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裏切り②

戦闘シーンが未だに上手くないおっさん

一人称だからか(言い訳

「ちょっと貴方……モンタだっけ?」

「最初にも名乗ったと思うけど、俺は蒼汰だ」

「そう、ソータ。お願いがあるの」


 はて? とお嬢様の方を見てみるが、既に死を覚悟したのか。悲痛な表情をしていた。


「そこにある剣で私を殺して欲しい。私がアイツ等に犯される前に」

「え? 嫌です」

「なっ!? た、確かに貴方を巻き込んでしまったのは申し訳ないとは思ってるけど……ま、まさか貴方もランドとグルで私を!?」

「いや違うから。第一俺そんな趣味ないし」


 何故わざわざ人がオークに犯される場面を見なければならないのか。というかさっき思いがけず見せられてお腹いっぱいだよちくしょう!!


「だ、だったら最後のお願いくらい聞いてくれても……」

「うーん、ああそうだ。お嬢様」

「な、なに?」


 オークがこちらの存在を認めたのか、ジリジリとにじり寄って来る。一気に襲い掛かって来ないのは、最後の獲物を楽しもうという意図だろうか。


「俺がこの場から生きて脱出させてやると言ったら、アンタはどんな対価を示す?」

「こんな時に冗談なんて笑えない--」

「答えないならこの話は無しだ。それに冗談でも少しでも得のある方に賭けるのが商人なんじゃないのか?」


 結局答えなければ確実に死ぬし、答えても最悪死ぬだけだ。なら答えておいた方が得ってもんだろう。

 まあどっちにしても俺だけ逃げるなんてのは後味が悪いし、お嬢様がどれほどのものか試してみただけなんだが。


「私のから--」

「いやなんで皆まずそこから来るのかなぁ!? もっと自分を大事にしようと思わないのか!?」


 もうこのやり取り何度目だよ!!


「失礼ね!! 私の身体じゃ不満だって言うの!?」

「じゃなくて!! それじゃアンタが生きているからこその価値になんてならないだろ!?」

「分かってるわよ!! 冗談よ!!」

「さっきアンタ俺に冗談言うなって言ったよねえ!?」


 まったくなんてお嬢様だ。扱いづらいったらありゃしない。


「--この先必要な商品があれば貴方に融通する権利と情報の提供、それから私を名前で呼ぶ権利ね」

「後者は全く意味が分からないが、前者は確かにそれなりに価値がありそうだけど、情報っていうのは?」

「見た感じ、貴方は王都から来たみたいだけど、あまり王都から出た事がないでしょう? でなければこんな人気のないところを通るはずがないもの。それこそランドが私を殺そうとして選んだ場所なのだから、尚更ね」


 ほう、と素直に感心する。やはり最初のやり取りの時もそうだったが、どうやらこのお嬢様はなかなかの傑物らしい。


「なら交渉成立だ。お嬢様」

「カレンよ」

「は?」

「だから! 私の名前はカレンよ!! さっき言ったでしょう。私を名前で呼ぶ権利を提供するって。だからこれは前払いよ!!」


 なるほど、前払いか。まるで俺が銀貨を支払った時のようじゃないか。


 --気に入った。


「分かった。じゃあカレン、そこを動くなよ」

「ええ、期待してないで見ているわ」


 さて、もうオークとの距離もそれほどないな。っていうかまた数が増えてるんじゃないか?

 ざっと見た感じ、オークの数は百匹ちょい、ハイオークが十匹くらい、オークキングは流石に一匹か。

 ならまずは雑魚掃除からだな。


 とは言え、この場を離れてしまった場合カレンが襲われてしまう事になるだろう。それじゃあ意味がない。

 だから今回は魔法で対処するのがベターだと考える。


 俺は身体に魔力を巡らせ、火魔法を作り上げる。この魔法は一発一発にはそこまで威力はないが、まあオーク程度なら問題ないだろう。多分。


 --ボボボボボッ


 身体の周囲に火の球を浮かび上がらせる。一個、二個、四個、八個……うん、とりあえず二百個くらいあれば足りそうだ。


「ちょ、ちょっと何なのそれ? 貴方戦闘スキルはないんじゃなかったの!?」

「ないよ?」


 カレンから盛大なツッコミが来るが、ちょっと今はそれどころじゃないので軽く答えるに止める。

 オーク共を見れば、俺の方を見て慌てたように棍棒を振り上げながら向かって来ようとする。が、もう遅い。


「まずは豚の丸焼き百人前!!」


 自分でもよく分からない掛け声と共に、火球を周囲へと放つ。

 火球に当たってオーク共がのたうち回り、地響きが起きる。


「「「フゴオォォオオオ!!」」」

「「「「ウガアアァァァアア!!」」」」


 ついでに悲鳴も五月蠅い。とは思ったものの、この事態を引き起こしたのは自分なのでいちいち口には出さない。


「じゃあ次は冷やしてやるよ」


 先ほどと同じ様に自分の周囲に魔法を展開する。

 ちなみに今度は氷柱を数百本だ。これで十分冷えるだろう。


「いってらっしゃい!!」


 氷柱に命じ、オークへと向かわせる。今度は肉を割いて氷柱が突き刺さる音が響き、とても気分が悪くなる。

 正直魔法の選択を間違えた気がしないでもない。

 でもしょうがないよね。派手に魔法使うのも久しぶりだしね!!


 そして数秒が経ち、周囲を見回してみると、オークは全滅していた。立っているのはオークキングと……あ、あれ?

