



 さすがに、キリがないから、これ以上は検索はしないけど。

 要するに、スパイスで香り付けされた……という事かな。



 白ワインもスパイスで香り付けすれば……確かベルモットとか言ったっけ?

 検索はいいけど、1つわかると、1つわからない事が増える。

 キャパオーバーになるし、調べた所で役に立たない。

 頭が痛くなるだけだった。



 スパイスで香り付けされた蒸留酒。

 そういう事。よし!!





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