提案
なんか書いてる内に長くなる……とりあえずこれも分けることにしました。
「おお、来たか。待っておったぞ」
「とりあえず一発殴っていい?」
「なんでじゃ!?」
「ソータくん、流石にここでは我慢してください」
もー、マジでこのおっさん殴らせろ!! なんでこんな大事な事早く言わないんだ全く。
「なんで昨日教えてくれなかったんだ?」
「え? その方が面白いじゃろ?」
「やっぱり殴る。発勁で殴る」
「はっけい? とはなんじゃ?」
「昨日クラウスに決めた奴」
「それ絶対儂死ぬじゃろ!?」
「大丈夫即死じゃなければ治せるだから殴らせろ」
「感情篭ってない分余計怖いんじゃが!?」
「ソータくん、話が進まないからその話は後で」
「マルシアも止めてくれんのか!?」
流石マルシアだ。話が分かる。
「お父様は一度くらい反省した方が良いと思います」
「ぬうぅ……」
「やーい娘に叱られてやんのー」
「ソータくんもそろそろ静かにしてください。話が進みません」
あ、怒られた。
「それで話ってなんだ?」
「う、うむ。急に戻すのじゃな……」
ゲイルはコホン、と咳払いをして、言葉を続ける。
「なに、先ほども言ったが、戦闘、魔法のスキルを持っていないのはあの場でお主だけじゃった。が、儂やマルシアは昨日のクラウスとの件を知っておる。じゃからお主に聞いておきたい事があるんじゃ」
「聞きたい事?」
なんだろう? 改まって聞かれるような事なんてあったかな?
「スキルを持っていないお主でクラウスが相手にならんほどだったんじゃ。他の、例えば<勇者の卵>の称号を持っている奴もおったじゃろ。あ奴等の実力はどうなんじゃ? やはりお主よりも強いのか?」
なんだ、俺の事じゃなくて他の奴の事だったのか。
って言ってもなぁ。昨日会ったばっかの奴がほとんどだからなぁ……
「すまん、あいつらとは昨日会ったばかりで、ほとんど何も知らない」
「ぬう……そうか。では一度模擬戦などで実力を図らねばならんな」
「そりゃまたどうして?」
別にそのうち分かる事なんだから別に良いんじゃないかと思うが。
「全員がお主のような化け物じゃったら、そもそも教えられる事の方が少ないからの。もしそうであれば冒険者ギルドにでも登録させて、魔物相手に実戦を積んでくれた方がよっぽど良いからの」
「冒険者ギルドなんてあったのか」
ってことは自分で金を稼ぐ事も出来そうだな。
「うむ。とは言え、いきなり魔物と戦って死なれでもしたらかなわんからの。だからこその模擬戦というわけじゃ」
「まあいいんじゃないか? ここに呼んだって事は、俺はやらなくていいんだろ?」
「少なくともお主はそうそう死ぬ事もなさそうじゃからの。問題ないわい」
「ならいいや。で、呼び出した要件ってそれだけ?」
「ああ、それともう一つあるんじゃ」
なんだ、まだあるのか。
「戦闘スキルの無い者は王立の学院に入学させるという話なのじゃが……」
「ああ、確か戦闘スキルが無い奴と、戦いたくない奴が希望して通うんだっけ?」
まあ戦闘スキルが無いのが俺だけってなると、他に希望者合わせてもそこまでいなさそうではあるけど……
「うむ、今別の部屋でアリシアが確認しておるところじゃが、昨日事前に聞いた話では他にいなさそうという事じゃ」
「は?」
つまりなんだ? ぼっちになるって事か。
っていうか朝香のスキルどうなってるんだろうか……さっきも声かけられなかったし、心配だな。
「まあもしかしたら一人くらいはおるかもしれんがの……で、じゃ」
「うん?」
「もしお主以外におらんかった場合じゃが、その時は学院への入学ではなく、冒険者として活動してみんか?」
「ええ……」
いきなり何言うんだこのおっさんは!!
すいません色々中途半端で




