(170)スライム_4
「ステータスオープン」
目の前に光る板上のモノが浮かび上がる。
その中から手慣れた様子で必要な触媒を次々取り出していく。その動きによどみは無く、躊躇いもない。
必要な物を全て取り出すと続けていくつかの魔法を唱え、雪が積もった何の変哲もない場所が均され、見る見る整えられていく。
そうして予定通りに準備を終えると、今度は魔法の画面を開いた。
習得している、膨大な数の魔法の内、やはり迷いなく一つの魔法を選択し、ステータス画面で時間を確認しながら予定時刻を待つ。
やがて予定の時刻になると同時に、脳裏に魔法とは違う経路を通して指令が下り、準備していた魔法を軽くクリックする。
すると、口からは自然と呪文が紡がれ、細やかな動作で腕を動かし、指は複雑な印を結んでいく。
魔臓による補助を得て、自動詠唱されているのだ。
そして術者の詠唱に、周囲の者達が呪文を重ねていく。
主詠唱者の詠唱に、他の追従者が呪文を重ね、魔力が混じり合い、高まっていく。
儀式魔法の完成まで、まだ数時間は必要であった。
* * *
抜けるような青い空の下、広がる白い雪原と濃い緑の針葉樹の森を5騎の飛行騎獣を駆る騎士が飛ぶ。王国の偵察隊だ。
そろそろ事前情報のあった地点だが、未だ探知魔法に反応は無い。
“目標”は高度な隠蔽を行っているとも聞かされていた隊長は、複数の探知魔法と自分たちの眼で周囲を捜索する。
「隊長、何かおかしいです」
探知者の騎士が、不信を感じ、地上に降り立ち、探知魔法に集中し、落ち着いて情報を精査、検証していく。
「この方角、100mの地形を教えてください」
魔法に集中しながら指さすが、上空の騎士から森が広がっているだけだとの連絡が入る。
「私の探知でもそうです。ですが、積雪の仕方が周囲と異なります」
森に雪が降れば樹々の周囲に雪が積もるが、当然幹のある場所には雪が積もらない。また、雪と樹ではその温度が異なる。しかし探知者の示した周囲の地面付近の温度が周囲に比べて一様であるという。
「……方法はどうあれ、何らかの隠蔽がされていることは間違いなさそうだな」
騎士達は隊長の指示で地上に降り立ち、【防護】などの防護魔法や各種肉体強化魔法を掛けて目的の場所を目指す。
「そろそろです」
探知者が言う地点まで来た。
「うわっ」
騎士の一人驚きの声を上げる。無意識に近くの木に手を突いたが、その手が空を切ったのだ。
「幻覚魔法だ。解呪!」
その命令に、騎士が【解呪】を唱えると、目の前に広がっていた樹々が消え、森を切り開いた小さな広場が現れた。小屋もあることから、近くの村が管理する狩人小屋か何かなのだろう。
問題はその広場に10名ほどの人影があり、一心不乱に呪文の詠唱をしていることであった。
地面には場違いな平面の石の板が敷き詰められ、その上に呪術紋が描かれ、各種触媒がその場に並んでいる。
儀式魔法だ。
「王国の騎士である。何をしている、呪文を止めよ!」
隊長がそう怒鳴るが、術者たちは止める気配が無い。
「仕方がない、拘束しろ!」
こちらは5人に対して相手は10名だが、戦闘訓練をした騎士に対し、相手はなんの変哲もない村人のように見えた。
驚いたことに主詠唱者らしき人物は、年端も行かない子供であったが、溢れる魔力は力強く、儀式魔法をリードしている。
子供相手に少し躊躇ったが、任務であるため騎士が手を伸ばす。
バチィ!
