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異世界リアルオンライン  作者: 兎藤うと
プロローグ
1/10

プロローグ 『無鉄砲で勇敢な少年の話』

アクセスありがとうございます!

衝動的にかいてしまいましたが、どうぞ、よろしくお願いします!



八月十五日再編。



 ――某月某日。ある少年が死んだ。

 まだ未来のある少年が、出会ったばかりの見知らぬ人のために、わざわざ自分の身を犠牲にしてまで庇って死んだ。

 なぜそうなってしまったのか。それは死ぬ数時間前に遡る。

 少年が部屋でゲームをプレイしていたとき、再婚相手の連れ子、どう遺伝をしたらそうなるのかわからない化け(クリーチャー)みたいな妹におつかいを頼まれたのがきっけだ。いくのが面倒くさいという理由で。もちろん、少年は顔を見ないようにして拒否した。けれど諦めの悪い妹が、甘い言葉を囁きながら少年の視界に無理矢理入ったのだ。

 それからどうなったのか。妹の顔面を見て気持ち悪くなった少年は、妹の頼みを訊くことにして、嘔吐するのを我慢して家を飛び出した。

 一時間後、店までの街の道を歩いているところ、少年は誰かにぶつかってしまい、咄嗟に抱き留めてしまう。それが運命なのか偶然だったのかは知らない。

 少年と同級生ぐらいの少女とラブコメみたいな体験をした後、別れるつもりだったのだが、突如建物が倒壊し、少年たちに向かって倒れてきたのだ。

 少年は考えるよりも先に、状況が理解できずに身動きが取れない少女を突き飛ばして、建物の下敷きとなったわけだ。

 発見されたときには、身体の原型を留めておらず、見るに堪えない状態だったらしい。

 結果? 結局のところ、あまり芳しくない。

 庇ったのはいいが、彼女も倒壊に巻き込まれて重傷を負った。回復は見込めないらしい。

 まあ、死んだ少年もそれを知りようもないが、実に不幸で滑稽な話だ。

 少年にはまだ未来があった。それを、自ら一つの命を救うために一つしかない命を捨てた。無鉄砲だったが、それでも勇敢な少年だ。

 ――ワシは気に入ったぞ。若者(わかもの)よ。


 短い人生だった。まさか彼女が一人もできずに死ぬなんてな。まだ積みゲーが残っていたというのに。これならいっそのこと、来世はゲームみたいなファンタジー世界で生きられたら積みゲーなんて作らずに済むのにな。さすがに夢見過ぎだな。まあ、女の子を助けただけ、男として未練はないな。じゃあな俺……来世で元気にやれよ。さよなら――


 少年は願った。薄れていく意識の中で。すると、誰かが薄く笑った気がした。


 ――主よ。その望みはもうとっくに叶っておるぞ。


 僅かに聞こえた言葉とともに、暗い世界は白い光に染まった――


読んでくださりありがとうございました!


タイトルが微妙なので、のちのち変えるかも知れません。

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