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プロローグ

本当は前作とか〆なきゃいけないんですがつい書いてしまう病気。

※2018/1/5改稿しました。

「こら!! 逃げるんじゃない!!」

「断る!!」

「逃げたら斬るぞ!!」

「逃げなかったら?」

「斬る!!」


 どうしようまったく意味が分からない。誰か翻訳してくれ。

 俺だって逃げながら隙を窺ってはいるが、まあ隙なんてないわけで……


「そう毎回毎回ポロリしてたら身が持たないよ!!」

「大丈夫だ。人間はそうそう死なないように出来ている」


 死なないように出来ているというか、されている。

 だって内臓がポロリしても無理矢理治されるんだもの。

 だから逃げても無駄な事は分かってるし、今も油断させるためにわざと悲鳴なんて上げながら逃げ回ってるわけだけど。


 --バレてるか


 そりゃそうだよな。昨日今日初めて斬った張ったするわけじゃないんだし。

 はぁ……今日もポロリコースかなぁ。

 諦念を抱きながら、逃げから一点、壁を蹴って相手に向かう。


「ようやくやる気になったか。来い!!」


 言われなくても!! 今日こそレイラ母さんをギャフンと言わせてやる!!

 じゃないと五体満足で入学式を迎える事は出来ないだろう。


 --二週間前--


「実は蒼汰(そうた)、お前は俺の子じゃないんだ」

「知ってた」

「いや、驚くのも無理はない。今まで隠していて本当にすまな……えっ?」

「知ってた」


 いきなり呼び出されて何を言うのかと思えば。


「……なんで?」

「なんで? って言われても、母さん()から色々話聞いてたし」

「あいつら……」


 そりゃあ十人も母さんがいて、しかも全員が「蒼汰が本当の子だったら……」なんて言ってたらいくらなんでも察するってもんでしょう。

 いや、十人中一人が生みの親だと思ってた時期もあったけど。


「--父さん、その話、本当なの?」

「本当だ。朝香(あさか)、隠していてすまなかった」


 あ、でも朝香は知らなかったみたい。結構驚いてる。


「……私は?」

「朝香は正真正銘、俺とレティシアの子だ」


 それも知ってた。それにレティ母さんと朝香はそっくりだし。

 何よりこの日本で金髪でブルーの目なんてそうそういないだろうし。ちなみに俺は黒髪黒目のごくごく普通の日本男児です。

 だもんで兄妹だって言ってもまず信じて貰えません。


「そう……」

「だが勘違いするな。俺は蒼汰が実の子じゃないからと言って、お前達を区別するようなことはしない。蒼汰は俺の大事な息子だからな」

「それも知ってる」


 実際、親父も母さん達も俺の事を十二分に大切にしてくれているのは分かっている。

 ……まあ欲を言えば、一部の母さん達はもうちょっとこう、手加減してくれるとありがたいんだが。


「で、なんで今更そんな事を?」

「お前な……一応衝撃の事実っぽいことなんだからもうちょっとこう……あるだろう」

「そんなこと言われてもさ--ほら、俺エミリー母さんの息子でもあるわけだし」

「……それもそうだな」


 エミリー母さんはとにかく何でも知っている。知らない事もすぐ調べて教えてくれるし。

 で、俺も小さい頃からそれはもう知識という知識を色々叩き込まれたし。


 そんなエミリー母さんの教えは、「どんな時でも冷静に、心と頭は切り離せ」である。

 怒り、悲しみ、苦しみ、悩み……等々、心が乱れても頭の中は常に状況を把握して、最適な答えを出せるようにと、いつも口酸っぱく言われている。


 だからといって、どこから持ってきたのか、自動くすぐり機の『コチョ太郎』でくすぐり攻めされながら問題を解かせるとか、親父の隠していた薄い本を目の前で朗読しつつ問題を解かせるとか……

 何かと倫理的に色々問題のある行動が多い気もするが。俺まだ未成年だからね?


 まあ何が言いたいのかって。もう十年以上も毎日毎日繰り返されているのだから、そりゃあ大抵の事じゃ動じませんって。


「確かにお前にとっては今更かもしれない。だが俺からすれば軽い気持ちで言える話じゃないしな」

「だったら黙ってても良かったんじゃ?」


 別に無理して言わなくても。俺だって気にしてないんだし。


「だがお前には実の親のことを知る権利がある」

「あ、そういうのいいです」

「そうだよな。やっぱり本当の親の事が……え?」

「いや、だからどんな理由があったのかは知らないけど俺には親父と母さん達がいるし、別に今更本当の親とか、そんなに興味ないって」

「蒼汰……」


 だって今幸せだし、不満ないし……あ、あるわ不満。せめて文字通りの半殺しだけは勘弁して欲しいです。

 まあ、そりゃあ全く気にならないかって言ったらそんなことはないけど、さ。


「分かった。だがもし知りたくなったら言ってくれ。その時は隠さずに答えるからな」

「了解了解。で、話はそれだけ?」

「ああ--あ、いやもう一つあったな」


 そう言って親父が姿勢を改める。


「蒼汰、朝香。中学卒業おめでとう。二人とも同じ高校に進学するとは思ってなかったが、これからも家族として仲良くやっていこう」

「ありがとう親父。これからもよろしく」

「……」

「どうした朝香? 具合でも悪いのか?」

「……なんでもない。今日は卒業式とか打ち上げとかで疲れたからもう寝るね。おやすみなさい、父さん」

「あ、ああそうか。おやすみ、朝香」


 親父が言い終わるより早く、朝香は足早に部屋から出て行った。

 これはきっとアレだな、多分明日からちょっと気まずくなるやつだな。


「親父……」

「分かってる。あいつも年頃だしな……色々割り切れない部分もあるんだろう」

「俺は全然気にしてないのにな」

「いや、お前はもうちょっと気にしろ?」


 って言われてもなぁ。悪いのは俺をこんな性格に育てた母さん達だろ。決して俺は悪くない。


「まあいい、お前もそろそろ寝なさい」

「分かってるよ。おやすみ親父」

「ああ、おやすみ」


 朝香の態度は気になるが……まあなるようにしかならないよな。

 気にしたところでどうなるわけでもないと思い、俺は親父の部屋を後にした。



文字数は少な目ですが、頻度を上げて書いていきたいと思います。

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