鋭い電光により、その手が弾かれた。
10名の術者たちを覆う、結界の魔法が、電光を放った一瞬だけドーム状の姿を映し出す。
更に周囲の雪が集まって氷結狼が、土が盛り上がってゴーレムが、樹々が集まって樹妖精が現れた。
自動防衛用の使い魔たちは、驚く騎士達に襲い掛かっていった。
* * *
セザール・クロムウェルに出頭の命令が下り、騎士団長の元を訪れた。
「セザール・クロムウェル、入ります!」
室内は予想に反して、騎士団長であるクロムウェル卿一人であった。
「楽にしろ、セザール」
騎士団長が部下の王国騎士に対してするのではなく、父親が息子に対して呼びかけ、席に誘う。
「なんでしょうか」
背が高く肩幅も広いセザールに比べて、父親はどこか線の細さを感じさせ、一見すると優男のように見えた。
しかし父親の実力や本性を知るセザールは、父親とは言え、いや父親だからこそ緊張し、背を伸ばして尋ねた。
「今日のアリーシャ姫の実験。横やりが入る可能性がある」
「いったい誰が?」
「一介の騎士が知るべき内容ではない」
ピシャリ、とした上官の言葉に一旦は口を噤む。しかし、
「……一介の騎士ではなく、息子として、アリーシャ姫の、その、婚約者として知っておくべきことはありますか」
その言葉に、父親の口元がわずかにほころぶ。
「婚約者などと良くも言えたものだな。大体、その歳で幾つ浮名を流した。話しを聞くたびに、父さん、恥ずかしくってな」
優男は途端に砕けた口調で、如何にも途方に暮れたような表情を浮かべる。ご婦人方に言わせると、守ってあげたい、となるらしい。
王国の剣であり盾である騎士団長として、その評価はどうかと思うが、公務に際しての鋭さとのギャップがまた人気であったりもした。
「そ、それは、まあ、いろいろと」
「心境の変化があった、と?」
「……はい」
大きな身体で縮こまる息子に、父親の目線が柔らかい。
「……これを渡しておく」
魔法の品らしい護符であった。
「“敵”は神殿。狙いは【混沌】と思しきスライムか、【混沌姫】のどちらか、あるいはその両方だ」
護符を取るセザールの手が止まる。
「俺は、何をすればよいでしょうか」
護符を握りしめ、セザールは騎士として、騎士団長に問いかける。
「難しいことは考えなくていい。任務を果たせ。アリーシャ姫をお守りすることだけを考えろ」
騎士団長として騎士にアドバイスする。そして、
「大事な子なんだろ、守ってやれ」
愚直な息子の肩を父親が叩いた。
「それと、もう一つ。人格を封じられ、操り人形にされている【パペット】についても話しておこう」
* * *
「おはよう! 今日は快晴、実験日和!」
アリーシャは晴れやかな笑顔で、目の前のスライムに元気いっぱい挨拶した。
「おい」
思わずツッコむシグルドのブルギ。ほんの少し前まで、死にそうな顔で散々心配をかけた孫娘の現金さには、怒りを通り越して呆れるしかない。
騎士団長のクロムウェルは何やら忙しそうにしていて、今回の実験は全てアリーシャに任せ……られないので、豪族シグルドの族長ブルギにお目付け役を頼んでいた。
散々文句を言っていた豪族ゴライゴウから何人か監視の者が来ていたが、実験の内容にも余り熱心な様子はなく、ヘンリー族長がどこまでこの実験を気にしているのか判らない。
「被検体……じゃない、主任実験従事者のアスカさん、入場!」
「おい」
アリーシャのハイテンションに金髪ツインテーラーの美少女がツッコむ。
「リーシャ、がんばって!」
アリーシャのハイテンションをムティアがむしろ煽っていく。
「あー、うん、こういう感じだったよな、コイツって」
護衛対象をコイツ呼ばわりするセザール・クロムウェル。
「無駄話はいいですから、早く始めてくださらない?」
相変わらずのドレス姿でグィネビアがアリーシャに催促する。
彼女と、今はゴライゴウの街に居る黒騎士は魔王ケルシュタインによって存在を変化させられた者であり、元は普通(?)の人間であったことが判っている。
魔物の氾濫を起こしたのが魔王であるとの状況証拠はあったが、確かなことは判っておらず、特に黒騎士が自分たちの王であることを含めて、王国にとって彼ら二人は扱いずらい存在であった。
