(7)穢れ
まただ。
重い気持ちを引きずりながら、また「あの部屋」に行く。
汚い、汚い、汚い
--ねぇ、知ってる? 実はあの【底抜け姫】って、最初は【底抜け】じゃなかったんですって。
--じゃあ、なんで?
--呪われてたりして。
--じゃあ、近寄ったら呪われちゃうんじゃない?
--やだ!
また押し付けられた。
私だってやりたくない。
泣いているアレ。
案の定、オムツが汚れていた。
汚い、汚い、汚い、汚い、汚い、汚い
--底抜けの姫なんて王の威信に関わる。さっさと廃嫡するなりすればいいのに。
--王妃が認めないらしい。
--これだから女はダメなんだ。
なるべく考えないようにして機械的に処理を行う
私だって**家の人間なのに。
--魔法は神の恩恵であり、底抜けは神に見放された穢れた存在だ。
--底抜けになった? 王はそれほどまでに神の怒りを買ったのか?
--王が神殿を蔑ろにするから。
早く死ねばいいのに。
--底抜け姫のウ〇チ触ったの? じゃあお前にもきっと底抜けがうつるんじゃない。
--きたな~い。向こういってよ。
汚い、汚い、汚い、汚い、汚い、汚い、汚い、汚い、汚い
--底抜け……魔法を使えない者は他人の財を当てにして生きるあさましい連中だ。
--住まわせてやってるだけでもありがたいと思え。
--母親が****だと娘もあさましいな。お前も役立たずだ。
違う、私は魔法が使える、神様の恩恵がある、役立たずじゃない、****じゃない!
汚い、汚い、汚い、汚い、汚い、汚い、汚い、汚い、汚い、汚い、汚い、汚い
底抜けは汚い、あさましい、卑しい、穢れたもの、役立たず、呪われてる、死ねばいいのに、王の瑕疵になる。
みんなそう言ってる
底抜けは汚い、底抜けは汚い、汚い、汚い、汚い、汚い、汚い、汚い
--知ってる? あの子、愛人の子なんだけど母親がね、
--お前は**家の者ではない。なぜなら、
母親が底抜けだから
「汚いものはみんな消えちゃえ」
明日、次話投稿予定。
2018.11.1、3 誤記訂正