村長の家訪問
なんかパパッと書けちゃったので短いですが追加投稿です。
「すいませーん、村長さんいますかー?」
「はい、どちら様でしょうか?」
間も無くして使用人らしき人が出て来た。
「あ、俺はセラウリ商会でお世話になってるソータと言います。で、用があるのはこっちの方で--」
「王都から来たレナリスと言う。急な訪問で申し訳ないが、村長とカレン様にお取次ぎ頂けないだろうか」
「き、騎士様!? 何故騎士様がこんなところに!? しょ、少々お待ちください!!」
「いや、そこまで急がなくても……」
ドタドタと村長達を呼びに行く使用人。かわいそうに、めちゃくちゃ慌ててたぞ。
「そんな恰好してくるからだよ。普段着とかなかったのか?」
「それで騎士だと言っても信じて貰えないでしょう……特に私は女ですし」
「ああ、そういうのもあるのね」
やっぱり女騎士って珍しいんだろうか? 確かに騎士って聞くと男であるイメージが強いけど。
「まあ私の場合は近衛ですから、王女の護衛は女性が好ましいという点もあってそれほど苦労はしていませんが……」
「普通の騎士団に配属された女騎士はそうでもないってか?」
「そういう話もよく耳にします」
男女差別と言ってはなんだが、どうやらこの世界でも男と女の関係性はあまり変わらないらしい。
もっとも、俺の場合は周囲にいる女性が逞しすぎる気もするが。
「お待たせしました。儂がコルの村の村長のオイリーです」
「突然の訪問で申し訳ない。私は王都で近衛騎士を勤めているレナリスだ」
「ほう、そのレナリス殿が儂になんの用ですかの?」
「早速その話をさせて頂きたいところだが……セラウリ商会のお嬢様がこちらにいらしていると聞いたのだが」
「カレン様なら間も無く来られるはずですのう。して、そちらの方は?」
「俺はセラウリ商会でお世話になっているソータと言います。こちらの方がお嬢様に用だと聞いたので案内してきました」
「なるほどのう。ところで何故--」
「待たせたわね!!」
奥の方からドドドドッとダッシュで駆け付けてくるお嬢様。仮にもお客様の前なんだからもう少し大人しくは出来ないのか。
「私に用があるというのは貴方?」
「はい、レナリスと言います。本日はお忙しい中、突然訪問してしまい申し訳ありません」
このセリフ何回目だろうか。というかなんで皆バラバラに来るんだよ。
「ご丁寧にどうも。で、とりあえず話を伺いたいところだけど、その前に!!」
ビシッと効果音が鳴りそうな勢いで俺の方を指差すカレン。
あ、大事な話だから俺は席を外せって事か?
「なんでレナリス様がアンタの腕を握りしめてるのよ!!」
「ん?」
「あっ」
そういえば逃げようとしたら捕まったんだった。だから離せって言ったのに。
というかまだ掴んでやがる。別にもう逃げないっての。ちゃんと理由つけて退散するんだからな!
「あっ、じゃなくて離さんかい」
「だってまた逃げるじゃないですか」
「逃げるも何も村長に家に着いた時点で俺は用済みだろうが」
「そういう意味じゃなくて--あっ!」
このままでは話が進まないので、レナの腕を振りほどく。
レナは名残惜しそうに--というかもう一度掴もうとしてきやがった。やっぱりこいつは馬鹿なんだろうか?
「失礼しました。じゃあ俺はこれで」
「待ちなさい」
「なんでしょうかお嬢様。俺はこれから店で仕事が……」
「そんなもの他にやらせとけばいいわよ。それよりちょっとアンタもついてきなさい」
「ええ……?」
まさかのカレンブロックである。
おいレナ、なんでお前はちょっと嬉しそうなんだよ。
「村長、ちょっと部屋を借りるわよ」
「どうぞどうぞ、後で茶でも持って行かせましょうかの」
「なんかすいません……」
っていうかなんでカレンはこんなに偉そうなんだ? 仮にもこの人は村長で、しかもここはその村長の家だろう?
「ほら、とっとと行くわよ」
今度はカレンに腕を掴まれて引っ張られていく。
「お、おい。ちょっと待てって」
「あっ、待ってください! 私も!!」
いや私も、じゃねえよ!! なんでお前も俺の腕掴んで来るんだよ!?
両腕を掴まれて連行って、これじゃまるっきり囚人扱いじゃないか。
「ほっほっほ、若いとはいいもんですのう」
「ほっほっほ、じゃなくて助けて村長さん!!」
「まあまあ」
くっ、この場に俺の味方はいない。っていうかなんなんだこの状況は!!
「たっぷり話を聞かせて貰おうじゃない」
「良いですね!! ちょうど私もそうしたいと思っていたところです!!」
いや良くないから、そんなに話すような事なんてないから。
だから離してお願い。俺を店に帰してくれ!!
また夜に次話更新予定です。