「うん、じゃあ、早速始めようか」
アリーシャ達は簡易櫓の上に上がってからメモを書き連ねたノートを開き、それを読み上げる。
「実験1 アスカ。スライムに入って『パソコン』を取ってきて」
異世界の言葉である極東列島言語の『パソコン』なるものが、何なのか判らない者達が首をかしげる中、アスカはその内容に驚く。
「そんなこと、可能なのか?」
「判んないからこその実験だよ。でも、この前も、アスカが持つ【ゲームアイテム】であるオムライスを出せたんだよ。この世界の魔法、つまりこの世界の物理法則から逸脱した物品をあのスライムは生み出すことができた。だから、いけそうな気がする」
「ちょ、おまっ」
好奇心に目をキラキラさせたアリーシャをアスカが慌てて止める。
この世界の法則からの“逸脱”など、もろ秩序神神殿の言う【混沌】であり、アリーシャの立場を悪くしかねない。
「お前、この世界での経験は俺よりずっと長い上、いろいろ苦労もしてんだろ。自重しろ、自重」
顔を突き合わせてボソボソと小声で説教するアスカに、
「はっ、そうでした。つい、楽しくって」
と、アリーシャ。するとすぐ近くに立っていたセザールが首に下げた護符を握りしめ、【命令の言葉】を唱えると、周囲を魔法が覆い、境界付近がゆらゆらと揺らめく。
「【範囲隠蔽】と【消音】です。これで普通の探知魔法ではアリーシャ、様は探知できず、ここでの会話が外に漏れることもありません」
「すごい、ありがと、セザール様」
男性を立てるべき淑女として、目上のセザールを様付けで呼ぶアリーシャ。
「様はいらない。その、昔みたいに呼んでくれれば……」
「じゃあ、わたしのことも様はいらないから。言いにくそうだし」
ニコニコしたアリーシャに、セザールは赤面しながらもアリーシャを見つめる。
「はい、斬ったぁ」
二人の間の何かを断ち切る様に手刀を縦に振るったムティアが、そのまま二人の間に入る。
「リーシャ、さ、早くやろ。ほら、未婚の淑女に無暗に男が近づくな、無礼でしょ。あ、アスカ、いってらっしゃーい」
ムティアがセザールとアスカを追い払い、寒いねぇ、等と言いながらアリーシャにぴったりと身体を寄せる。
憮然としたセザールと、百合ん百合んな二人を残してアスカは、やれやれ、と櫓から飛び降りる。
* * *
今回の実験に先立って、アスカの本拠地に居た老齢の人たちには全員移動してもらっている。
これはアスカに何かあった場合に、本拠地内の人にも影響があることが予想されたからであった。
2月に入り、雪や寒さが少し落ち着いたとはいえ、真冬には変わりなく、体調を崩す心配もあったが、スライムに挑む実験に付き合わせるわけにもいかず、ゴライゴウで避難生活を送る同じ村の人たちと合流してもらった。
「私が見て回りますから」
浮遊島で老人たちの世話をしていた神官のマリエおばさんに、アリーシャは祖父の様子を見ることを依頼し、寒さ除けや暖房のための触媒や食料、それに【魔力結晶】を預けた。
「足りなければ言ってください。なるべく都合を付けます」
「……ありがたく使わせていただきます。アリーシャ姫の善き行いに、きっと秩序神もお喜びでしょう」
それはどうかなぁ、と思うアリーシャであったが、口にしない程度の分別は持っていた。
そんなこんなで、
「これにて後顧の憂い無し。さあ、アスカ、ゴーゴー!」
櫓の上から声をかけるアリーシャに、軽く手を上げてからスライムに向き直るアスカ。
目の前でうねるスライムは、様々に色を変え、姿を変えている。
様々な色が見えるが、極彩色という訳ではなく、赤と青と緑と明るさと暗さが同時に目に入って来て、受け手の意識でどんな色にでも変わっているかのようであった。
それは、形にも表れていた。
近づくと逃げていくようでありながら、その実、既にスライムの中に居る。その位置すらも確定していないかのようであった。
そこに居るのと同時に、そこに居ない。1でありながら同時に0であるかのようであり、遍在とも違う、存在そのものが世界の中で確定していないかのような存在。