 マジか……

 ハイオークもさっきので倒してしまったらしい。オークキング以外全て死に絶えているようだった。


 オークキングは多少の火傷や擦傷はあるものの、未だに五体満足に動けるようだ。

 どうやら普通のオークやハイオークとは格が違うらしい。まあキングって言うくらいだしね。


「来い、ガロン」


 流石にオークキングはでかすぎるし、緋徹で一刀両断とはいかなそうなので、ガロンを使う事にする。


「ブモオォォォオオ!!」


 仲間をやられた怒りか、オークキングがこちらに向かって叫びながら突っ込んでくる。近くで見ると物凄く大きい。何メートルくらいあるんだろうか。


「行くぞ、ガロン」


 ガロンを手にオークキングへと向かう。ただこのまま向かっても足しか攻撃出来ないので、空間魔法で足場を作り、タンッと小気味良い音を立てながらオークキングの眼前に向かう。

 途中オークキングが棍棒を振り回して俺を打ち落とそうとしてくるが、別にそれほど動きが早いわけではない。

 ただその巨大さは脅威だ。いくら動きが遅くても攻撃の範囲が広い。

 俺は棍棒に当たらないように縦に、横に回避行動を取りながらオークキングに向かっていく。これくらいの動きなら身体強化がなくても問題ない。


 --それにしてもでかすぎるだろこれは


 近付けば近付くほどその巨体の実態が見えてくる。これはいくらガロンで突いても急所まで届かないんじゃないだろうか。

 そう思った俺は足場に仕掛けを施していく。


「まずは一発目」


 オークキングの眼前まで迫った俺は、奴の右目をガロンで刺し貫く。


「フゴオオォオオオ!!」

「ああもううるさいな!!」


 この巨体だ。当然その悲鳴も比例して大きくなる。しかもこの距離だと鼓膜がどうにかなりそうなくらい五月蠅い。


「うーん、やっぱりガロンでも届かないか。伸ばすって方法もあるけど……」


 ちなみにガロンに魔力を注ぎ込むと伸びたり太くなったりする。なので中距離戦にはもってこいなのだが、今回はちょっと違う方法で片付ける事にした。


 片目を潰されたオークキングは怒りで目を真っ赤に光らせ、俺を凝視してくる。


「鬼さんこーちら」


 仕掛けはもう完了している。後はオークキングが怒って追いかけて来てくれれば良い。

 俺が馬鹿にした事を察したのか、案の定オークキングは誘いに乗って俺の方へ向かって来る。

 それを尻目に俺はカレンの元に戻った。


「お待たせ」

「え? 今飛んで。え?」


 どうやらカレンは混乱しているようだ。レナにしてもそうだったが、こういう戦い方をする人間がいないんだろうなきっと。便利なのに。


「いや飛んでないから、空中で足場作って跳躍繰り返してるだけだから」

「そ、そんなことより!! まだオークキングが!!」

「あ、それは大丈夫」


 振り返って見れば、オークキングがもう目の前まで迫り、棍棒を振り上げるところだった。


「もう終わってるから」


 ドスンッ!! と音を立て、棍棒が俺達の近くに落ちる。

 続いて棍棒を持っていた腕が地面に落ちた。


「ゴ?」


 間抜けな声を出し、オークキングは地に落ちた自分の腕を見て、それから先ほどまで付いていたはずの肩を見る。

 当然肩から先は地面に落ちているのだから、腕があろうはずもない。


 --ドスン! ドスン!


 と、立て続けにオークキングの身体から肉片が地面に落ちては音を立てていく。

 そして最後に首から上が地面に落ち、目から光が消えた。


「な?」

「」


 どうやらカレンは何が起きたのか理解出来ずに固まってしまっているらしい。

 ただ足場に使った空間魔法に糸を張っていっただけなんだけどな。オークキングが単純で良かった。これ気付かれて回避されたらもっと周囲に被害が出てたかもしれないし。


「さてと、それじゃ今のうちにもうちょい安全なところに移動するか。また次が来ないとも限らないし」

「まっ、ちょっ、待って!!」


 あ、動いた。でもやっぱりまだ錯乱しているのか噛み噛みだ。


「素材!! オークキングの素材は確保しないと!!」

「ええ……?」


 慌ててオークキングの巨体を解体しようとするカレン。商魂逞しいとはこの事か。


「かたっ!! 皮膚が硬すぎてナイフが通らないじゃない!!」

「じゃあ諦めろよ……」

「嫌よ!! こんな貴重な素材を捨てていけるわけがないじゃない!!」


 どうやらテコでも動かないみたいだ。さっきまで顔を真っ青にして震えてた人物と同一人物とは思えない。


「はぁ……じゃあこれ使えよ」


 収納空間から一振りの脇差を取り出す。あまり使う事はないが、これも緋徹と同様に綺麗な緋色をした"緋の剣(ヒノツルギ)"だ。ちなみに緋徹とセットで貰った。


「なにこれ!! 凄い切れ味じゃない!! 売って!!」

「嫌です」

「なんでよ!! いいじゃないちょっとくらい!!」


 文句を垂れながら解体を続けるカレン。商人って怖い。


 それからしばらくして、オークキングを解体し終えたカレンがほくほく顔で戻って来た。

 まあ元気になったなら良いか。と半ば呆れながら、改めて移動を提案するのだった。

余談ですが、1月1日のポイント増加数42ポイントくらい増えてました。ありがたくて目からプリングルスが出そうです。

でも今ハイファンタジーの日刊ランキング100位でも60ポイント以上とかあるんすね…

えげつないわぁ

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