プロローグ 『無鉄砲で勇敢な少年の話』
アクセスありがとうございます!
衝動的にかいてしまいましたが、どうぞ、よろしくお願いします!
八月十五日再編。
――某月某日。ある少年が死んだ。
まだ未来のある少年が、出会ったばかりの見知らぬ人のために、わざわざ自分の身を犠牲にしてまで庇って死んだ。
なぜそうなってしまったのか。それは死ぬ数時間前に遡る。
少年が部屋でゲームをプレイしていたとき、再婚相手の連れ子、どう遺伝をしたらそうなるのかわからない化け物みたいな妹におつかいを頼まれたのがきっけだ。いくのが面倒くさいという理由で。もちろん、少年は顔を見ないようにして拒否した。けれど諦めの悪い妹が、甘い言葉を囁きながら少年の視界に無理矢理入ったのだ。
それからどうなったのか。妹の顔面を見て気持ち悪くなった少年は、妹の頼みを訊くことにして、嘔吐するのを我慢して家を飛び出した。
一時間後、店までの街の道を歩いているところ、少年は誰かにぶつかってしまい、咄嗟に抱き留めてしまう。それが運命なのか偶然だったのかは知らない。
少年と同級生ぐらいの少女とラブコメみたいな体験をした後、別れるつもりだったのだが、突如建物が倒壊し、少年たちに向かって倒れてきたのだ。
少年は考えるよりも先に、状況が理解できずに身動きが取れない少女を突き飛ばして、建物の下敷きとなったわけだ。
発見されたときには、身体の原型を留めておらず、見るに堪えない状態だったらしい。
結果? 結局のところ、あまり芳しくない。
庇ったのはいいが、彼女も倒壊に巻き込まれて重傷を負った。回復は見込めないらしい。
まあ、死んだ少年もそれを知りようもないが、実に不幸で滑稽な話だ。
少年にはまだ未来があった。それを、自ら一つの命を救うために一つしかない命を捨てた。無鉄砲だったが、それでも勇敢な少年だ。
――ワシは気に入ったぞ。若者よ。
短い人生だった。まさか彼女が一人もできずに死ぬなんてな。まだ積みゲーが残っていたというのに。これならいっそのこと、来世はゲームみたいなファンタジー世界で生きられたら積みゲーなんて作らずに済むのにな。さすがに夢見過ぎだな。まあ、女の子を助けただけ、男として未練はないな。じゃあな俺……来世で元気にやれよ。さよなら――
少年は願った。薄れていく意識の中で。すると、誰かが薄く笑った気がした。
――主よ。その望みはもうとっくに叶っておるぞ。
僅かに聞こえた言葉とともに、暗い世界は白い光に染まった――
読んでくださりありがとうございました!
タイトルが微妙なので、のちのち変えるかも知れません。