それでいながら、いかなる世界にもなりうる可能性を持った存在。
アスカは左手をポケットに入れ、その中のものを確かめる。
自分やアリーシャを狙う頭に何者かの意識を書き込まれた操り人形--パペット--の関係者であるジョン・スミスにスライムの対処法を訊ねた際に渡されたもの。
いま手の中にある指輪と同じものをスライムから取り出すこと。
アスカにそれを依頼したあの男は、試してみる、と言う言い方をしていた。
その直後であった。スライムから、オムライスを取り出して見せてくれ、とアリーシャが言ってきたのは。
「ジョンの奴にしろ、アリーシャにしろ、なにか考えがあり、それはたぶん同じような内容なのだろう」
別々の二人が、同じものに対して、同じようなことを試そうとしている。
自分には理解できないけど、複数の意見が一致しているのなら、それはきっと正しい方向に進んでいるのだろう。
ならば自分は、スライムに取りこまれないという自分の特性を生かしてアリーシャの実験をサポートし、ついでにジョンの依頼通りに【天蓋の指輪】を取り出して見せて、情報を引き出す。
その情報はきっとアリーシャの助けにもなる事だろう。
スライムの中を進み、適当なところで止まる。
正直スライムの中に居る実感が無い。
スライム自体、触れても感触が無く、また自分の周り、という意識のせいか、スライムの色が透明で、まるでスライムの中にできた小さな広場に立っているかのように思えた。
しかし、櫓との位置関係から、自分が既にスライムに飲まれていることは間違いない。
櫓の上で、アリーシャが大きく丸を作る。
アスカは集中するために両手の中に『パソコン』を思い浮かべる。
自分の部屋。引きこもっていた部屋にあった、外の世界との扉であったパソコン。
しかしパソコン自体というのはなかなかイメージしにくく、どうしてもよく見ていた掲示板や、プレイしたゲームばかりが脳裏に浮かんでしまう。
また、ある程度形にできても、それはまたすぐにスライムに取りこまれて胡散霧消してしまった。
「集中、集中、集中……」
何度かトライをするうち、手の中に確かな感触を感じた。
「いまだ!」
それをガッシと掴んで一目散に外……櫓を目指してスライムから飛び出した。
「アスカ、大丈夫?」
遠巻きにする騎士達をかき分けて、突然飛び出したアスカを心配したアリーシャが駆け寄ってくる。
「うまくイメージできなくって、形になる端からスライムに取りこまれちまうんで、できた、と思った瞬間急いで出てきたんだ」
慌てたせいか、まだ心臓がドキドキしているアスカは、テンションが高いままそうまくしたてた。
「そうだったんだ。ご苦労様。で、どうだった?」
ノート片手に、アスカが持ち出したものに目を向け……動きが止まる。
実はアリーシャが来る前から、騎士達の視線は、ティーンの美少女が握る手の中のものに集中していた。
「ん?」
アスカは手の中の『パソコン』であるはずの、大きい割にとても軽いパッケージを持ち上げた。
『SHOCK腫』
『迫る触手の淫靡なショック』
妙に胸を強調した服の女性の背中から延びる触手と、男性のナニを模した長い触手に捕らわれた沢山の女性の裸体が、チープなセル画調の絵で描かれ、タイトルと煽情的な煽り文句が躍っていた。
「のわぁ!」
思わず放り投げた大きいけど中身スカスカで軽いプラスチックケースをアリーシャがキャッチする。
感情を押し殺した研究者の如き無表情で、封印シールを剥がして箱を開く。未開封品だったようだ。
中には知識でしか知らない5インチのフロッピーディスクの他、ペラペラの取扱説明書とカラーのポスター。
「お願いです、それは開かないでください」
ポスターに手を掛けたアリーシャに、アスカは土下座せんばかりの勢いで頼み込んだ。
一時期自室に貼っていたお気に入りで、デザインは細部まで思い出せる。
仕方なくアリーシャはソフトをアスカに返す。
「中身を確認して。アスカが知っている物と同じかどうか」
それはこの衆人環視の中で、自分が散々お世話になった18禁ゲームを検分しろ、と?
