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黒猫少年との特別授業  作者: 迎 カズ紀
純子のたどった3ヶ月
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5,6時間目を利用してテスト返しを一度にランチルームで行う、と先生から連絡があった。今までこんなことはなかったから、みんな驚いていた。

「それだけ、普段の授業で返せるほどの時間がないってことか……」

先生方が必死になって1ヶ月以内をめどに教科書のことを全部教えようとしている。きっと速いんだろうな……って考えたら憂鬱になる。

「冬美、一緒に行こ」

「うん……あっ」

「どうしたの?」

「翔平に問題用紙挟んだ教科書貸してたの忘れてた……。ごめん先行ってて」

「それなら廊下で待つよ?」

「ううん大丈夫。時間ギリギリだし先行ってて」

「そっか、じゃあまた後でね」

「うん、ごめんよー」


1人でランチルームへ向かっていると前の方に同じクラスの女子数人がいたから一緒に行くことにした。この子たちは総合学科の高校に進学予定で、あと2ヶ月くらいしか一緒にいられない。なんで中学から高校の間でいろんな子とバラバラになるのかな。もっとみんなと過ごしたいな。



「では数学からテスト返しを行う。順番に前から担任の先生方が配っていくから隣や後ろのやつに見られても文句言うなよ。解説は質問があるときだけ。模範解答のプリントも配るからとりあえず採点間違いがないかだけ確認しとけ」

はーい、とやる気のない声があちこち飛び交う。今回のテストは難しかったもんな……。

「じゃあ、返していくぞー」



「……えっ」

愕然とした。凡ミスが多すぎる。符号とか、約分間違いとか、とにかく……単純なミスで20点は落としている。平均点よりは上だし、まずまずといえばまずまずなのだけれど。

「でも……」

きっと母は許してくれない。理系を目指してる人間が取る点数じゃない、って怒られるに決まっている。どうしよう、どうしよう、どうしよう……。

「次は理科だぞー。点数間違いあるやつは早く来ーい」

先生の声でハッとした。急いで確認したけれど、点数間違いは一つもなかった。

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