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③オッパイ星人!?

 王都エフェレリアの聖女の話が出てきます。

 「ところで師匠、エフェレリアという国は、初めて行くのですが、どんな国なんでしょうか?」

ロックがカレーに非常によく似た料理を口に含ませながら、隣で酒を飲むクリフに言った。

飲食店内のカウンターにロックとクリフはこしかけ、旅の途中、束の間の休息の時を過ごしている。

 「ああ、エフェレリアはな、オッパイ聖人で有名な都市なんだ。そんな場所がなぜ、問題が起こっているんだか・・・・・・・・。」

クリフが少しだけけだるそうにそう言うと、ロックは目を丸く見開いて言ったのだ。

 「お・・・・・・オッパイ星人!?何ですか、それ!?変態ですか!?」

そう言うロックに、クリフは酒をガブガブ飲みつつ、

 「違う!”聖人”だっ!聖なる”聖”に”人”と書く!お前の考えているように、”星”の”人”じゃないっ!つまりだな、マザー・テルサンという聖女で有名な国なんだ。」

 「ハァ!?テルさん!?テルさんって、どこかのおばあさんの名前か何かですか?」

そう、けげんな表情をして言うロックにクリフは頷き、言った。

 「ああ、バアさんはバアさんなんだが、・・・・・・」

クリフは話すのがかったるいといった感じで言いよどんだ。

「マザー・テレサなら、俺、知ってますが・・・・・・。」

 「マザー・テレサ!?誰だ、それは?」

 「俺の世界での聖女です。」

 「お前の世界の聖女の事はどうでもいい。とにかく、エフェレリアという国家は、テルサンで有名な所なんだ。マザー・テルサンという82歳のばあさんがいて、そのばあさんが、自分の乳で、原因不明の流行病で滅びゆかんとしているエフェレリアを1人で救った、という事で有名なんだ。」

そのような話にロックはポカンとしながら、言った。

 「・・・82歳のおばあさんで、乳が出たんですか!?」

 「ああ、そうだ。マザー・テルサンは、元々は、アルカタの国のシスターで、お祈りをしている時に、神から、”乳でエフェレリアを救え”との啓示があった事は、有名な話だ。その話は紙芝居にもなっていて、所々で語り継がれている。

 神の啓示があった後、テルサンはエフェレリアへ行き、乳で、エフェレリアを一人で救ったんだ。何でも、そのばあさんの乳を1口口に含ませるだけで、流行病が治ったんだとよ。その乳を都中の人全員に与えたそうだ。」

 「それで?テルサンは、最後は、どうなったんですか?」

興味深げに目を丸くして聞くロックにクリフは半ば仕方なさそうに答えた。

 「最後は、乳を出し尽くして体がしなびて、ミイラになり、死んだ。そのテルサンのミイラは今でもエフェレリアの霊廟に祭られてあり、様々な人々が奇跡にあやかるために、エフェレリアへ訪れる。

 ・・・・・・そんな聖都であるエフェレリアに、怪奇現象なんて似合わないんだがなぁ・・・・・・。」

そう言い、頭をひねると、クリフは大きなムカデをそのまま燻製にしたものを、酒といっしょに飲み込んだ。 

 それからしばらくして、二人はこの飲食店をあとにしたのであった。


 しばらく無言で二人は歩いていた。ロックは「沈黙」というものの恐ろしさを無意識のレベルで知っていたので、わざとらしく沈黙を破り、話し始めた。

 「俺の住んでた世界では20歳にならないと、酒は飲んじゃあだめなのに、ここでは17歳のクリフさんでも酒を飲めるから不思議ですね。」

 「ああ!?お前のいた世界って、んなに不自由だったのか!?妙な世界だな。」

ロックの言葉にクリフは、少しいかがわしげな表情をしながらそう答えた。


 その後二人は、エフェレリアへ向けて、歩を進めていったのであった。

 一体エフェレリアでは何が起こっているのでしょう!?

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