「……サーセン、それだけは勘弁してください。せめて別の場所でお願いします」
別の場所で一人で確認しても、どんなものだか知られてしまった以上、あまり変わりはないのだったが……。
結果、そのソフトウェアは元の世界にあったものと違いが判らないほど、正しく再現されていた。
スライムから希少な魔法の品を持ち帰った者の話は広く伝わっていた。
それはつまり、人が無意識に望むものをスライムの中から持ち帰ることができるという事だ。
無意識(?)のうちにチープで淫靡な絵の描かれた物を持ち帰った金髪美少女を見る若い騎士達の視線は、どうにも落ち着かなかった。
* * *
騎士らは、襲い掛かる使い魔を撃退した。
近くで別の場所を捜索していた部隊ももうすぐ応援に訪れる。
「もはや逃げられんぞ。大人しく結界を解け!」
はぁはぁ、と荒く息を突きながら、偵察隊の隊長は、結界の中で今も詠唱を続ける10名に、降服を勧告した。
しかし応えは無く、詠唱を続けている。
儀式魔法の完成まで、まだ時間はかかるし、そのその完成まで結界で守り抜くことは不可能であろう。
詠唱に集中しながら主詠唱者の子供は状況を正しく認識、検討していた。
「離脱する」
誰に言うとはなく呟き、ステータス画面を操作し始める。
騎士達にはその操作内容は判らない。
子供はステータス画面からログオフし、表示された自分の真名を別のモノに打ち変え、再度開封の言葉を入力、先ほどまでとは別のステータス画面を開いた。
しかし魔臓を介した魔法の自動詠唱はそのまま続いている。
「遮断完了、再設定」
詠唱中の儀式魔法の対象が、いつの間にか未設定になっていたので、それを自分たちの足元に再設定する。
結界の外では、魔法の解除が進められ、もうすぐ騎士達に捉えられてしまうだろう。主詠唱者の子供以下、全員の戦闘能力は低い。騎士に抗することはできないだろう。
「だが、遅い」
子供らしからぬ酷薄な笑みを浮かべ、儀式魔法を唱え切ると、結界内に球形の魔法陣が浮かび上がる。
目標を自分たちのすぐ足元。そこを中心に儀式魔法は即座に効果を発揮し、球形内にいた全てが掻き消えた。
術者も、地面も、何もかも。
後には、半球状にえぐられた地面だけが残った。
* * *
--離脱する
その報告の後、発言者の反応が途絶えた。
--こちらの動きが察知されておったようだ
--【赤】の鍛えなおしが必要だな
--まあ、かく言う我らの隠蔽も見破られておるのだから、大きな口は叩けんな
--然り。理論だけでなく、実践が大事という好例じゃ
--まあ、良い。まだ一つ目。術式に影響はない
--安全係数1.5は基本じゃからのう
--1.2で十分だったのではないか? おかげで予算がカツカツじゃ。【黒】には随分ムリをさせた
--団長に20年物を送っておこう
--こちら56班、王国騎士に発見された
--おう、早い早い
--やりおる、やりおる
--しかし……届かぬな
--然り
--然り
--然り




